いじめが原因で不登校・高校中退した少年
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いじめが原因で不登校・高校中退した少年

2019年05月27日(月)3:51 PM

高校1年だったZ君はいじめが原因で不登校になり、出席の日数が足りなくなって高校中退を余儀なくされました。

 

 

 

 

 

彼と親が関東自立就労支援センターに来所し、彼を預かることになって、支援をすることになったのはちょうどその時です。

 

 

 

 

 

Z君が共同生活寮に入寮し、生活が始まってからいじめられる原因もはっきりと見えてきました。

 

 

 

 

 

Z君は、動作がとにかくスローです。食事は極端に遅い、しゃべるのも遅い、運動も得意ではない、まして勉強もあまり得意なほうではありませんでした。

 

 

 

 

 

さらに、髪の毛がクセ毛で、それをいつも気にして常に頭に手をあてて触っています。

 

 

 

 

 

Z君に「とにかくもっと強くなりなさい」とだけ話をして、しばらく本人に考えさせるようにしました。

 

 

 

 

 

わたしは言葉を選び、注意を払ったのですが、この言葉さえZ君には負担だったようです。

 

 

 

 

 

彼は母親に「センターの相談員の人にいじめられた。僕が弱いことを分かっているのに、無理なのを知っているのに強くなれと言うんだ」と訴えていました。

 

 

 

 

 

確かにこれもZ君からすればいじめの一種になります。いじめを受けた経験のある子は、とても敏感で言葉を誤解して受け取りやすい傾向にあります。

 

 

 

 

 

わたしはいじめについては当然、反対です。いじめる子は許しがたいと思います。なぜ手を取り助け合わないのかと思います。

 

 

 

 

 

いじめを根絶する方法はあるのでしょうか?と懸命に考えたこともあります。そしてできる方法があることが分かりました。

 

 

 

 

 

それは大人が子ども同士のいじめから徹底して守りぬくことです。しかし、どうでしょう・・・・。大人たちが常に監視の目を光らせ、こんなことをして子どもたちは伸び伸びと育っていくのでしょうか?

 

 

 

 

 

子どもで守られている期間はいいのですが、大人になって実社会に出たらどうなるのでしょうか?

 

 

 

 

 

社会に出て行けば、いじめなど当たり前の世界で、もっとひどいこともたくさんあります。

 

 

 

 

 

上司から怒鳴られ、同期とは競争していかなければなりません。役職につけばつくほど責任とプレッシャーも生じてきます。

 

 

 

 

 

グローバル社会となり、世界とも渡り合わないといけない厳しい時代でもあります。

 

 

 

 

 

さらに、社会に出れば誰も助けてくれません。こんな厳しい大人社会が待っているのに、守られてばかりきた子がいざ学校を卒業して実社会で生き抜いていけるのでしょうか?とわたしは疑問を抱くのです。

 

 

 

 

 

そこでそんな世の中でいじめがなくならないなら、そのいじめに負けない強い心を持った子どもに育てることを理念にしたのです。

 

 

 

 

 

Z君に再度、「君は強くなれる、わたしを信じなさい」と曖昧な言葉から現実にできるという言葉に切り替えました。

 

 

 

 

 

誤解を招いても、わたしは「なれる」という言葉を繰り返し叩き込んだのです。

 

 

 

 

 

彼にとっては自宅を離れての共同生活は学校よりも苦しいものでした。何せ、今まで守られてきた子どもだけに、知らない人間たちが何人もいる支援センターは苦痛であったに違いありません。

 

 

 

 

 

現に彼は毎日のように母親に電話をして泣き言を繰り返していました。わたしは心を鬼にし、母親からの電話を取るのも、かけるのも止めさせました。

 

 

 

 

 

この指導がなんら意味のないことになってしまうと思ったからです。彼自身は支援センターに来たことで自分を変えようとする意思があるのですが、親から守られてきた子どもは習慣性になり、弱くなるとまた守ってくれると甘い考えが出てきてしまうのです。

 

 

 

 

 

心が痛いのですが、母親へ「お子さんが強くなるまで辛抱してください」と伝えました。

 

 

 

 

 

Z君のもって生まれた性格を丸ごと全部変えることは不可能でしょう。しかし、動作やクセを直すことはそんなに難しいことではありません。

 

 

 

 

 

そして彼にも必ずいい部分はあるはずです。わたしはその個性を存分に活かしてあげていじめに負けない心を育てる方針を立てたのです。

 

 

 

 

 

彼には既に「強い男になれる」と自覚を持たせています。いじめられている子どもは「なんで自分はいじめられるのか」が分かっていません。

 

 

 

 

 

それにどう見ても完全な被害者であるために、自分を見るということができず、すべて他人に原因があると考えてしまう傾向があります。

 

 

 

 

 

すると「自分が強くなって、見返してやろう」という気持ちにはならないのです。

 

 

 

 

 

この「強くなれる」でZ君の心に闘争心が芽生えてきたことが分かりました。今までは彼に意見を聞いても返ってくることはなかったのですが、彼は積極的に答えるようになっていました。

 

 

 

 

 

わたしはいじめ社会の根絶を一日でも早く実現したいと思っている一人です。しかし、資本主義社会である日本の世の中ではそう簡単にはいかないでしょう。

 

 

 

 

 

だったらゆとり教育によって競争心をなくしつつある子どもたちに、再び競争心を抱かせ、勝つことの喜びからやる気を抱かせることも大事なのでは考えています。

 

 

 

 

 

それにはいじめられない「強さ」を一人一人に持たせることがとても重要です。

 

 

 

 

 

そに子どもに「自分も強くなれる」という希望と、勝負に勝つまたは物事がうまくいくという喜びから「闘争心」を持たせれば、子どもたちは自ずと「勝つためには、うまくいくためには何が必要であるか?」を自然と考えるでしょう。

 

 

 

 

 

確かにいじめられた子どもは被害者です。しかし、親や大人たちが守ってあげることはいつまで続けられるのでしょうか?

 

 

 

 

 

いずれは自立して、一人で歩いていかなければならない時が必ず来るのです。

 

 

 

 

 

その時のためにその子どもを「強くしてあげる」ことが、本当にその子どものことを考えているということではないでしょうか。

 

 

 



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援