子供の不登校で問われる夫婦のあり方
ホーム > 子供の不登校で問われる夫婦のあり方

子供の不登校で問われる夫婦のあり方

2019年05月30日(木)10:50 AM

子どもの不登校で、いち早く顕在化する夫婦の危機

 

 

 

 

 

近年、熟年離婚が多くなっています。夫婦が50歳前後になり、子どもが離れたときに危機が顕在化するケースがほとんどです。

 

 

 

 

 

ある女性のつぶやきです。「私、最近なんでこの人の世話をしているのか、わからなくなることがあるのよ。

 

 

 

 

 

子どもが小さいときは、そのついでというか、何の疑問もなく夫の世話が出来ていたのに、子どもが巣立ってしまい、夫と二人っきりになると、なんで私はこの人の世話をしているのか、と真剣に考えてしまう」

 

 

 

 

 

しかし、男性のほうは、そのあたりのことをまったく自覚できていないのが現実です。

 

 

 

 

 

ところが、子どもが不登校になった場合、10年ほど早くその夫婦の危機が訪れます。

 

 

 

 

 

子どもに関わっていない父親は、母親との溝も深めている

 

 

 

 

 

ある母親が、「最近、夫婦ってなんなんだろう、って真剣に考え込むんです」と言われるので、「みなさんそうですよ。子どもの不登校で、夫婦の問題が出てこなかったら、それは嘘ですよ」というような話をしました。

 

 

 

 

 

次の週に、父親が子どもと母親とともに相談室に来所しました。

 

 

 

 

 

この子どもはもう2年にわたって不登校で悩んでいました。

 

 

 

 

 

「お父さんは子どもさんのことをどう思われますか?」という私の問いに対して、その父親は「ただの怠けだと思います」と答えました。

 

 

 

 

 

夫婦自体の絆を確かめ、強めるきっかけに

 

 

 

 

 

それから1ヶ月ほどして、その母親は、「あなた、ほんとうに私とずっといっしょにやっていく気があるの?と言ってみたんですよ、もう最悪の場合、別れてもいいという覚悟で。

 

 

 

 

 

ずうっと子どものことは私に任せきりで、あなたはなにも努力しないし、変わろうともしない。

 

 

 

 

 

このままでは電車の線路のように平行線のままで、歩み寄ることなんかないじゃない」と。

 

 

 

 

 

ところが、「電車の線路も駅のところでは、交わることもあるし・・・・」と夫は言い、それから子どもへの関わり方がガラッと変わったそうです。

 

 

 

 

 

そして、しばらくして学校の働きかけもあって、その子は登校し始めました。

 

 

 

 

 

不登校は、子どもにとっても親にとっても極めて大きな喪失体験

 

 

 

 

 

子どもが思春期になり、学校に行けないということは親にとっては非常にショッキングな出来事です。

 

 

 

 

 

それこそ自分の人生がグラグラと足元から崩れ落ちるような思いでしょう。それは子どもも同じです。

 

 

 

 

 

いや、親よりももっと深刻です。事実、不登校の子どもたちは相談に来ると「もう僕の人生は終わりだ。取り返しがつかない」

 

 

 

 

 

「学校に行けないのは、人間失格のような気がして、どうしていいかわからない」などとよく自分の本心を漏らします。

 

 

 

 

 

実際には必ずしもそんなことはないのですが・・・・・。

 

 

 

 

 

ともかく、不登校は親子にとって、きわめて大きな喪失体験です。

 

 

 

 

 

子どもは自分の人生を見失い、親は子どもに託した夢を失ってしまいます。

 

 

 

 

 

悲哀を乗り越える心理過程

 

 

 

 

 

人は強いもので、大きな喪失体験でも時間とともに乗り越えていきます。

 

 

 

 

 

自分にとってかけがえのないものを失うという体験をしたとき、例えば、子どもを事故で失うとか、震災で家屋を失うとか、自分が病気になってガンを宣告させるなどですが、そのような喪失体験から、人は一般的に次の4段階のプロセスを経て回復していきます。

 

 

 

 

 

第一段階:漠然とした予感の時期

 

 

 

 

 

第二段階:否認、拒否、怒りの時期

 

 

 

 

 

第三段階:失望と絶望、抑うつ状態の時期

 

 

 

 

 

第四段階:新たな目標を持ち、再出発する時期

 

 

 

 

 

これを「悲哀を乗り越える心理過程」といいます。

 

 

 

 

 

この4つの段階は、人によって強弱の差はあるでしょうが、普通に誰もが経験する心理過程です。

 

 

 

 

 

その経過の中で、もっと重度の症状を出し、社会的に不適応を起こした状態をPTSD(心的外傷後ストレス障害)といいます。

 

 

 

 

 

親は子どもに何を話すべきか

 

 

 

 

 

事例

 

 

 

 

 

話せば話すほど、子どもが白けるのはなぜか?

 

 

 

 

 

中学1年生になった娘のことで困っています。バスケットボール部に入っていて、部活は熱心にがんばっていますが、勉強に熱が入りません。

 

 

 

 

 

部活の友達と行動を共にするようで、最近は帰宅時間も遅く、時には友達の家に泊まってくることさえあります。

 

 

 

 

 

父親が帰宅時間をうるさく言いますが、一向に聞こうとしません。

 

 

 

 

 

私や父親の言っていることは誰が聞いても正しいことだと思うのですが、話せば話すほど、子どもが白けてだんだん口もきかなくなってきています。どうすればいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

正論に白けるのは、健全な証拠

 

 

 

 

 

思春期の若者は、「・・・したい」という「自分個人の赤裸々な欲望」と「・・・・すべきだ」という「社会的要請」とのバランスをどうやって取ったらいいのか、について聞きたいのです。

 

 

 

 

 

ところが、親や先生が言うことは、相変わらず「・・・・すべきだ」ということばかりです。

 

 

 

 

 

親の言うことは、確かに「誰が聞いても正しいこと」、いわゆる正論です。

 

 

 

 

 

しかし、思春期の子どもはそれを聞くととたんに白けてしまいます。そんなことは「聞く前からわかっている」からです。

 

 

 

 

 

人生の矛盾~新しい大人との出会い~

 

 

 

 

 

人生は言うまでもなく矛盾が多いものです。その矛盾を親がどのように考えて生きているのか、それを子どもに語ってください。

 

 

 

 

 

そのときは、あまり成功談はよくありません。いかに失敗したかという話のほうが子どもには感銘を与えます。

 

 

 

 

 

親や先生が、これらの矛盾をどのように考え、どのように対処しながら生きているのかを聞くことは、思春期の若者にとってきわめて感銘深いことです。

 

 

 

 

 

そのような話を聞き、大人の行動を観察する中で、彼らは「新しい大人との出会い」を体験し、大人へと成長していくのです。

 



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援