ひきこもり・ニートの就労支援と課題
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ひきこもり・ニートの就労支援と課題

2019年06月18日(火)10:53 PM

職業は、「職、正業、仕事とも呼ばれ、日常的に従事する業務や労働など、職務のことで、技能、能力等が伴います。

 

 

 

 

 

職業に就くことを就職、就労という」と辞書に書いてあります。

 

 

 

 

 

目的はほとんどの場合、生計を立てるため、つまり生活するのに必要な物資やサービスを得るために必要な金銭を得るためになされています。

 

 

 

 

 

被雇用者の場合は、主としてそれを給与の形で、個人事業主(自営業)の場合は利益の形で得ています。

 

 

 

 

 

しかし、若者の就労に関しての思いはこれだけではありません。

 

 

 

 

 

特にひきこもり状態ではこの思いからくる感情が強くあって、生活のためと訴えるだけでは動く気力がわかないのか、就労継続の意欲を引き出すことにはならないように見えます。

 

 

 

 

数年前に相談に来た若者は、教育系の大学を卒業して都合で畑違いの会社に勤めましたが、数年でひきこもってしまいました。

 

 

 

 

 

ひきこもりの状態が何年か続いたあと相談に来られ、わたしが支援者として家庭訪問をしました。

 

 

 

 

 

彼と話をすると、仕事にやりがいがないと言うのです。仕事が継続しない若者の相談で「安い賃金で使われた」が多い言葉ですが、「意味のない仕事」「やりがいを感じない労働」が驚くほど多いのです。

 

 

 

 

 

ひきこもりの若者に強く感じるのは、社会参加という意識の強いことです。

 

 

 

 

 

言葉では表現しませんが、就労できないことを、「社会参加ができていない」と苦しんでいます。

 

 

 

 

 

「人として生きること」に思いを募らせて悩むのは容易に想像できます。

 

 

 

 

 

ひきこもりの若者との相談では、就労が社会参加としての生きがい・やりがいであることの強調、ミッションを語ることが共感を呼び、効果的です。

 

 

 

 

 

紹介できる職業・働きそのものの社会的意義を感じてもらうことができればすばらしいのですが、これが現実には難しいです。

 

 

 

 

 

しかし、働くことの意義は理解されやすいので、当面する仕事を生活の保障にして、理想を求めるという考えも、若者の気力を高めるうえで利用できます。

 

 

 

 

 

人間の社会の中では、まず食料の収集、栽培、収穫に携わる、狩猟、農業、漁業といった第一次産業が職業として誕生し、そして食品の加工から、その運搬、交換として経済活動に関係した職業が始まったのですが、この仕事は若者には触れることのない世界になったのです。

 

 

 

 

 

産業革命によって、工場労働、労働管理といった新たな職業(第二次産業)が近代の職業の主流となりましたが、これも若者から遠のいて、今では、サービス業や知的専門職といった第三次産業に属する職業が広まり、技術や人間関係の苦手な若者には、ますます理念を感じさせる仕事が少なくなってきていると感じます。

 

 

 

 

 

就労支援に関する5つの課題

 

 

 

 

 

①賃金

 

 

 

 

 

わずかでも賃金・報酬がなければ、ひきこもりの若者は仕事に参加しません。

 

 

 

 

 

報酬がなくても仕事をするのは、はっきりした利益が見えているときだけです。

 

 

 

 

 

考えが姑息なのではなく、社会的に認められないことに参加する気力がないのだと思います。

 

 

 

 

 

元気になってくると、自ら進んで仕事を手伝う若者はたくさんいます。

 

 

 

 

 

②さまざまな試み

 

 

 

 

 

自身が何がどこまでできるのかの判断がまったく立てられません。ひきこもっている間は行動しないで考えているだけですから、自分を過剰に評価したり、まったく自信を持てなかったりします。

 

 

 

 

 

これらの自信は、行動して、その積み重ねでできあがっていきます。気力や意欲の育ち、体力、技術はもちろん、対人関係のスキルも同じです。

 

 

 

 

 

仕事の体験をしているうちに元気になって、他の仕事に移行する若者は本当に多いです。

 

 

