思春期の子ども~不安定で傷つきやすい自尊心~
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思春期の子ども~不安定で傷つきやすい自尊心~

2019年06月21日(金)11:03 AM

中学生を対象に行われた調査を見ると、彼らが普段一番嫌だと思っていることは、親から「勉強しなさい」と言われることだそうです。

 

 

 

 

 

確かにこの時期、親が子どもに向かってこうしたことを言う機会は顕著に増えます。

 

 

 

 

 

小学校の間は、子どもというのは多少勉強しなくても、元気に育ってくれればよいと思っている親が多いでしょう。

 

 

 

 

 

しかし、中学校に入るとそうはいきません。学習内容が高度になってくるので、家でも勉強をしないとついていけないのではないかと親は心配します。

 

 

 

 

 

また、親たちの心の中には、高校進学という問題がちらつき始めます。

 

 

 

 

 

高校進学は学力による子どもの選別です。それが良いか悪いかはともかく、選別が待っているからには、それに備えなければならないと親が思うのも当然です。

 

 

 

 

 

学力選別は、日本の学歴社会を反映しています。実力主義が叫ばれるようになり、よい高校、よい大学と進学することが、以前ほどには社会的成功に直結しないといわれていますが、しかし、高学歴は今日でも無視できない効用を持っていると多くの人が信じています。

 

 

 

 

 

中学校というのは、いわば子どもが学歴社会に入っていく助走路のようなものですから、この頃から親が子どもの学力を気にかけるようになるのはやむを得ないことだと思います。

 

 

 

 

 

一方、子ども自身もこのことが気にならないわけではありません。むしろ、親以上に当人のほうが勉学をストレスに感じていることも多いのです。

 

 

 

 

 

自分自身が気にしていることをはたから言われるので、よけいにうっとうしいと思うのでしょう。

 

 

 

 

 

それに加えて、この年代は自律への欲求が強まります。勉学に限らず、自分のやり方、自分の行動に対して干渉されたくないという気持ちが強まります。

 

 

 

 

 

思春期の青年たちは、自分たちはもう子どもではないのだから、以前のように事細かに指図を受けたくないと思うのです。

 

 

 

 

 

この気持ちはよくわかります。しかし、親の側もだからといって思春期の子どもを一人前の大人とみなして何でも本人の好きにさせるというわけにはいきません。

 

 

 

 

 

勉強のこともそうですが、将来という点から見て何が大切か、子ども自身がよく分かっているとは限らないし、また、子どもが自分で行動を正しく律していけるとも限りません。

 

 

 

 

 

また、社会には法律や規則があり、人づき合いには多くのマナーやエチケットもありますが、子どもたちはそうしたことを十分には知りません。

 

 

 

 

 

子どもたちはネットやテレビを見て、自分自身では、世の中のことを十分に知っていると思っているかもしれませんが、実際の社会経験がないので、その知識は浅いものです。

 

 

 

 

 

世の中のことをよく知らないために、思いがけない事故や犯罪に巻き込まれることもあるし、あるいは人に迷惑をかけてしまうこともあります。

 

 

 

 

 

そうしたことを避けるためにも、この年代の子どもたちはまだ大人の保護と監督の下で行動すべきです。

 

 

 

 

 

法律や学校の制度はその一例ですが、現代の社会では10代の子どもを一人前の大人とはみなさないという一致した考え方が取られています。

 

 

 

 

 

子どもにも個人差があり、しっかりした子どももいないわけではないのですが、現代社会の複雑な仕組みを考えると、こうした対処のしかたは合理的なものだと思います。

 

 

 

 

 

今の子どもたちだって、将来、自分が親になればきっと同じ考え方をすることでしょう。

 

 

 

 

 

しかし、思春期において自律や独立への強い欲求が生じるのは、子どもたちが大人への一歩を歩み始めた証拠です。

 

 

 

 

 

子どもが自己主張するようになるのは発達的に自然の現象で、また望ましいこともありますが、一方、これに規制を加えようとすることも、前述したような理由で、親として当然のことです。

 

 

 

 

 

だから、この時期は親子間の葛藤は避けられません。葛藤は誰でも嫌なのですが、親としては子どもと対立することも親の役割の一つと考えるべきなのかもしれません。

 

 

 

 

 

葛藤を通して親子の関係も変化していくので、思春期の葛藤は親も子も将来の大人どうしの付き合いに発展するための準備段階にあることを示すものです。

 

 

 

 

 

不安定で傷つきやすい自尊心

 

 

 

 

 

思春期に入ると、自律心とともに、子どもたちは自尊心を持つようになります。だから、相手が親であれ教師であれ、見下されたり、軽視されたり、一方的に何かを押し付けられるとひどく反発するようになります。

 

 

 

 

 

思春期の頃から、自分を一人前と認めて欲しいという気持ちが強まるので、それを無視して、頭から子ども扱いをすると反発を招きます。

 

 

 

 

 

そうした状態で、いわゆるキレた状態になる子どももいます。思春期にある子どもたちの中には、自尊心が傷つくと激しい感情的興奮に陥り、衝動的な行為をする人もいます。

 

 

 

 

 

思春期の子どもたちは、自分自身の価値がどんなものかを切実に知りたがっています。

 

 

 

 

 

自分は何が得意で、人からどう思われていて、また、どんな魅力があるかを確かめたいと思うようになります。

 

 

 

 

 

しかし、この年代の少年たちは自分の価値について確固たるものを持っていません。

 

 

 

 

 

周りの友だちがみな優秀に見えたり魅力的に見え、些細なことで劣等感を抱いたりします。

 

 

 

 

 

だから、思春期の自尊心はとてももろく、傷つきやすいのです。

 

 

 

 

 

自己価値の感覚が不安定な人は、大人でもそうですが、人の言動に敏感です。本当に自分に自信のある人は、人からどう思われようとあまり気にしませんが、自信がない人ほど、人の言動に左右されてしまいます。

 

 

 

 

 

褒められるととてもうれしいし、評価されていないと思うとがっかりします。

 

 

 

 

 

また、人から軽視されたと思うとひどく腹が立ちます。思春期の子どもたちの心理は、ちょうど、自分に自信のない人に似ています。

 

 

 

 

 

人の言動に過敏なのはそのためです。

 

 

 

 

 

人からどう見られているかをいつも気にし、それによって感情を乱されやすいのです。

 

 

 

 

 

思春期の子どもたちは、理由もなく(はたからはそう見えます)不機嫌になり、妙にぷんぷんしたり、些細なことにかっとなったりします。

 

 

 

 

 

ゆがんだ主観的な解釈をして、相手が思ってもみないような受け止め方をすることもよくあります。

 

 

 

 

 

それは彼らの自尊心が不安定で、傷つきやすいせいです。男子の場合、自尊心は「男らしさ」と強く結びついています。

 

 

 

 

 

「男らしくない」と言われることが、思春期の男の子の自尊心をひどく傷つけます。

 

 

 

 

 

しかし、「男らしさ」へのこだわりが強すぎるのは問題です。勇気の証明とか腕力の誇示などを試みることとなり、これが危険な行為や非行を促す原因となるからです。

 

 

 

 

 

実際、青年期の暴力非行の多くには、男らしさを誇示したいという動機が多く見られます。

 

 



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