高校中退とひきこもり
ホーム > 高校中退とひきこもり

高校中退とひきこもり

2019年07月01日(月)10:22 AM

引きこもりが学齢期に発現したために登校できなくなる、これが不登校です。

 

 

 

 

 

子ども達がさかんに成長するこの大切な時期に、何が起こったのでしょうか。

 

 

 

 

 

成長が盛んな時期は同時に、トラブルを起こしやすい時期です。

 

 

 

 

 

心の問題は、時間的にズレを持つ要因が多様に絡んでいて、そのため回復に長い時間を要する場合が多いようです。

 

 

 

 

 

しかし、年齢が低いほど、成長を妨げる要因が単純な場合が多く、回復のための訓練などを始めやすいのは確かです。

 

 

 

 

 

不登校とは、その原因が何であれ子どもが自ら苦しい、生きづらいと訴えている一つの形です。

 

 

 

 

 

育ちの環境の中に、子どもに相容れられないなんらかの問題があることを表しているのですから、開き直って、子どもと環境を見直す絶好の機会としたいものです。

 

 

 

 

 

ただ、単純ではありませんから、医療、福祉、教育など関係者が協働した総合的な支援が求められます。

 

 

 

 

 

わたしが不登校の相談を始めたばかりのころ、「高校に入って急に態度が変わった」「お風呂のガラスを割ったが、理由が見当たらない」などおかしな事件を起こした中学生の相談が数人続きました。

 

 

 

 

 

いずれも中学時代はクラスのリーダーだったり、成績が良かった子どもでした。

 

 

 

 

 

さらに高校生本人が直接相談に訪れることも多く、友達と連れ立ってくるのです。

 

 

 

 

 

相談内容はほとんどが「学校が合わない」という問題でした。

 

 

 

 

 

しかし相談に来る高校生の状態は、不登校そのものという感じでした。

 

 

 

 

 

始めたばかりの不登校相談でしたが、当時、もっとも多かったのは中学生の相談でした。

 

 

 

 

 

「教育相談」という看板が悪かったのでしょうか、学齢期のあいだは熱心に相談に来られるのですが、子どもが中学生を卒業すると相談も中断する例が多く、不登校は、登校する必要がなくなればそれで問題は解消したと考えていたようです。

 

 

 

 

 

高校生の相談でもやはり、学校を辞めれば相談に来なくなります。

 

 

 

 

 

当時、相談に来られる家族の方は、「進路を決めるのはすべて学校」という認識だったようで、相談が進んで進学・通学を辞める決心をすると、そのまま相談から離れてしまうのです。

 

 

 

 

 

進学を辞めたことで、問題が解消したと考えたのでしょう。

 

 

 

 

 

わたし自身もその当時は、支援者、相談員でいながら引きこもりについての意識が低く、就労・自立についてそれほど問題にしていませんでした。

 

 

 

 

 

学校から離れ、ストレスがなくなればそのうち解決する、という感覚があったと思います。

 

 

 

 

 

相談を受けた家族からは、「高校に入って元気を取り戻した」「要領を覚えたのか、適当にやっている」など中学校を卒業してから元気になった報告が多くありましたし、転校して学校へ行きだした高校生も見てきたからだと思います。

 

 

 

 

 

数年して、相談が終わった家族の方から「いつまでも家から出ない」「就職しない」というひきこもりの相談がきはじめました。

 

 

 

 

 

高校での不登校の相談とともに、「転校してよかった」「高校に入学できた」などと報告されていた家族の方からも、また他の施設でサポートを受け、進学した高校生や親からも相談が増え始めました。

 

 

 

 

 

当事者の状態は、不登校とまったく同じでした。

 

 

 

 

 

年齢を重ねるほど増える

 

 

 

 

 

小学校に入学すると不登校が始まるのは、「学校」に行かない年齢で不登校はありえませんから当然ですが、学年が進むにつれてますます増え始めることを重視すべきです。

 

 

 

 

 

中学生になると飛躍的に増加し、学年とともにさらに増え続けるのです。

 

 

 

 

 

義務教育のなかのどの学年でも不登校が増えることを止めることができません。

 

 

 

 

 

子どもはすべて学校に通う、通わせなければならないのが義務教育です。

 

 

 

 

 

傍らから見れば、義務教育が子どもを苦しめ、引きこもりを生み育てているということになります。

 

 

 

 

 

教育の内容や方法の問題なのか、体制や制度そのものに問題があるのか、原因がどうであれこれはたいへん深刻な問題です。

 

 

 

 

 

このような状態がもう30年以上も続いているのです。

 

 

 

 

 

自分では何もできない歯がゆさと、社会の安穏とした動きにいらだちを感じているのはわたしだけではないと思います。

 

 

 

 

 

文部科学省が公表している「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」を見てみますと、不登校がもっとも多いのは中学3年生であり、ここで卒業を迎えると、義務教育から離れたということで統計は途切れてしまうのです。

 

 

 

 

 

2001年から増加率は横ばいです。なぜ、減らないのでしょうか。

 

 

 

 

 

小学1年から学年とともに増加、子どもを苦しくさせる教育を「義務教育」といえるでしょうか。

 

 

 

 

 

夢と希望に胸膨らませる時代といわれる中学校への入学時に飛躍的に多くなるのはなぜでしょう。

 

 

 

 

 

中学3年生がもっとも多いまま卒業して、若者たちはその後どうなっているのでしょうか。

 

 

 

 

何らかの支援は、引き続き行われているのでしょうか。

 

 

 

 

 

高校中退問題とひきこもり

 

 

 

 

 

近年になってやっと、行政も高校生の不登校の統計を取り始めました。

 

 

 

 

 

高等学校の不登校問題は、小中学校よりさらに厳しい状況です。

 

 

 

 

 

高等学校での不登校の在籍率は2009年で1.55%、不登校と重複する部分もありますが、中途退学者の在籍率が1.7%です。

 

 

 

 

 

高校不登校生徒のうちの2万4725人が中途退学、その率は36.6%と報告されています。

 

 

 

 

 

さらに、中学校時代にも長期欠席であった不登校生徒は1万4245人で、不登校生徒全体の21.1%を占めていますが、中学校で不登校体験をしていない生徒が5倍もいるということです。

 

 

 

 

 

高校生の「不登校・中退問題が中学生時代の不登校と密接に関わっている」といわれますが、高校生の年齢になって不登校・引きこもりになる若者も多いことが推測されます。

 

 

 

 

 

引きこもりとは、家に閉じこもっている状態だけではありません。

 

 

 

 

 

若者風に流行語を使えば、インターネットのゲームで紛らわす「イタゲ」や、その辺りを徘徊し、時間になったら帰ってくる「放浪者」、人前で食事できない「トイレ飯」の学生などは、感情の癒しなど心理的援助を必要とすることなどから、引きこもりと見るべきだと思います。

 

 

 

 

 

高校中退後のニート、フリーターと言われる若者たちのなかには、生活や心理的状態が引きこもりと見たほうが適切と思われる若者は少なくありません。

 

 

 

 

 

高校中退については、引きこもりを念頭にした支援体制と、実態調査が必要なように思います。

 

 

 



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援