不登校~中学2年生のケース~
ホーム > 不登校~中学2年生のケース~

不登校~中学2年生のケース~

2019年05月17日(金)4:31 PM

「相談事例1」

 

 

 

 

 

中学二年生の男子です。朝、声をかけて、体をゆすり、起こしても起きません。後から起きて来て、「なぜ起こさなかった。俺があれだけ頼んでおいたのに」と言って荒れます。

 

 

 

 

 

いくら私が「起こしたのに起きなかった」のだと説明しても納得しません。睡眠障害ではないかと思うほどよく眠ります。

 

 

 

 

 

小学生のころから朝起きることは苦手でしたが、自分の友達と釣りに行く時や遊園地に行く時など、趣味とか楽しいことのためならきちんと起きて出かけます。

 

 

 

 

 

これから先、起こす、起こさないに関してどのようにしていったらいいでしょうか?

 

 

 

 

 

「相談事例2」

 

 

 

 

 

高校一年生の男子です。連休明けごろから、朝はたとえ声をかけても起きてこない場合が多く、それなのに、「なぜ起こさなかった」と私に詰め寄ります。

 

 

 

 

 

いくら「ちゃんと起こしたわよ」と言っても納得しません。本人には起こされたという意識が全くないようです。信じられません。

 

 

 

 

 

こんな場合、母親はどうしたらよいのでしょうか?

 

 

 

 

 

「回答」  緊張せずにすむ生活を

 

 

 

 

 

どちらの場合も、睡眠の形態が、母親の起こす時間帯に深い睡眠になっている可能性が考えられます。

 

 

 

 

 

あるいは、母親の声に対する選択的排除の機能が働いている可能性があります。

 

 

 

 

 

睡眠形態の深い睡眠は、通常健康な睡眠なら、就寝後一時間程度で起こってきます。

 

 

 

 

 

しかし、不登校状態になっている子供の場合、午前六時から午前八時ごろに最も深い睡眠状態になる場合が多いようです。

 

 

 

 

 

不登校の子供の場合、睡眠障害といわれるほどは病理診断基準には合致していない場合が多いように感じます。

 

 

 

 

 

二、三日の周期(場合によってはもっと長い周期)で、寝覚めが悪くなったり良くなったりするようです。

 

 

 

 

 

ただし、長い間、不登校状態におちいっていた場合は、子供の生理的なホルモンの日内変動が自律調整できなくなり、生理的に睡眠形態を崩している場合も考えられます。

 

 

 

 

 

もう一つの可能性としては、選択的非 注意、あるいは選択的排除が実際に行われていると考えられます。

 

 

 

 

 

子供の心に選択的な非注意とか排除が起こっているということから、朝、起きることによってひきおこされる子供の生活に関して、なにか嫌なことや避けたいことや不都合なことや不利益なことが起こっている可能性があるというように読み取ってください。

 

 

 

 

 

母親の声とか、母親のかかわりも、そのような一連の回避したい出来事に関係している可能性があるかもしれません。

 

 

 

 

 

だから、母親の声が耳に入らないような状態になっている可能性も考えられるのです。

 

 

 

 

 

例えば、成人でも回避したい嫌な言葉は右の耳から入って左の耳から抜けていき、記憶に残らない場合があります。

 

 

 

 

 

回避したいことではなくても、電車で読書に熱中していて車内放送があっても、降りるべき駅で降りないで乗り過ごすということも起こり得るのです。

 

 

 

 

 

集中力が強い人ほどこのようなことは起こり得ます。見る、聴く、行動するといった一連の流れが統合できていないのです。

 

 

 

 

 

高校生の場合は、自分が選択して希望に燃えて入学した高校であったとしても、その後の出来事によって不本意な出来事がひきおこされた場合、このような状態におちいります。

 

 

 

 

 

もちろん不本意な入学をしてしまった高校なら、当然といってよいほどこのような反応は起こってきます。

 

 

 

 

 

選択的非注意とか選択的排除という現象は、嫌な体験が自分のなかに入ってこないように締め出すことなのです。

 

 

 

 

 

日常的に抵抗や葛藤を感じている母親の声を、朝、起こすためとはいえ、子供としては聞きたくないのです。

 

 

 

 

 

また、たとえ、母親が日常自分に対して友好的であったとしても、自分の方からは冷淡な対応をとって、敵対するような行為行動をするのです。

 

 

 

 

 

母親がいくら親切に起こしても「うるさいっ!」「起こし方が悪いんだっ!」といった具合に母親を敵に回すような態度をとります。

 

 

 

 

 

小学生の時代から寝起きが悪かったというのですから、その子供は自分の身のまわりにおこる出来事にかかわるかどうかの判断を、ことの善悪では行わず、たいがい自分が好きか嫌いかで行っていた可能性があります。

 

 

 

 

 

親としても、「あなたの好きなことをしていいのよ」とか「自分の好きなようにやってごらんなさい」といった具合に、善悪よりは好き嫌いの判断に任せていた傾向があります。

 

 

 

 

 

また、一般的には、このような態度をとる子供の場合、自己評価が低いのです。外部から低い自己評価が見破られないようにしているのです。

 

 

 

 

 

いくら自己評価の低さを隠すように偽装しても、朝、起きることができないという現実は消えてなくなるわけではありません。

 

 

 

 

 

子供は悩みに悩んで、抑うつ的な状態におちいるようになってしまいます。

 

 

 

 

 

いずれにしても、子供が朝、起きることに関してつらくて嫌な体験を過去に経験してきた可能性があります。

 

 

 

 

 

もう一つの可能性としては、子どもは母親の声は日常的に聞き慣れています。そのために母親の声は、感覚記憶として覚えている可能性があるのです。

 

 

 

 

 

感覚記憶とは、一見してそのものであると認識できる記憶です。例えばバラの花を見ると、多くの人は即座に「あれはバラの花である」と認識できます。

 

 

 

 

 

いちいち心の記憶にためた意識を検索して引き出さなくても認識しています。

 

 

 

 

 

そのような状態で、母親の声をいちいち意識しないでも、ただ存在している、一種の環境としてとらえている可能性があるのです。

 

 

 

 

 

いい意味では、母親の役割の中には確かに「環境としての役割」もあります。

 

 

 

 

 

しかし、母子関係が密着し過ぎた場合には、母親の声が意識されないような事態が起こり得るのです。

 

 

 

 

 

朝、起きることに希望と満足感の予感があれば、朝、起きることは簡単なことになります。たとえば、自分が好きな「釣り」のためならどんなに朝早くても起きることができるのです。

 

 

 

 

 

つまり、朝起きを実現させるためには起きることがどのような意義を持ち、どのような安全感と満足感を与えるかを起こす人と子供との間で築いていくことが大切です。

 

 

 

 

 

そのためには、まず家庭内の対人関係を良好に保つことが大切です。これは波風を立てないという消極的なやり方ではありません。

 

 

 

 

 

さざ波程度の波風は立っても、いつでも修正可能で、しかも、緊張せずに楽しく生活していられる状態のことを指しています。

 

 

 

 

 

仮に睡眠障害が本物であれば、なるべく早く医師の治療を受けることが大切です。民間療法や素人療法による改善はあまり期待できません。

 

 



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-439-4355
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援