頭髪と不登校
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頭髪と不登校

2019年07月07日(日)12:57 AM

不登校をしている子どもたちの親は、それこそ毎日が心配の連続であり、思い悩んでいます。

 

 

 

 

 

「なんとか良い方法はないだろうか・・・・・・」、「どこか相談に乗ってくれるところはないか・・・・・・」あるいは「解決策があれば、どんなことでも知りたい・・・・・・」と必死で探し、そういうところがあれば、それこそわらにもすがる思いでどこへでも出かけていくと思います。

 

 

 

 

 

本来、子どもは毎朝決まった時間に起きて、元気に「行ってきます」と学校へ出かけ、夕方になると「ただいま」と帰ってくるのが当たり前です。

 

 

 

 

 

そういった普通の子どもたちを見るにつけ、学校へ行かずに家でフラフラしているわが子を見る親としては、それこそいたたまれない思いだと思います。

 

 

 

 

 

だから親も表面上だけにこだわって、ただただ「とにかく、学校へ行け」の一点張りになってしまいます。

 

 

 

 

 

一方、毎日学校へ行けと言われている子どもたちにしてみれば、学校へは行きたくないのですから、ますます学校という言葉が耳障りになってくるし、そういった親の声を聞くだけで”うるさい”となり、しまいには親の顔も見たくなくなります。

 

 

 

 

 

そうなると、ますます自分の殻に閉じこもってしまい、学校嫌いに拍車がかかることになります。

 

 

 

 

 

ここで親が考えなくてはいけないことは、”行きなさい”という前に、なぜ子どもたちが学校へ行かなくなってしまったのかを冷静に考えることです。

 

 

 

 

 

不登校になってしまった子どもたちは、おそらく千差万別、それぞれの理由があるはずです。

 

 

 

 

 

その理由を親が発見し、もしそれが改善できるものならば、学校へ行けと言う前になんとかしなければならないでしょうし、またやるべきです。

 

 

 

 

 

それで、ずいぶん改善できることが多いのです。しかし、原因がわからなかったり精神的に不安定になってしまった子どもたちには、そうなった原因を追究するより、では今後どうすればいいかと考えるほうを優先することが大切です。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターに相談に来た中学2年の男の子の親御さんがいます。親御さんの言い分は「転校してきたので友だちがなかなかできにくい。引越しして1ヶ月が過ぎたが、学校へはまだ5日しか行っていない」ということです。

 

 

 

 

 

そして「うちの子どもに、もし、仲のよい友だちができれば、ちゃんと毎日学校へ行けるのに」と言います。

 

 

 

 

 

また、「転校していく学校で友だちができるどころか(何回か転校している)、いつもいじめにあってしまう。これももし仲の良い友だちがいればなにもいじめにもあわないし、何の抵抗もなく学校へ行けるのに」とつけ加えました。

 

 

 

 

 

この母親の言うことを聞いていると、まるで学校はろくでもない子どもたちしかいなくて、あげくのはてはうちの子どもはいじめられてばかりいる、うちの子どもが学校へ行かないのは、学校の生徒が悪くてそしてそれ以上に教師がそのあたりをもっとしっかりチェックしてくれないからだという理屈になります。

 

 

 

 

 

つまり、自分の子どもが学校へ行かなくなったのは、学校のせいだと決めつけているのです。

 

 

 

 

 

子どもが学校へ行って勉強したり遊んでいる間は、親も学校へ預けたからといって安心していると思いますが、いざ子どもが不登校をし始めると、その原因が自分サイド、つまり自分たちの家庭もしくは家庭での教育はどうであったかということをケロリと忘れてしまいます。

 

 

 

 

 

一度でも自分たちのことを考えてみたことがあるのでしょうか。何か悪いことをしたり、学校へ行かなくなってしまうとすぐ学校が悪い、先生方が悪いといって責任を学校側に押しつけて、当然のように思う親が多いのはどういうことでしょうか。

 

 

 

 

 

この中学2年生のA君を見て、わたしがすぐに気がついたことは、A君の頭髪が薄くなっているということでした。

 

 

 

 

