思春期の子育て相談~睡眠が不安定な子供~
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思春期の子育て相談~睡眠が不安定な子供~

2019年05月19日(日)5:34 PM

「相談事例」

 

 

 

 

 

私の子供は中学三年生の男子です。学校を休み始めた五月ごろは、登校時刻に合わせて無理にでも起こしていたのですが、六月の後半くらいからは起床時刻が一定しなくなってしまいました。

 

 

 

 

 

どんどんズレていきます。就寝時刻もズレていきます。四週間くらいで一巡りしているように感じます。しかし、自分が行きたいところがあったり、やりたいことがあれば一晩中でも起きていて出かけます。

 

 

 

 

 

その場合、起床時刻と就寝時刻はその日からまた乱れ始めます。たまには、家族と同じ時刻に起きることがあります。

 

 

 

 

 

そんな時は本人も「みんなと同じように起きて、朝食も一緒にとると気分がいい」と言っています。夜は「明日はきちんと起きるよ」といって寝るのですが、翌日の朝は頭を抱えてうなるようにして布団の上でのたうちまわっています。

 

 

 

 

 

結局は起きることができません。何とかして普通の生活をさせたいと思うのですが難しいでしょうか。

 

 

 

 

 

「回答」

 

 

 

 

 

親の思いで生活改善させることは愛情ではない

 

 

 

 

 

子供の心のなかに不安や避けたいことやかかわりたくない気持ちがあれば、そのようなことが起こりえる時間帯には起きることができない状態になっていきます。

 

 

 

 

 

中学三年生というと、どこの学校でも進学の話が出てきます。それまで、部活や生徒会活動などで活躍してきた子供は、自分の生き方を変えなければならなくなってきます。

 

 

 

 

 

中学三年生の五月は、そういう意味で進路に関して自分の学校生活を変える時期になります。

 

 

 

 

 

部活や生徒会活動などで楽しい思いをしていた子供の中には、本当はそれまでの中学生活を変えたくなくても、無理に変えなければならない状況に追い詰められる子供もいます。

 

 

 

 

 

そのような状態になると、子供は朝起きにくくなります。周囲の子供が難なく環境の変化に適応していくのに、「自分だけがどうしてうまくいかないのだろう」という思いに支配されて気持ちが先に進まず(前向きになれず)停滞します。

 

 

 

 

 

うまくいかないのは二次的な結果であって、一次的には、好き嫌いという価値観で自分の生活を動かしているからなのです。

 

 

 

 

 

年齢にしたがって変化する自分自身の所属は、自分で選択していかなければなりません。その選択に関して「人に迷惑をかけなければ、好きにしていいはず」という価値観に支配されているのです。

 

 

 

 

 

ところが、たいがいの場合、周囲は進学だけの進路に絞られてきます。進学をするためには、いままで適当にやってきた勉強をもっと重点的に行わなければなりません。

 

 

 

 

 

そのことは本人にとっては「嫌なこと」なのです。

 

 

 

 

 

五月ごろは無理にでも、登校時刻には起こしていたということですから、起きるということと学校へ行くということとが、本人の心の中では結びついていた可能性があります。

 

 

 

 

 

そのことは本人の気持ちを重たくします。したくない、実際には、避けたい決断をしなければならない状態に追い詰められるからです。

 

 

 

 

 

これから先、どうなるかはわからないけれど、今は決断したくないという思いがあります。一方では、進路のことは何とかしなければならないのだ、ということもわかっています。

 

 

 

 

 

わかってはいても、その課題には触れたくないという嫌悪感が優先しています。

 

 

 

 

 

心理的な状況は、極めて不安定な状態にあるのです。そのような状況の二次的な反応の一つがズレ睡眠です。

 

 

 

 

 

ズレ睡眠とは、本人の心にとって負担となるような出来事が慢性的にある場合に起こりやすいのです。そのほか、本人にとって不利益なことや不都合なことや不本意なこと等々によってズレ睡眠は引き起こされやすくなります。

 

 

 

 

 

嫌なことは思い出さない方がいいのですから、いいことばかりを思い出すようにしてほしいものです。いいこととは、例えば本人も言うように、朝、家族と一緒に起きることができた時のことです。

 

 

 

 

 

一緒に食事ができた時のことです。そのようなときには、すかさずほめ、起きることができ、食事が一緒にできて親としてもうれしいことを伝えることが大切です。

 

 

 

 

 

本人が心配しているであろう進路のことは、今の時点では触れないでいた方がいいでしょう。進路については、いやでも学校の教師が触れてくれるはずです。

 

 

 

 

 

親は、あまり早めには触れない方がいいのです。なぜならば、親が良い面のフィードバックをしているのに、同時に嫌な面に触れていくことは、子供の心に動揺と混乱を引き起こすだけになってしまうからです。

 

 

 

 

 

親としては子供の睡眠がズレ睡眠であっても、おおよそ 八時間前後の睡眠が確保できていれば、睡眠に関しては重要視する必要はあまりありません。

 

 

 

 

 

前日の夜に「明日はきちんと起きるよ」と親に伝えているということの意味も理解してください。

 

 

 

 

 

子供の心の中には「親には心配をかけたくない」とか「親に迷惑をかけているのでこれ以上は迷惑をかけたくない」とか「親を安心させよう」という「よい子」をしている可能性があります。

 

 

 

 

 

また「親からは嫌われたくない」という気持ちもあることは確かです。日常生活に関しても、できたことをほめ、できなかったことには今は触れないという方針を立ててください。

 

 

 

 

 

これは、波風を立てないということではありません。したがって、少々の言葉の行き違いはいくらでも修正できる自信を持ってください。

 

 

 

 

 

このようなときには困難なことかもしれませんが、ユーモアのセンスを生活のなかに取り入れることがかなり重要です。

 

 

 

 

 

日常会話が、寝ても覚めても学校のことや生活の仕方の問題ばかりでは、神経は休まる暇もありません。睡眠形態が不安定な子供の生活を見ていると、その子供の周りにも睡眠形態の問題に真剣に取り組んでいる人が、必ずと言っていいほど存在しています。

 

 

 

 

 

神経を使うことばかりに気持ちを向けるよりは、苦悩している子供(不登校状態の子供)には楽しい会話や体験が必要です。

 

 

 

 

 

子供がいわゆる普通の生活をしたいと願うようになってきたら、生活改善に協力することは必要になります。

 

 

 

 

 

しかし、親が子供のことを心配して親の思いで子供の生活改善をさせようとすることは、愛情とは言えません。当然、子供にも歓迎されません。

 

 

 

 

 

それは親の支配として受け止めますから、子供は反発するはずです。どうぞ、愛情は、子供と親との間でできてくる感情、育てられる感情であって、最初から存在するものではないと理解してください。

 

 



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