ひきこもりの2つの事例
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ひきこもりの2つの事例

2019年05月18日(土)12:14 PM

事例1

 

 

 

 

 

俊彦(仮名)さんは、大学卒業後普通に就職しました。半年後、仕事が自分のやりたいことと違うと考えて退職しました。その後何回か資格を取ろうとしたり、就職試験を受けたりしましたが、うまくいかずにひきこもってから6年が経過しました。

 

 

 

 

 

現在、30代前半の男性です。本人の言い分としては、自分は私立の高校に行きたかったのに授業料が高いからと都立高校へ行かされた、都立は私立の勉強の仕方とは違い、勉強をあまりさせなかった、私立の高校に行かせてくれたら勉強して一流の大学に進学して一流の会社に就職できたと言います。

 

 

 

 

 

私立の高校に行かせなかった親がすべて悪いと夜中に寝かせないで攻撃をしたり、母親が食事を作る時にはわざわざ見に来て「手を洗っていない」とか「料理をしているときに話をすると唾が中に入って汚いから口を開くな」とか 一日中家にいて母親を監視していた時期がありました。

 

 

 

 

 

状態が良い時もあり、「どうしても一流の会社に勤めたいから」と図書館に行って勉強して簿記四級を受けて合格しました。

 

 

 

 

 

一流でなければいけないと六月と十一月に受験しましたが、三級以降は合格できませんでした。

 

 

 

 

 

父親の紹介で会社に面接に行きましたが、自分から断って帰ってきました。そして父親に「何であんな会社に自分を入れようとしたのか」と攻撃が始まりました。

 

 

 

 

 

私も何回か会いましたが「両親への恨み」「一流の会社に入りたい願望」を言うだけでした。

 

 

 

 

 

現実と理想の差はいつまでたっても縮まりませんでした。

 

 

 

 

 

事例2

 

 

 

 

 

ひきこもり生活五年の 二十代の女性が、母親を批判した言葉です。彼女は、高校一年の三学期から不登校になりましたが、フリースクールなどに 二年間くらい通い、そこでまた傷ついて外へ出られなくなりました。

 

 

 

 

 

「母親は、不必要なときに私を甘やかせて必要なときに必要なものを買ってくれなかった。母親にこれだけはやめてほしいということがある。私の意志とは関係なく無駄な買い物をして、あんたのために買ってあげたということはやめてほしい。母親は自分ときちんと向き合ってほしい。嘘をついてはいけない。借り物の言葉で埋めようとしてはいけない。自分も人も宿命だとあきらめてはいけない。宿命と思い込まないで、自分で変えていかなければいけない」と母親を批判しました。

 

 

 

 

 

そして、自分が母親をやみくもに怒っていると母親は思っているようだけれどもそうではない、理由があるから怒っているのだというのです。

 

 

 

 

 

こんなに立派なことが言えるのなら、自分がやればいいのに、一方的な狭い考えで人を見ないでほしい、人の表面だけ見てわかったようなことを言わないでほしいと母親は言いました。

 

 

 

 

 

彼女に対して私は一年間、家庭訪問を行いました。初めは、彼女が夕方から関東自立就労支援センターに来ていましたが、電車に乗ると周りの人の(特に高校生)の視線や会話の声やにおいが気になり、電車を降りると走ってくるので気分を治めて気持ちの整理をするのに時間がかかる、また、帰りに電車に乗ることが不安になるので彼女の自宅に私の方から出向くようになりました。

 

 

 

 

 

また、いろいろな病院にも通いましたが、うまくいきませんでした。指が痛いと言って整形外科に行った時、「小学校低学年の時、骨折して痛いと言っているのに母親が病院に連れて行ってくれなかった。だからい指が痛い」と訴えました。

 

 

 

 

 

そのとき医師に、「あなた年齢は?」と聞かれて「そんなに小さい時の事が今まで痛かったら、指がもうなくなっているよ」と言われて軽蔑されたと感じて病院に行かなくなりました。

 

 

 

 

 

栄養療法を始めましたが、母親が考えるようにきちんと栄養を採ってくれないことと、母親を攻撃しているので母親の作った食事を拒否して 一日に一食か二食しか食べないため、効果が上がりませんでした。

 

 

 

 

 

最近、湿疹ができて母親の通院している病院に行って薬をもらいました。女性の医師に、「こんなにひどくなってつらかったね。これでは学校に行けなかったね」といわれて薬をもらってはじめて薬を飲んで楽になりました。

 

 

 

 

 

二つの事例ともまだ社会復帰はできていません。一つのことに固執して周りの人のせいにして恨んでいることが共通しています。

 

 

 

 

 

二例とも朝寝て、夕方起きて夜中は起きている生活が長いので、食事も不規則で栄養失調になっています。さらに運動不足も深刻です。

 

 

 

 

 

事例1の男性は、身長が一六五センチで八○キロ以上あり、明らかに肥満体形です。事例2の女性は身長が一五八センチくらいで、体重が四○キロでやせています。

 

 

 

 

 

二人とも他者とのかかわりをほとんど持たないで自分だけの考えで生活しています。それでいてほかの人と自分は違うという対人不安、視線恐怖も強く持っています。

 

 

 

 

 

そして、プライドと劣等感が入り混じっています。プライドが前面に出る時と、劣等感が強くなって落ち込んでしまう時があります。

 

 

 

 

 

この二人に限らず、ひきこもりが長期間におよびますと他人や社会とのズレが大きくなり、社会復帰が非常に難しくなっていきます。

 

 



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