 

わたしはA君と会って話をした後に、両親にズバリと聞いてみました。

 

 

 

 

 

「A君の頭の毛が薄くなっているということに気がついていますか?」すると、母親が一瞬「えっ!」といった表情で顔をひきつらせました。

 

 

 

 

 

「いいえ、そんなこと考えてみたこともないし、全く気がつきませんでした。頭の毛をよく見たこともありません」と言いました。

 

 

 

 

 

わたしはかつて”若ハゲ”で悩んでいた少年や青年たちと話したことがあります。それは、本人たちにしてみれば深刻な大問題なのです。

 

 

 

 

 

普通、ちょっと毛が薄くなったとか、毛がないとか、けっこう日常会話の中で頭の毛のことが話題になることもよくあります。

 

 

 

 

 

これはある意味では冗談として会話の中に出てきます。

 

 

 

 

 

しかし、A君のように「毛が少しずつ薄くなっていく」と、自分で気がついたときには、学校も家庭もどうでもいい、いや極端な言い方をすれば自信をなくして人生なんてどうなってもいいやという気持ちになってしまう人もいます。

 

 

 

 

 

ましてや、A君のような見た目を気にする思春期の子どもにしてみればなおさらのことだと思います。人間というのはたいへん勝手なもので、あるべきものがあるとないとでは大違いで、あるものがあるとなんとも気にしませんが、いったんあるべきものがだんだん失くなっていくことに気がついたとたん、それこそ大きなショックを受けてしまうのです。

 

 

 

 

 

かつて関東自立就労支援センターに頭髪が原因で家庭内暴力がひどくなった中学生の父兄が来たことがありました。

 

 

 

 

 

彼は親に向かって、「俺の頭の毛が薄くなったのは、お前らのせいだ!俺の人生を狂わせたのもお前らだ!」と言いました。

 

 

 

 

 

来る日も来る日も家で暴れまわり、家の中はメチャクチャにするし、両親には暴力をふるい、それこそ手がつけられなくなったのです。

 

 

 

 

 

親に対して、「髪の毛がすぐ生えてくる薬を、どこへでも行って探して来い!」と朝から晩まで暴れながら言い続けていたのです。

 

 

 

 

 

母親も仕方がないというより、もし子どもの言うことをきかなければ、子どもから殺されていたかもしれないというほどだったようです。

 

 

 

 

 

だから、母親も必死で日本全国を探し求めたのです。わたしも一度、見に来てほしいと言われてそのお宅にお邪魔したことがありました。

 

 

 

 

 

人間の住むところではないというほど家の中はメチャクチャになっていて、足の踏み場がありませんでした。

 

 

 

 

 

この時、わたしは一瞬ではありましたが、子どもの顔を見ることができました。見るからに目つきが鋭く、まさに目が凶器化していました。

 

 

 

 

 

まるで野生の動物が獲物を狙っているといわんばかりの目つきでした。もう手遅れで、まったく手をつけられない状態にまでなっていました。

 

 

 

 

 

この少年はその後、いろいろ相談した結果、精神的にもここまできてしまっては医学の世界でないとだめであろうということで、長期に渡って病院へ入院させることになりました。

 

 

 

 

 

病院へ入院させることによって、確かにその間は親は一安心するかもしれませんが、この少年にしてみれば一生目的のない人生を送ることになってしまいます。

 

 

 

 

 

そして同じような悩みを持つA君も、もしかしたらこのケースと同じように目的のない人生になってしまうかもしれません。

 

 

 

 

 

それとも違った方向へ行くのかは、今後の親の考え方しだいです。

 

 

 

 

 

わたしは理髪店はいつも決めているところに行きます。わたし自身、やはり理髪店に行くには、よく知っていて心の落ち着くところがいいと思っています。

 

 

 

 

 

わたしがいつも利用しているのは都内の理髪店です。ここはわたしが長年に渡って通っているところです。

 

 

 

 

 

この理髪店を経営するWさんとは、調髪してもらっている間、いろいろと世間話をします。教育についてというか、どうしても子どもの話が中心になります。

 

 

 

 

 

