親や教師からの賞賛を生きがいに生きてきた子供たち
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親や教師からの賞賛を生きがいに生きてきた子供たち

2019年05月03日(金)5:38 PM

思春期やせ症から過食症に転じたA子さん(高校1年生)

 

 

 

 

 

がんばり屋で真面目なA子さんは、小学校のときから成績もよく、スポーツも得意で友達もたくさんいて中学までは「なんでもよくできる子」として何の問題もなく学校生活を送ってきました。

 

 

 

 

 

しかし、高校に入学し、思うように成績が伸びずかつて経験したことがない劣等感を感じるようになっていました。

 

 

 

 

 

元来「やせ願望」のあったA子さんは、その頃からダイエットを秘かに決意し、努力しはじめました。

 

 

 

 

 

食事もほとんど採っていないのに、きわめて活動的で体重は35キロまでに落ちてしまい、月経も止まってしまいました。

 

 

 

 

 

しかし、本人はむしろさっぱりしたと感じていました。

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに、食べ物のことが頭から離れなくなり、発作的にまんじゅうを30個ほど買い込み、学校のトイレで一気に食べたり、夜中に起き出して冷蔵庫の食べ物を残らず食べてしまったりという行動が始まり、学校を遅刻したり、休んだりする日が増えてきました。

 

 

 

 

 

もともとは心理的な問題から始まるが、身体疾患を併発する思春期やせ症

 

 

 

 

 

人間は、生命を守るための危機管理システムをたくさんもっています。

 

 

 

 

 

特に「食べること(摂食)」は直接生命に関わりますので、特別に緻密な危機管理システムがあります。

 

 

 

 

 

それは摂食中枢と言われるものです。摂食中枢は空腹中枢と満腹中枢の2つで構成されています。

 

 

 

 

 

空腹中枢が「栄養不足」というサインを出し続けているにもかかわらず、食事らしい食事をとらないという状態が長期に続くのが思春期やせ症です。

 

 

 

 

 

その結果、摂食中枢が機能障害を起こし、暴走してしまい、止めどもなく食べ続ける病的過食の状態になるのです。

 

 

 

 

 

このように、思春期やせ症はもともとは心理的問題から発症しますが、二次的に身体的障害が生じます。

 

 

 

 

 

極度の体重減少の場合には入院治療も必要です。

 

 

 

 

 

「素のままの自分」を受け入れてもらったことがない思春期やせ症の子どもたち

 

 

 

 

 

思春期やせ症・過食症の子どもたちの特徴は、親や先生などの期待に応え続けて、ありのままの自分(素の自分)を受け入れられた経験がないのです。

 

 

 

 

 

そのため、回復過程に入ったとき、彼女たちの共通の訴えは「さみしい」です。

 

 

 

 

 

そして幼児のように母親にくっついても、さみしさはなかなか解消されません。

 

 

 

 

 

自分の容姿や体型を受け入れることは、思春期の心の発達課題

 

 

 

 

 

ほっそりした人=美人という風潮が強いので、思春期に入り女子生徒がダイエットをしたくなる気持ちはよくわかります。

 

 

 

 

 

しかし、自分の顔や姿は変えたくても変えられない部分がほとんどです。

 

 

 

 

 

人はみな思春期に自分の容姿に悩みながら、年齢とともにそれを受け入れていきます。

 

 

 

 

 

それは思春期の心の発達課題のひとつです。

 

 

 

 

 

女性的であることを渇望するが故の「女性性の拒否」というアンビバレンツ(両価性)

 

 

 

 

 

「思春期やせ症は、女性性の拒否である」とよく言われます。

 

 

 

 

 

確かに、女性的体型を嫌うかのようにやせ細り、女性の象徴である月経が止まってもあたかも「望むところだ」という態度を示します。

 

 

 

 

 

しかし、思春期やせ症の女子生徒を単純に「女性性の拒否」と見るのでは、ほんとうには理解できていません。

 

 

 

 

 

彼女たちは「女性的であることを渇望するが故の、女性性の拒否」という典型的アンビバレンツ(両価性)な感情に悩んでいるのです。

 

 

 

 

 

病気そのものの理解が治療の成否を決める躁うつ病

 

 

 

 

 

日ごろでは考えられない言動が続いたO君(中学3年生)は、病院で気分障害の躁状態だと言われたが?

 

 

 

 

 

 

「2年生の1月中ごろから10日間ほど急にハイな気分になり、キーホルダーやキャラクター商品を2万円も買い込んだり、夜遅くまで大きな音で音楽を聴いたり、朝は早くから家を飛び出し高速道路で車を止めようとして警察に保護されたりという日ごろでは考えられないような言動が続きました。

 

 

 

 

 

その後は嘘のようにもとどおりのOに戻りましたが、3月はじめにも、また10日間ほど異常な言動が続きました。

 

 

 

 

 

無理やり病院の精神科に連れて行ったところ、「気分障害」の躁状態と言われました。気分障害とはどんな病気でしょうか」親としてどんな心構えで対応したらいいのでしょうかとお母さんが相談に来ました。

 

 

 

 

 

意外に多い、高校での躁うつ病圏の病気の発症

 

 

 

 

 

思春期は精神的病気の発症時期です。不登校の子どもの中には、まれに精神病の初期症状として、不登校になっている場合があります。

 

 

 

 

 

代表的な精神病は「躁うつ病」と「統合失調症」です。統合失調症については、「100人に1人は統合失調症になる」と言われています。

 

 

 

 

 

一方、躁うつ病の発症率については、はっきりとしたデータがありませんが、高校生に長年関わってきたわたしの実感では、躁うつ病の発症は統合失調症と同じあるいはもっと多いです。

 

 

 

 

 

なお、中学生での発症はまれです。

 

 

 

 

 

躁うつ病は治るのが特徴

 

 

 

 

 

躁うつ病は感情の障害です。感情が了解の域を越えて「ハイ」になるのが躁状態であり、落ち込むのがうつ病です。

 

 

 

 

 

躁うつ病ではクスリが必要です。また、躁状態の時期には一時的に入院の必要な事例も多いです。

 

 

 

 

 

親の仕事の第一は、医療機関とつながることです。

 

 

 



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