子育て相談~集団に適応できない子供~
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子育て相談~集団に適応できない子供~

2019年05月17日(金)1:44 PM

「相談事例」  クラスに入れない

 

 

 

 

 

小学校六年生の女の子ですが、五年生の一学期から、クラスの中にいるとつらくなると言って保健室にいます。最近は保健室登校も休みがちです。

 

 

 

 

 

休み時間にクラスの子が訪ねてくるのが嫌だと言います。小学校五年生でクラス替えがあった日に、帰宅して「もう死にたい。最悪。あんなクラスにいるだけで疲れちゃう」といって部屋に入り、夕食もとりませんでした。

 

 

 

 

 

翌日、なかなか起きてこないので起こしに行ったら「もう、あの学校には行きたくないから私が通える別の学校を探してほしい」と泣きながら言いました。

 

 

 

 

 

その日は学校を休ませて詳しく話を聞きました。本人が言うには「担任は独身の男の先生で、女子にばかり声をかけて、女子にばかりなれなれしくする気持ちが悪い人」で「えこひいきが激しい人」だそうです。

 

 

 

 

 

しかも、その時の声は猫なで声だと本人は言います。また「塾で一緒の子でしつこくつきまとう男の子が今度のクラスにはいる」から嫌だとも言いました。

 

 

 

 

 

そして塾もやめてしまいました。「女子にしても、陰口ばかり言っていたり、誰かを仲間外れにして喜んでいるような性格の悪い子ばかりなので、安心して付き合うことができる子は一人もいない」そうです。

 

 

 

 

 

教室にいるだけで疲れるそうです。それでも保健室の先生はやさしいから「次の学校が決まるまでは保健室に通う」ことにしました。

 

 

 

 

 

五年生の六月ごろから 六年生の九月までは保健室に通っていたのですが、進路の話題が出始めた時点で保健室にも行きにくくなってきました。

 

 

 

 

 

信頼している子は一人います。メールのやりとりをしたり、電話をかけたりしています。学校が休みの日にはその子と二人なら外出します。遊園地に行ったりデパートに行ったりしています。

 

 

 

 

 

ほかの子とは一切交際していません。本人は自分のことを知っている子たちが行く中学校へは行きたくないといっています。私立を受けるにしても、受験勉強は全くといっていいほどしていません。

 

 

 

 

 

これから先、中学校に行くにしてもどのようにしたらよいか教えてください。

 

 

 

 

 

「回答」

 

 

 

 

 

進学のことより低い自己評価を何とかしたい

 

 

 

 

 

女子の場合、小学校五年生ころからは「遊び仲間友達関係」への対人関係の進展が見られます。「遊び仲間友達関係」という仲間(グループ)の獲得ができない場合、つまり、仲間に入れない場合、しばしば孤立しがちになります。

 

 

 

 

 

「遊び仲間友達」とは、良い遊びも悪い遊びも共有するような仲間であって、ことの善悪よりは仲間であるという意識が優先されるような関係です。

 

 

 

 

 

このお子さんは、ことの善悪が何よりも大切だと思っているお子さんだと思います。また、これだけ相手の欠点を指摘しているということは、自分自身も相手から同様の指摘を受けてきた可能性があります。

 

 

 

 

 

例えば「そこを直しなさい」「もうちょっと頑張ればもっと良くなるのに・・・・・・」「できればそういうやり方ではなく、このようにやった方がもっと良かった」等、本人にするとほめてもらったことよりは、修正を求められたり、やり方を変えるように求められることが多かったのでしょう。

 

 

 

 

 

そのようなかかわりで、本人に低い自己評価を獲得させてきた可能性があります。

 

 

 

 

 

獲得してきた低い自己評価と同じ価値観で相手についても見ますから、相手の欠点ばかりが気になるのです。本人は自分が劣っている部分やほかの子と比較して恥になりそうな部分を強く意識しています。

 

 

 

 

 

相手についても、まさに自分が気にしてるようなことがどうしても気になってしまうのです。

 

 

 

 

 

そのような状態で同じ学年の子供の集団に参加した場合、周囲の子供たちには自分の欠点が見えてしまい、欠点ばかりが目立つような気がしてしまいます。

 

 

 

 

 

したがって、集団に対して不適応を起こしやすいのです。たとえ集団の中にはいっていったとしても、安全な居場所が獲得できず、しかも居心地が悪く周囲に対して緊張してしまいます。

 

 

 

 

 

このお子さんの場合、特に男性を意識しているようで男性の担任教師とクラスの男の子に対してかなり厳しい批判をしています。

 

 

 

 

 

これは、心理的な面での性成長が始まっているためと考えてもよいでしょう。「男の先生」「男の子」と言い、同世代の女子に対しては「女子」という言葉を使っていて、男女の性差を明確にしていることからも異性を意識していることが推察できます。

 

 

 

 

 

たった一人友達がいるということからは、二者関係はできているけれども 三者関係はまだできていないと推測することができます。

 

 

 

 

 

同世代の子供同士が数人集まって、ワイワイガヤガヤと噂話や世間話をし、仲間関係を崩さないためには本人が対人関係の三者関係を獲得できていなければグループの中に入りにくくなります。

 

 

 

 

 

三者関係ができているかどうかは、子供の対人関係の社会性を計るバロメーターにもなります。

 

 

 

 

 

中学への進学はとても大切だし、十分に考えなければならないことですが、それよりも対人関係について優先的に注目してください。

 

 

 

 

 

そして、本人が獲得している低い自己評価を何とかしてあげたいものです。対人関係については、学校では養護教諭に協力してもらって、親しい友人が来た時に一緒に会話に参加してもらったり、家庭では父親にも協力してもらって会話に参加してもらうことで少しずつ三者関係が獲得できていくはずです。

 

 

 

 

 

すでに獲得している低い自己評価を変えることは大変な作業です。

 

 

 

 

 

本人は本気で自分の欠点を冷静に見つめているのですから、いくら親や教師が「あなたのレベルは本当は高いのだ」と主張し、低い自己評価を否定しても通じません。かえって反発を強めます。

 

 

 

 

 

それよりは、低いと思い込んでいる自己評価については触れずに、日常生活の中でできたことについて褒め、褒めた人の気持ちも含めて本人に伝えていく習慣を繰り返すことが大切です。

 

 

 

 

 

例えば、「あなたが家事を手伝ってくれるからとてもうれしい」といった具合に、「うれしい」という感情言葉を付け加えることです。

 

 

 

 

 

子供たちの多くは親たちの気持ちを知りたがっています。

 

 

 

 

 

親は、子供が「親が本当に喜んでいる」という感情を受けて、子供自身がうれしさを表現できるようにしていくことが大切です。

 

 

 

 

 

親たちの温かい感情が、子供の低い自己評価の克服につながることもあります。

 

 

 

 

 

親としては、中学に入学してからのことよりは現在、子供とどんなかかわりをしていくことが自然なのかをよく理解してください。

 

 



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