偏差値が伸びない子どもに悩む親
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偏差値が伸びない子どもに悩む親

2019年06月07日(金)9:37 PM

相談事例    偏差値が伸びない子どもに悩む親

 

 

 

 

 

来年は高校受験を迎える年になりました。親としては高校進学だけでなく、そろそろ大学のことも考えなくてはと思っています。

 

 

 

 

 

どの高校へ行って、どの大学を目指すのか。そういう目処も立てたいと考えています。しかし進学の話をすると、子どもは極端に嫌がります。

 

 

 

 

 

偏差値もあまり伸びていないようですし、心配でなりません。

 

 

 

 

 

このままでは希望の大学に行けないような気がします。

 

 

 

 

 

回答

 

 

 

 

 

東日本のある高校に呼ばれて講演に行ったときの話です。その高校は有数の進学校で、毎年多くの生徒をいわゆる一流大学に送り出しています。

 

 

 

 

 

学校の正面玄関に入って、まずわたしは驚かされました。長い廊下には、全校生徒の進路先の結果が大学順に貼り出されているのです。

 

 

 

 

 

国立大学に行く生徒の名前から始まって、最終の生徒の名前まで大きな文字で書かれていました。

 

 

 

 

 

これにはわたしもびっくりしました。まるで予備校の掲示板のオンパレードです。

 

 

 

 

 

まだスーパーの大売出しのポップのほうが気を使って品があるように思いました。

 

 

 

 

 

わたしはいろんな中学や高校に足を運んでいますが、こんな高校は初めてでした。

 

 

 

 

 

この様子を見ただけでもこの高校の教育方針は分かります。つまり、偏差値が高校生活のすべてなのです。

 

 

 

 

 

国立に進学した子はすばらしい生徒で、一部短大、専門学校、「就職する成績の悪い子」は落ちこぼれです。

 

 

 

 

 

そういう考え方がヒシヒシと伝わってきます。人間の価値を、成績という一つの物差しで計っています。

 

 

 

 

 

本当にこれが高校なのでしょうか。これが教育者のすることなのだろうかとわたしは大きな疑問を感じざるを得ませんでした。

 

 

 

 

 

講演での子どもたちの反応はさまざまなものでした。わたしはいつも、悩んで落ち込んでいる子どもたちの話をします。

 

 

 

 

 

何をやってもうまく行かず、誰にも認めてもらえない、先生や親にまで見捨てられ、たった一人で悩んでいる、そんな子どもたちを励ましたいという気持ちで話をします。

 

 

 

 

 

この高校でもわたしは同じような話をしました。すると、ある一群の子どもたちはシラーっとした表情でわたしの話を聞いています。

 

 

 

 

 

いかにも早く終わって欲しいという感じです。そしてもう一方では、じっと食い入るようにわたしの話に耳を傾け、中には目頭をハンカチで押さえている女子高生もいます。

 

 

 

 

 

同じ高校生なのに、同じ場所で共に過ごしている仲間なのに、たった一つの価値観によって人間観が歪んでいるのです。

 

 

 

 

 

それをまざまざと見せつけられたわたしは、ある種の恐ろしさを感じたのを覚えています。

 

 

 

 

 

まるで現代社会の縮図を見たような気がしました。そして、さらに驚くことが起きました。

 

 

 

 

 

わたしの講演が終わった後で、校長先生はこう言ったのです。「みなさん、今日はなかなかいい話を聞くことができました。

 

 

 

 

 

でも我が高校には、今日の話に出てくるような子どもは一人もいませんね」と。これにはわたしも言葉を失ってしまいました。

 

 

 

 

 

この校長はいったい何を考えているのだろう。教育者である以前に、人間としてどうなんだろう。

 

 

 

 

 

そこには人間としての貧困さしか見えてきません。ただ自らの保身と偏差値だけを考えながら生きています。

 

 

 

 

 

講演の後、わたしはその校長と話をする気力もありませんでした。いけないことですが、人間関係を紡ぎあうことにエネルギーがわいてきませんでした。

 

 

 

 

 

簡単な挨拶を済ませ、暗い気持ちで学校を後にしました。しかし、多くの生徒がわたしのところへ素直な感想を寄せてくれました。

 

 

 

 

 

それだけが救いでした。偏差値の善し悪しで、いったい何が決まるというのでしょうか。

 

 

 

 

 

いい大学にさえ行けば、それで幸せな人生を送れるのでしょうか。何か大きな勘違いをしている大人が多いように思います。

 

 

 

 

 

子どもたちが持っている資質や才能は実にさまざまです。ちょっと勉強しただけで成績が良くなる要領のいい子もいます。

 

 

 

 

 

努力をしても成果が出るのがとても遅い子もいます。高校になってつまずく子もいれば、高校3年になって急に伸び始める子もいます。

 

 

 

 

 

それぞれがその子の持ち味であり個性であり、まためぐり合わせなのです。

 

 

 

 

 

才能が一つもないなどという子どもはこの世にはいません。まったく努力しない子など一人もいません。

 

 

 

 

 

周りの大人たちによって、子どもの才能がつぶされ、努力をする気を失くさせられているように感じます。

 

 

 

 

 

そんな子どもたちが多い気がします。第一、中学の頃からなぜ大学のことまで考えなければならないのでしょう。

 

 

 

 

 

子どもにどんな才能があるのか、どんなことに向いているのか、そんなことも分からないままに、どうして大学へ行くことを決めなくてはならないのでしょう。

 

 

 

 

 

子どもたちは日々、努力をしています。友達と仲良く付き合うのも努力です。運動をして身体を鍛えるのも努力です。

 

 

 

 

 

偏差値を伸ばすことだけが努力ではありません。その日々の努力を認めてあげることが親の努めです。

 

 

 

 

 

先生は成績によって子どもたちを見ています。もしそうであるならば、親は別の努力を認めてあげましょう。

 

 

 

 

 

先生と同じ目で見ることは、子どもを追いつめるだけなのです。

 

 

 

 

 

「お母さん、変な言い方をするけど心にも偏差値をください。お願いします。」

 

 

 

 

 

こんなことをつぶやいた女の子がいます。どんな気持ちでこの子がこれをつぶやいたのか。

 

 

 

 

 

それをわたしたち大人は、考えなければいけないと思います。

 

 

 

 

 

対応

 

 

 

 

 

中学3年になれば、おそらく学校では進学の話題が増えてくるでしょう。

 

 

 

 

 

先生からはハッパをかけられ、友達ともその話ばかりです。子どもはもううんざりなのです。

 

 

 

 

 

進学のことは大事なことだと分かっているだけに、自信のない子にとってはつらい話題なのです。

 

 

 

 

 

せめて家にいるときくらいは、心を休ませてあげてください。

 

 

 

 



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