父親と息子
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父親と息子

2019年06月02日(日)12:06 PM

会社では出世コースに入って、いつも鼻高々に家族にも自慢している自分の父親・・・。

 

 

 

 

 

お父さんは確かに立派だと息子は考えています。でも、そんなに仕事に一生懸命になれるんだったら、そのエネルギーを少しは僕にも向けて欲しい・・・・・。

 

 

 

 

 

子どもたちは仕事人間になっているお父さんを否定しているわけではないのです。

 

 

 

 

 

仕事人間といわれるほど優秀だから、きっとお父さんがその気になってくれれば、僕たち家族の気持ちも分かってもらえる、とかすかに願っているのです。

 

 

 

 

 

そんなときのひと言です。

 

 

 

 

 

「お父さん、誤解しないで聞いてよ。お父さんはサラリーマンでは”エリート”でも、父親としては”落ちこぼれ”だよ。

 

 

 

 

 

分かってよ、家族の気持ちを。お父さん」

 

 

 

 

 

厳格であることを父親の必須条件のように考えている父親を持つ、ある子のこんな述懐も聞いてください。

 

 

 

 

 

「父親は厳格で褒めることの少ない人でした。だから、誰よりもお父さんに認めてほしかった。

 

 

 

 

 

僕は足りないながらも一生懸命でした。でも、父親からの言葉はいつも、『なんだそれだけか』『まだまだ、足りないぞ』だけでした。

 

 

 

 

 

成績を数字でしか見なかったんだと思います。「お前、よくやっているよ」父親にはいつも、そういってほしかったです。

 

 

 

 

 

成績が悪くても、僕は一生懸命にがんばったんだよ、お父さん・・・・」

 

 

 

 

 

次は、面接に来た青年が、自分が幼かった頃を懐かしんで語った言葉です。父親は、少年に優しく接してくれました。

 

 

 

 

 

「お前が小さい頃はな・・・・・・」と、少年に語りかけると、少年は目を輝かして「うん、僕が小さかったころはどうだったの?」と、ほっぺたを父親にすり寄らせて話の続きをせがんだといいます。

 

 

 

 

 

子どもたちは自分の幼い頃を懐かしむことで、今、見失っている自分のよさに出会いたいと願っています。

 

 

 

 

 

「自分は元はいい子だったんだ。素直だったんだ。優しかったんだ」と見つめなおすことで希望が生まれてきます。

 

 

 

 

 

そして、なによりも嬉しいのは、素直だった自分が父親に温かく見守られていたことなのです。

 

 

 

 

 

そうした過去を振り返ることで、この世に父親はたくさんいるけれど、自分にとってこの父親に優る親はいないと思いたいのです。

 

 

 

 

 

「もう一度、あんな関係になりたいな・・・・・」

 

 

 

 

 

「お前が小さかった頃はな・・・・・」

 

 

 

 

 

「うん、僕が小さかったころはどうだったの?」もう一度、あんな関係になりたいな・・・・・・。

 

 

 

 

 

青年の言葉に、父親との関係をもう一度取り戻すことができれば、という切なる願いが込められているように思いました。

 

 

 

 

 

次は、父親との関係で悩んでいる青年の話です。この青年の場合、仕事に忙しかった父親との対話は、幼い頃から多くはありませんでした。

 

 

 

 

 

でも、何とかして、父親に近づきたいと子どものころから願っていました。

 

 

 

 

 

青年は、父親に近づくために、呼び方一つにも苦労したのだといいます。

 

 

 

 

 

父と子ゆえの微妙な距離感というものがあるのだと思います。「親だから」「我が子だから」というお互いの思いが、ときには依存であったり、ときには拒絶になったりします。

 

 

 

 

 

そうした父と子の心模様を、この青年は幼い頃から敏感に反応していたようです。

 

 

 

 

 

”とうちゃん”、”お父さん”、”おやじ”と呼び方を変えるたびに、小さな勇気をもって父親に接していたのです。

 

 

 

 

 

「”とうちゃん”から”お父さん”へ、”お父さん”から”おやじ”へ、呼び方一つで、結構苦労したよ。」と照れながら言いました。

 

 

 

 

 

男の子は同性である父親に、自分の成長を認めてもらいたいと願っています。

 

 

 

 

 

それだからこそ、子どもが”おやじ”と父親をはじめて呼ぶ日、その子の勇気に父親は微笑んでほしいのです。

 

 

 

 

 

ところでわたしも含めて「男は仕事を家庭に持ち込まない」というタイプの父親は多いと思います。

 

 

 

 

 

家族に余計な心配をかけたくない、という父親の家族への優しさでもあるのですが、でも「無口」な父親は、家族との対話が極端に少なくなってしまいがちです。

 

 

 

 

 

この少年の父親もそうでした。少年が何を聞いても「あー。そー。ふーん」で終わってしまいました。

 

 

 

 

 

だから、少年は父親がどんな仕事をしているのか、職場ではどんな苦労があるのか、といったことをまったく知りませんでした。

 

 

 

 

 

でも、少年は父親のことをもっと知りたかったのです。どんな仕事をしているのか、楽しいのか、つらいのか・・・・。

 

 

 

 

 

そして、自分のことをどう思っているのか。叱ってほしかったし、もっと褒めてほしかったのです。

 

 

 

 

 

なのに、父親はいつも「無口」で「無関心」でした。そんなある日、ちょっとしたことがきっかけで少年は父親と激しく口論し、暴れました。

 

 

 

 

 

するとはじめて父親は「なんだ、子どものくせに父親の苦労も知らずに偉そうに」と、反論してくれたのです。

 

 

 

 

 

「お父さんはな、朝早くから黙々と働いているんだぞ!」その父親の言葉が少年の心に残りました。

 

 

 

 

 

そして、面接室でわたしにこう言ったのです。

 

 

 

 

 

「俺は、父親の仕事のこともよく知らなかった。そして、俺が暴れないと父親は”本音”を出さなかった」

 

 

 

 

 

暴れることでしか、父親と本音で語り合えない少年のつらい心の内に、思いを寄せてもらえたらと思います。

 

 

 

 

 

ある少年の父親と母親は、いつもいがみ合っていました。面接に来た寡黙な少年は、ぽつりとこんなつぶやきをこぼしました。

 

 

 

 

 

「ウソでもいいんだ。二人が仲良さそうにしていれば、友だちに自慢できる。僕の家は『温かいよ』って」

 

 

 

 

 

そんなある日のことです。学校で、友人が少年の両親の悪口を言ったのです。少年はその言葉に猛烈に反発し、暴力を振るってしまい、問題児としてクラスの担任に目をつけられてしまいました。

 

 

 

 

 

それが原因で遅刻、早退から不登校になりました。

 

 

 

 

 

「いがみ合っているけど、僕はお母さんも、お父さんも好きなんだ。だから家族の悪口を言う奴はどうしても許せなかったんだ。

 

 

 

 

 

でも、僕は心の中では悪口を言っている友人が、とても余裕があってうらやましかったのかも知れませんね。

 

 

 

 

 

僕が言うと本当にそうなってしまいそうで不安なんです。『まれに見る、仲のいい夫婦だ』

 

 

 

 

 

僕も友だちのようにこんな言い方で、両親を紹介したいのです」

 

 

 

 

 

少年はそんなふうに述懐しました。少年の家族に対する思いやり、少年の切ない気持ちを思うと、わたしは胸が締め付けられました。

 

 

 



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