Wさんも、わたしがどんな仕事をしているのかよく理解しているので、たまに寮の子どもたちを連れて行くこともあります。

 

 

 

 

 

Wさんの話では、最近の傾向として若ハゲが増えてきているといいます。わたしもなぜ頭髪が抜けていくのかということに興味があるので、行くたびに髪の毛について質問しています。

 

 

 

 

 

脱毛については、特にこれだという結論はなかなか出てこないようです。もちろん、いろいろな原因はあるのでしょう。

 

 

 

 

 

たとえば、病的なものであるとか、何日間も頭を洗わずに不潔にしているとか、毎日ドライヤーで頭皮が火傷するぐらいに焼いて毛根を痛めてしまうとか・・・・・。

 

 

 

 

 

そして、その原因のひとつにあげられ、一番やっかいなのがストレスのようです。確かによく話を聞いてみると、この”ストレス”というものはたいへんなもので、ひと言でどういうものだとは言いきれません。

 

 

 

 

 

A君の話に戻しますと、たとえば他の子どもたちと遊んだり話をしているときでも、もしかして自分の髪の毛を見て何か変なことを言われたりしないだろうか?と、気になってしまうのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

そうなると人前に出るたびに、自分で自分をだんだんと追いつめていくようになり、ますます消極的になってしまうでしょう。

 

 

 

 

 

わたしたち大人にだってその心理状態はよく理解できます。A君がそう思い込んでいったら学校にも外にも出たくなくなり、家の中にいて誰とも会わないほうがいいと思うようになってしまいます。

 

 

 

 

 

本来、子どもたちが運動もしないでただ家の中に閉じこもっているということは実に不自然です。運動不足になってくるし、生活のリズムが狂い、昼間寝て夜起きているようになり、食欲もなくなってきます。

 

 

 

 

 

この状態になってしまうと悪循環になってしまいます。それこそストレスもたまるでしょう。頭の毛だってなくなっていくのも当然のような気がします。

 

 

 

 

 

ところが、自分の子どもがそのようなことで死ぬほど苦しんでいるなどとは親はまったく知らないのです。

 

 

 

 

 

A君の両親も、つい最近家を新築したようですが、何も子どもが学校に行かないで毎日家にいるようにと新しくしたわけではないだろうにと思うと、なんとかしてあげたいという気持ちでいっぱいになります。

 

 

 

 

 

子どもにしてみれば、新しい家も古い家も関係ないのです。ただ単に頭の毛が普通に戻って普通の子どもと同じようになればいいのに、としか思っていないのです。

 

 

 

 

 

しかし、現実にこのように頭の毛が薄くなった子どもをいったいどうすればいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

わたしはまず運動をさせることが先決だと思いました。体を動かし汗を流させ、心の中の痛みを抜き取り、新しいエネルギーを送り込む以外、方法がないのではないかと考えました。

 

 

 

 

 

何もしないで今のままの状態を続けていても、何の可能性もないし変化も起こりません。

 

 

 

 

 

「大丈夫だよ。君の髪の毛はいずれまた生えてきて元通りになるよ」と、A君に言っても、単なる一時的な気休めで本人が納得するものでもないでしょう。

 

 

 

 

 

髪の毛のことなどまったく関心がなくなり、気にしないような何か他のことに夢中にさせることをやらせるのもひとつの方法です。

 

 

 

 

 

それによって規則正しい生活に戻れば、朝起きて夜寝るというリズムができて、運動もして汗を流すので、食事も進むようになるでしょう。

 

 

 

 

 

そうなれば栄養分が体内に浸透していき、頭髪もしだいに増えていくことだって可能性があります。

 

 

 

 

 

このまま何の手立てもしないでいると、頭髪もそうですが精神的にも落ち込んでいくでしょう。

 

 

 

 

 

今は何か行動させなければ良くなる可能性はまったくないし、変化も絶対に起きないこともはっきりしています。

 

 

 

 

 

そして、親が子どもの悩みの原因に気づくには、ほんのちょっとした愛情の眼差しがあれば十分であり、それこそ親にしかできないことなのです。

 

 



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