 

 

 

そのまま同じ仕事を続ける若者が少ないということです。自分の興味関心もまたひきこもっている間に曖昧になり、意識されなくなっていたのでしょうか。

 

 

 

 

 

生活の状態もさまざまですから、仕事体験の試みもさまざまに、その個人の程度や状態に応じた無理のない「スモールステップ」と「スローステップ」が原則です。

 

 

 

 

 

このためにもグループ、集団の生活が有効です。

 

 

 

 

 

③被害者意識の克服

 

 

 

 

 

ひきこもりという、社会参加できない被害を長い間受けてきたわけですから、どうしても意識の中に、その悔しさや不満が生じやすいと思います。

 

 

 

 

 

「仕事もできないのに賃金が安いと要求だけはする」と言われる支援者もいますが、これはやむをえません。

 

 

 

 

 

ある程度経験を積んで心の回復が進んでいけば、みな素直で謙虚です。

 

 

 

 

 

これは長い間人を信じない、家族を含めて安心して頼れない、信頼しきれない苦しさにあったからです。

 

 

 

 

 

ある支援団体の方が、「わたしの周囲では、30代に入った若者は、高校生ぐらいの子の30倍、人の親切や優しさを感じないと話している」と言われました。

 

 

 

 

 

どうしても自分だけが被害者という感覚と意識が強くなるのだと思います。

 

 

 

 

 

④就労で支援は終わらない

 

 

 

 

 

若者が、自ら探した仕事についても、仕事に通い始めても、支援のつながりを切ってはいけません。

 

 

 

 

 

たくさんの若者が再び離職する場合が多いからです。若者はまだ十分に社会を歩む経験が少なく、スキルができていません。

 

 

 

 

 

今の社会は職場、家族、地域などと、ともすれば孤立させられるようになっています。

 

 

 

 

 

ひきこもりを経験した若者は、過敏で繊細な性格が多いと報告されています。

 

 

 

 

 

発達障害といわなくても、個性が強く、刺激が強いストレスになりやすい人も多いはずです。

 

 

 

 

 

つながりのネットを幾重にも社会に張ることは、若者だけでなく、子育て中の人や高齢者などすべての助け合いにつながります。

 

 

 

 

 

⑤社会の子・時代の子

 

 

 

 

 

子ども・若者の生き方は、社会の様相・働きや時代の流れを反映しているといわれますが、そう見ればひきこもりの要因も、そこからの脱出の道筋も見えてくるように思います。

 

 

 

 

 

この世に誕生してから成長するまでそのどこかで傷つき、不安や不満を募らせ、結果として社会から逃れているのが不登校やひきこもりですから、要因は、すべての環境、すべてのかかわりを考えなければなりません。

 

 

 

 

 

要因となる刺激・かかわりは、当事者への個別的・直接的な刺激だけではないと思います。

 

 

 

 

 

私たちが日ごろから感じている忙しすぎるという思いや、不公平だという不満が、感受性が豊かで敏感な子どもや若者には切迫した問題として押し迫り、重圧としてのしかかっているかもしれません。

 

 

 

 

 

進級の厳しさや就職の困難などのように、将来の問題、起こるかもしれないという可能性の問題が、このような子どもや若者には、今すぐ自分の問題として意識され、過剰なストレスとなり、「不登校感」を増幅させていることも考えられます。

 

 

 

 

 

子育て・教育・育ちの制度、一般に常識と見ている生き方のなかに、私たちが感じていない子どもたちを苦しめる刺激があるのかもしれません。

 

 

 

 

 

社会は時代とともにどんどん変化していきます。不登校やひきこもりがこんなに増えているという事実を真摯に受けとめる必要があります。

 

 

 

 

 

この立場に立って、要因を探る必要があると思います。不登校やひきこもりを学校だけの問題や当事者の個別・特別な問題に狭めてしまっては、克服も解決もできないでしょう。

 

 

 

 

 

不登校・ひきこもりを時代の流れ、社会の歪みの指摘ととらえ、社会の総力を挙げた取り組みが望まれます。

 

 

 



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活動内容
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 学習 支援、生活訓練
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・教育相談の実施
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