義務教育と不登校
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義務教育と不登校

2019年06月01日(土)2:39 PM

関東自立就労支援センターで、若者たちといっしょに行動していると、子ども時代の生活を垣間見るように思うときがしばしばあります。

 

 

 

 

 

崩れた生活リズムを取り戻すとき、新しい試みに挑戦しようとするとき、子ども時代の遊びや学習、生活体験は大きな力になることが多いのです。

 

 

 

 

 

これが、「豊かな体験」や「規律ある生活習慣」など義務教育で掲げる「基礎学力」の意味でしょうか。

 

 

 

 

 

登校拒否・不登校問題について多くの研究が報告され、子どもや青年・家族との対応や学校・家庭での教育、子育て論として見解も深まってきました。

 

 

 

 

 

小学校の時期は、人格の基礎が養われる幼児期と親から独立し自己を確立する思春期前期であり、情動的に安定し、外部の世界に関心を高める大事な時期といわれます。

 

 

 

 

 

「不登校感」を生み出す背景

 

 

 

 

 

1.集団・社会に必要な「同一性」や「協調性」に関する能力の発達が遅れている子どもの存在とその増加が、学校だけでなく幼稚園・保育園などからも「困った子」「気になる子」などと「気になる呼称」で報告されています。

 

 

 

 

 

要因が、本人の資質か育ちの環境かは断定できませんが、近年ますます増えているということから、主要な要因は、本人の資質と合わない育ちの環境にあると見るべきです。

 

 

 

 

 

低年齢ほど環境が左右することは、古くから「三つ子の魂百まで」とか「雀百まで踊り忘れず」などのことわざにも伝えられています。

 

 

 

 

 

子どもは、要求を満たしてもらいながら育ちます。

 

 

 

 

 

満足感や安心感が意欲や気力を高め、親子感情(愛)や対人との信頼感を育てるのでしょう。

 

 

 

 

 

しかし育ちの関係には、子どもの要求を満たすことばかりあるのではありません。

 

 

 

 

 

子どもの要求との違いやズレが生じます。子どもは、これを教材としてさらに大きく育っていきますが、子どもによっては、その違いが大きすぎたり長く続きすぎて、違和感や不満がストレスとしてたまり続けることがあります。

 

 

 

 

 

この場合は「同一性」や「協調性」の獲得・育ちを遅らせ、なかには同一性不全や違和感・拒否感を募らせるように思われます。

 

 

 

 

 

わたしは、これらの感情をまとめて表現する言葉として「不登校感」を使います。

 

 

 

 

 

幼児期ですでに、刺激の獲得に個人差・性格の違いがあることが知られています。

 

 

 

 

 

核家族や片親家族、親の多忙や不在など、保護者側の困難が子どもの環境を悪化させるといわれますが、子どもの性格・資質とのからみで問題になる場合が多いと思います。

 

 

 

 

 

この場合の育ちには、親や支援者の援助(育て方)が大きな影響を与えると考えられます。

 

 

 

 

 

子どもの個性は変えられませんが、支援のあり方は変えることができます。

 

 

 

 

 

問題なのは、支援・子育てなど子どもの環境がどうあるべきか、です。

 

 

 

 

 

発育を阻害する問題を発見し質す研究は、「脳科学」などとともに支援教育・療育の分野でも進んでいます。

 

 

 

 

 

とりわけ「発達障害」の研究が進みました。子どもの発達障害については、一定の年齢や生活経験がなければ顕在化しない、診断できない部分があるとの報告もありますが、低年齢ほど教育・福祉の指導・援助が容易であり、社会性(社会適応力)が育ちやすいと報告されています。

 

 

 

 

 

2.学齢期に入って、子どもの生活の範囲は、家庭・保育所から学校・地域へ広まり、行動も活性化します。

 

 

 

 

 

これに伴い、刺激はいっそう多様でインパクトも強くなります。

 

 

 

 

 

多くの場合、刺激・体験がストレスを生じ、子どもを鍛え育てるエネルギーになります。

 

 

 

 

 

しかしここにも、幼児期と同じ問題が存在するのです。

 

 

 

 

 

 

ストレスがこの資質の改善や補強・鍛錬に進むなら、時間とともに不登校感は癒され消滅するでしょう。

 

 

 

 

 

しかし、その刺激・摩擦が強すぎて、ストレスがさらに蓄積されることも考えられます。

 

 

 

 

 

刺激・摩擦がプラスに働くかマイナスになるかは、これは個人の持つこれまでに育った能力の違いや資質・性質に沿ったものか否かによって決定されます。

 

 

 

 

 

多くの子どもたちは、この刺激をエネルギーとすることができるのですが、この刺激で「不登校感」を生じる子どもも存在します。

 

 

 

 

 

不登校感が強まれば必然として、ストレスを癒し克服する力は弱まります。個性に適応した教育(子育て)が必要な所以です。

 

 

 

 

 

3.思春期・青年期はいちだんと心の緊張が高まる時期ですから、不登校の発現が多いのは理解できます。

 

 

 

 

 

しかし、これほど不登校の発現が多いのは間違いなく、「学校」を中心とした子どもをとりまく教育の環境に、子どもの発達に無理な、過度で適さない刺激が存在しているのです。

 

 

 

 

 

不登校を発現する過度または不適切な「刺激」は、特定の子どもだけに襲いかかっているのでしょうか。

 

 

 

 

 

そんなはずはないと思います。刺激は、すべての子どもたちに与えられるのですから、学齢期にはなんとか不登校として発現しなかっただけで、不登校感を持っている若者は多いだろうと思います。

 

 

 

 

 

その弊害が、いつかどこかで現れるはずです。単純明快な答えは、学齢期を過ぎたひきこもりの発現です。

 

 

 

 

 

大学生の「アパシー」や「無気力症」「モラトリアム人間」、就職後の「職場恐怖」やさまざまな「うつ病」発症の土壌になっているように思います。

 

 

 

 

 

義務教育の学齢期では、この不登校感を癒し消滅させることが、可能です。

 

 

 

 

 

「学校」とのつながりがあり、複数での観察や癒しや自立の支援・援助ができます。

 

 

 

 

 

低年齢ゆえの容易さもあります。だからこそ、学校だけでなく国をあげて、不登校・ひきこもり問題を、子どもの立場で考えることが大切だと思います。

 



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