テストだけ受けに登校する中学2年生
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テストだけ受けに登校する中学2年生

2019年05月18日(土)12:22 PM

「相談事例」

 

 

 

 

 

中学二年生の男子です。始業式から 三週間登校しただけでずっと休んでいます。しかし、九月なって「高校進学のためにはテストだけは受けておかないといけない」と言い、テストの日だけは受けに行き、保健室でテストをやってきます。

 

 

 

 

 

実技がある音楽とか美術とか体育のテストは受けません。休み始めた時に、「いやなやつと同じクラスになった」と言っていました。

 

 

 

 

 

一年生の時に、「お前ドジだなあ」とその子から言われたそうです。体育の実技のときに、バレーボールで顔面にボールを受けてしまい鼻血を出したことがあり、その時にクラスの子供たちから笑われたそうです。

 

 

 

 

 

また、美術の時間に教師が「この犬にはこんなに大きな鼻がついているのかね」と聞かれたので、本人が「これは馬です」と答えたところ、クラスの子供たちから嘲笑されたということもありました。

 

 

 

 

 

教師も「もっとそれらしく描けよ」と言ったそうです。確かに不器用ですが、教師もひどいと思います。音楽に関して言えば、親が聴いていても確かにひどい音痴です。

 

 

 

 

 

やはりクラスのみんなから「お前は口だけパクパクやっていればいいよ。俺たち、歌えなくなっちゃうよ。調子が狂うんだよなあ」と批判的なことを言われたそうです。

 

 

 

 

 

もともと自信がないうえにみんなからひどいことを言われ、それでなくても少なかった友達も去って行きました。家でしょんぼりしています。

 

 

 

 

 

たまに友達が遊びに誘ってくれてもいきません。外出もしません。電話にも出ません。教師にも会おうとはしません。それでも将来の進学に向けてテストだけは受けに行くのです。

 

 

 

 

 

自宅でこつこつと勉強はしています。そして「復讐してやる」とか言って「爆弾の作り方」とか「毒の作り方」といった本を読んでいます。

 

 

 

 

 

この子を健全に育てるにはどうしたらいいのでしょうか。親としたら復讐なんかしてほしくないし、進学なんて無理にしなくたって生きて行く道はあるように思うのですがどうでしょうか。

 

 

 

 

 

「回答」

 

 

 

 

 

復讐したいほどの気持ちを親にわかってもらいたがっている

 

 

 

 

 

テストだけは受けるために登校するということは、本人が将来に希望を持っていることの表れです。

 

 

 

 

 

ですから、高校進学の意思は認めてあげてください。親としては、学校の教師の対応のまずさやクラスの子供たちの無神経さがつらいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

実技がある教科の場合、自分の実力や成果や結果が目に見えたり耳に聞こえてしまいますから、学校教育では事前に十分な配慮が必要なのですが、そのようなことを実施している学校は少ないようです。

 

 

 

 

 

例えば私自身は学校で、「あなたは変声期になっているから、少し音程が違っていてもかまわないよ」と教師が言ってくれたのを覚えています。

 

 

 

 

 

おかげで気楽にみんなの前で歌うことができました。また、「あなたは長い間入院していたんだから、みんなと同じようにできなくてもいいよ」と先生が言ってくれたおかげで、鉄棒にただぶら下がっていただけの状態でも笑われなかった記憶があります。

 

 

 

 

 

現在、どの教師にもそのような配慮があるかどうかはなはだ疑問です。

 

 

 

 

 

しかし、それにもかかわらず、子供が「自分は自分、他人は他人」とか「運動神経が鈍いのは自分の人間性の一部分でしかない」とか「美術のうまい下手は主観の問題だ。ピカソだってうまいと言われている。自分の絵はピカソの絵よりはましだ」と、自分自身の自己主張ができてくれば問題にはなりません。

 

 

 

 

 

そのようになっていくためには、年齢的にもう少し成長が必要です。気になるのは、テストだけは受けに行くということです。

 

 

 

 

 

将来の進学のためなら、現在の入試制度では出席することも重要な要素になっています。

 

 

 

 

 

テストを受けに行くことが対人関係と結びつかない場合、「勉強さえできればいいんだ」という思いになりがちです。

 

 

 

 

 

しかも「相手を見返してやる」つもりになることもあり得ます。爆弾の作り方の本を読んでいるからといって、実際に爆弾を作る子供はほとんどいません。

 

 

 

 

 

毒薬の作り方の本を読んで毒薬を作ったという不登校の子供は聞いたことがありません。しかも、親の前で「復讐してやる」などと言っており、秘密にしてるわけでもないようです。

 

 

 

 

 

復讐するということは悪意であり、悪意なら周囲の人々に隠しておくはずですが、このお子さんは隠さずに明らかにしています。

 

 

 

 

 

爆弾の作り方や毒薬の作り方の本を読んでいるということまでも、母親に知らせているのです。こうした行動をからして、むしろ母親に知らせているのだと考えられます。

 

 

 

 

 

母親がどのような対応をするのか試しているとも考えられます。

 

 

 

 

 

少なくとも、自分が真剣に苦しみ、つらい体験をしていたことや復讐をしたいほどの思いになっていることを、母親に伝えたいのではないかと思われます。

 

 

 

 

 

復讐が反社会的な行為であることは本人も知っているはずです。自分が計画している、悪意の凝縮である復讐したい気持ちを親に依存して変えさせてもらいたいのです。

 

 

 

 

 

自分の精神力ではコントロールできないほど傷つきが深いので、親の力を借りたいのです。

 

 

 

 

 

親としては子供のそのような気持ちを理解して、「あなたには、ほかの人にはないいいところがある」ことを本人にもわかるように話してあげてください。

 

 

 

 

 

また、いつもいつもほかの人と自分を比べてみることは自分にメリットがあるのかについても話し合ってみてください。

 

 

 

 

 

存在そのものとしての人間の価値観や、役割上の人間の価値観などについても併せて考えてみてください。

 

 

 

 

 

大切な課題です。役割や存在感は自分が獲得するものであって、お金や学力で獲得できるものではないことを教えていきたいものです。

 

 

 

 

 

自分自身が何者であるかがわかってくれば、他者との比較の世界から離れて主体性のある生き方ができるようになっていきます。

 

 



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