対人関係は人間成長の源泉
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対人関係は人間成長の源泉

2019年05月22日(水)4:52 PM

不登校の子供たちの多くは、人と接することが苦手な傾向があります。

 

 

 

 

 

「みんなの話についていけない」子供や、「自分の居場所がみんなの中に見つけられない」子供や、「たくさんの人がいると気になって仕方がない」子供など、人とつき合うことが苦手な理由は様々です。

 

 

 

 

 

子供の対人関係がどのように進展していくかは、専門家によってさまざまに異なりますが、ここではハリー・スタック・サリバンの説にしたがって述べていきます。

 

 

 

 

 

(1)最初の対人関係は母子関係です。母子関係は母親が子供への優しさを減少させるまで、かなり親密な対人関係となります。

 

 

 

 

 

ここで、子どもは母親が絶対的な全能感を持っているという感覚を獲得します。自分の母親は自分が困っていることをすべて解決してくれるという思いです。

 

 

 

 

 

ここに、信頼感にもとづく依存感情も生まれます。母親の優しさが減少してきた段階で、父親とのかかわりが次に起こってきます。

 

 

 

 

 

(2)父親のかかわりが子供にうまく受け入れられた場合、子供は将来、社会性を豊かに獲得できるようになっていきます。

 

 

 

 

 

父親の優しさは母親の優しさとは異なりますが、子供が成長を遂げていけば自然に受け入れることができる程度のやさしさです。

 

 

 

 

 

ここで、子供はまだ十分には離れていない母親と父親と自分という 三者関係を体験します。

 

 

 

 

 

二者関係は、「話す・答える(聞く)」という相互関係になります。三者関係は、もっと複雑な相互性を身につけます。「話す」「聞く」「見る」「自分自身が会話に入る機会をうかがう」「理解する」等、複雑な関係性が要求されます。

 

 

 

 

 

(3)遊び友達ができてきます。親たちとの関係だけではなく、家庭の外に一緒に遊べる友達を発見していきます。

 

 

 

 

 

遊び体験で獲得できる感情は楽しさです。楽しい遊びであれば、遊び相手が変わってもそれほどは違和感を感じない程度の遊び友達関係です。

 

 

 

 

 

楽しい遊びを求める探究心も獲得できます。興味や関心が外に向けられる機会が増えてきます。

 

 

 

 

 

(4)遊び仲間関係ができてきます。楽しい遊びがあっても、好きな子供同士の遊びでなければなかなか楽しめないことがわかってくる時期です。

 

 

 

 

 

子供は遊びは毎回異なっても、その子供と一緒に遊ぶことができれば楽しいという感情をいだくようになっていきます。

 

 

 

 

 

ここで、子供に、慣れ親しむことや喪失感に対する感覚が芽生えてきます。いわば愛着心ができてくるのです。愛着心や喪失感は、後には大切な感情になります。

 

 

 

 

 

人を失うことに対する喪失感は、ものを大切にし人を大切にしていく基礎につながります。

 

 

 

 

 

(5)共同作業ができる友達関係ができます。生産性があり、社会的な意義のある共同作業が、ともにできるような仲間ができてきます。

 

 

 

 

 

このような体験から、社会的な正義とか社会的な理想とか、一つのことを成し遂げる喜びを仲間とともに共有します。

 

 

 

 

 

一つのことをともに実現させるために、役割分担したり、ともに協力したり譲ったりする体験は、後の社会性には欠くことができない重要な社会的なスキルになります。

 

 

 

 

 

(6)同性で同世代の親密な対人関係ができます。遊び仲間で得られた快感だけではなく、心の安全感につながる信頼関係と、いつも近くにいたいという欲求をもたらす親愛感を抱くことができる相手ができてきます。

 

 

 

 

 

そのような相手のためになら、少々の自己犠牲もいとわないというほどの愛が芽生えてきて、遊び友達関係の時代にできた、単なる競争心からさらに進んで精神的な愛情が形成されます。

 

 

 

 

 

思春期の性成長が激しい時期に精神的な愛が芽生えることは、人格形成の上では大変に重要です。

 

 

 

 

 

(7)異性との精神的な愛情によって結ばれた対人関係ができます。共同作業をともにできるような対人関係の中には、異性の存在もあります。

 

 

 

 

 

そのような関係での異性に対しては「よくできる人」とか「気がきく人」という行為行動による信頼の念が芽生えます。

 

 

 

 

 

あるいは「顔立ちや姿形が好きなタイプ」という外形にとらわれて接近する程度の関係になります。

 

 

 

 

 

やがて、精神的になくてはならないほどの気持ちをいだき、自分にとって大切な存在になります。姿形や成績などとは無関係にその存在そのものとのかかわりを大切にできるようになっていきます。

 

 

 

 

 

異性との精神的な愛が芽生えます。その後は熱烈な恋愛により、精神的な関係だけではなく肉体的な関係にまで成長することはご存じのとおりです。

 

 

 

 

 

何歳ごろにこのような対人関係ができるという基準はありません。このような対人関係は、あくまでも理想的な対人関係の進展です。

 

 

 

 

 

不登校の子供たちの対人関係は、たいがいこの対人関係の進展のコースのどこかでつまずきがあります。小学生の場合、遊び仲間・友達ができなくて苦しむ場合が多いようです。

 

 

 

 

 

中学生の場合、意義がある共同作業ができるような友達ができなかったり、群れることができる仲間ができなくて苦しむ子どもが多くいます。

 

 

 

 

 

高校生になると、自分の本音が話せないことで苦しんだり、広がった遊び感覚についていけなくなってしまう子供も出てきます。

 

 

 

 

 

親密な関係ができなくて悩む高校生は多くいます。年齢が高くなるにしたがって、幼いころに獲得できなかった対人関係の積み重ねの不足がつまずきのもとになるようです。

 

 

 

 

 

つまり、高校生によると、「遊び友達はおろか遊び仲間もいない。一緒に作業ができるような友達もいないし、親密な関係もできない」という子供がいます。

 

 

 

 

 

小学生で「親密な話ができる友達がいない」ことで悩む子供はまれですが、小学校高学年くらいだと「遊び仲間がいなくてつらい」という子供は多くいるはずです。

 

 

 

 

 

対人関係の停滞がどこのあたりで起こっているのかを見極めることは大切です。

 

 

 

 

 

一口に対人関係が下手だといっても、対人関係の進展の中のどこでつまずいたかがわかってくれば、手のうちようもあります。

 

 

 

 

 

つまり、かかわっていく側にも心構えができるのです。対人関係で獲得できる人間性や情緒を考えると、対人関係は人間成長の源泉であると思います。

 

 



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