個性を尊重する教育
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個性を尊重する教育

2019年05月17日(金)1:52 PM

最近よく、「個性を尊重する教育」ということが言われますが、あれもしっかり考えてみないと本当に個性を尊重することになっているのかどうかというのは、なかなか難しい問題だと思います。

 

 

 

 

 

ます、個性というのは全体だということです。ある部分的に目立つ能力や特性があるからといって、本来それを個性というのではありません。

 

 

 

 

 

百メートルを十秒で走ることができる、英語が得意でペラペラしゃべれる、音楽が得意で優れた音楽の感性を持っている、それも個性の一つかもしれませんが、それを個性といってしまいますと個性を矮小化してとらえることになるだろうと思います。

 

 

 

 

 

私は、個性というのは、その人間のまるごとが持っている持ち味をいうのだと思います。

 

 

 

 

 

個性ということですぐに思い出す歌があります。チューリップの歌です。「咲いた、咲いた、チューリップの花が。並んだ、並んだ、赤白黄色、どの花見てもきれいだな」という歌です。

 

 

 

 

 

赤白黄色並んでいる、しかし一番きれいなのから順番に並んでいるわけではない、赤白黄色どの花見てもきれいだなと歌っています。

 

 

 

 

 

赤は赤なりに、白は白なりに、黄色は黄色なりにきれいであり、そのきれいさに優劣をつけることはできません。しかもその赤白黄色の関係は、白や黄色があることによって赤のきれいさがダウンするのではなく、白や黄色と一緒にあることによって逆に赤の持ち味が引き立つわけです。

 

 

 

 

 

そういう関係が、私は個性を大事にし合う関係なのだと思います。ところが、競争原理の支配するところで人間を見ていると、部分しか見えなくなります。

 

 

 

 

 

比較できるのは部分だけですから、それをとり出さないと比較できません。丸ごとのAちゃんと丸ごとのBちゃんとは、比較できません。

 

 

 

 

 

どこかある部分、例えば身長とか体重とか、数学の成績とか、あるいは走る力とかそういう部分的な能力や特性を取り出してはじめて比較できるわけです。

 

 

 

 

 

そこで、他人と比較して優劣を決める競争主義が支配しますと、比較できる部分ばかりに目がいってしまいます。

 

 

 

 

 

その子のまるごとを見、まるごとを尊重できずに、ある部分だけを全体から切り離して取り出し、それを他人と比較して優劣をつけていく、こういう形の生き方がどうしてもはびこってしまいます。

 

 

 

 

 

私は、全体をまるごと尊重するということであれば、その子供のある目立った部分的な特徴を取り出して、それを性急に変えようというふうな働きかけはしないのではないかと思います。

 

 

 

 

 

例えば、おとなしいという子供の部分的な特徴だけを取り出して、「おとなしいからダメだ、もっとしゃべれるようにしてやらないといけない」というふうな働きかけにはならないはずです。

 

 

 

 

 

おとなしい子にはおとなしいなりの訳があるのだろう、それがわかるまではそんな性急な働きかけは差し控えようというのが、全体をまるごと尊重するやり方ではないかと思います。

 

 

 

 

 

何か部分的な特徴を引っ張り出して、それが「良い子像」の特性と適合していなかったり、はみ出しているというので、それを一つ一つ調整したり伸ばしたりする、それはまるで人間をバラバラに切りきざみ、そのいいとこ取りをし、合体して出来上がるフランケンシュタインを連想させるような人間を造ろうとしているかのように見えてきます。

 

 

 

 

 

部分的な能力や特性だけを切り出してきて、それを性急に伸ばしたり縮めたりする、そういう発想で子供と向かい合うことが、はたして本当に個性を大事にするような教育になるのだろうかと疑問に思っています。

 

 

 

 

 

最近人々が、ずいぶん「癒し」を求めているように感じます。癒しというのは、端的に言うと丸ごと受け止めてもらえるということです。

 

 

 

 

 

その子には、部分部分をとらえれば弱いところやダメなところはいっぱいあります。

 

 

 

 

 

しかし、そういうダメなところも含めて、「あなたが生きていることはいいことなんだよ」と丸ごと受け止めてもらえた時に、その子は癒されるのだろうと思います。

 

 

 

 

 

なぜ、そんなに癒しを求めているかといいますと、今この社会で生きている人間が、部分部分にバラバラにされているからだと思います。

 

 

 

 

 

それは学校でも同じであり、部分によって全体を否定するような評価の仕方についついなってしまっているからだと思います。

 



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