学校に行けない子どもたち
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学校に行けない子どもたち

2019年04月30日(火)2:37 PM

 

 

 

小・中・高・大学時代の出来事として、発達障害と密接に関わってくるのが不登校です。

 

 

 

 

 

かつては登校拒否とも呼ばれていました。発達障害の症状が原因で学校に馴染めず、不登校に陥ってしまうケースはけっして少なくありません。

 

 

 

 

 

文部科学省が2013年8月に発表した前年度の「学校基本調査」によると、全国の小・中学生の不登校児童生徒数は11万2437人にも上るのです。

 

 

 

 

 

これは30日以上休んだ長期の不登校であって、これに30日未満の短期の不登校や不登校予備軍である登校しぶりのお子さんを含めると、かなりの数になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

不登校とは、なんらかの心理的・情緒的・身体的あるいは社会的要因・背景により、お子さんが登校しない、あるいはしてくともできない状況にあること(ただし病気や経済的理由によるものを除く)をいいます。

 

 

 

 

 

不登校は本人にとっては、楽な状況なのかもしれませんが、将来のことなどを考えると周りの家族等にとっては心配でなりません。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターにも不登校で悩んでいる親子がよく相談に来ます。

 

 

 

 

 

ここで不登校のAさんについて書いてみようと思います。

 

 

 

 

 

Aさんが初めて関東自立就労支援センターを訪れたのは中学2年生の春でした。Aさんは非常に痩せていて、白いマスクをしてうつむいたまま静かに相談室に入ってきました。

 

 

 

 

 

挨拶もせず何もしゃべりません。初めて来た時は母親とではなく、祖母と叔母の3人で来ました。

 

 

 

 

 

母子家庭で父親はいません。この日は母親は仕事で来られないということでした。

 

 

 

 

 

Aさんは朝も起きられず、不登校が続き部屋にひきこもりがちということが心配だといいます。

 

 

 

 

 

祖母と叔母にいろいろ尋ねたところ、小学生の時に心ない女子によって友人の女子を引き離されたり、男子に陰口を言われたりといったいじめにあって、転校したりしたこともあったようです。

 

 

 

 

 

中学2年生になった今でもからかわれることが多く、保健室に避難しているそうです。

 

 

 

 

 

そのほうが楽だということです。Aさんの話を聞いていくと、道順をよく記憶していたり、音に対して敏感だったり、嫌なことには取り組まなかったり、興味の範囲が狭かったり、家族が自分のことをいろいろ話しているのではないかと常に気にしてしまったりと、自閉症スペクトラムの症状と思われるものがいくつか見つかりました。

 

 

 

 

 

挨拶もせず、いっさいしゃべらない場面緘目という症状も自閉症スペクトラムに多く見られる併存障害の1つです。

 

 

 

 

 

1ヶ月経った頃、母親がいっしょに来ました。表情は明らかに疲れきっていてまったく覇気がありません。

 

 

 

 

 

母親に娘さんがなぜマスクをしているのか尋ねたところ、外出時は他人に口元を見られたくないのでマスクをしていると落ち着くそうです。

 

 

 

 

 

時々タオルで顔を隠すこともあるといいます。これは対人恐怖の症状です。

 

 

 

 

 

そして、夜中の3時に寝て11時に起きるというのも、遅寝遅起きの典型的な自律神経失調症のパターンです。

 

 

 

 

 

もちろん、このままでいいわけがありません。わたしは知り合いのクリニックを紹介しました。

 

 

 

 

 

クリニックでは抗うつ剤を処方され、毎日しっかり飲んでいました。すると表情が良くなり、少しですがしゃべれるようになりました。

 

 

 

 

 

相性の悪かった母親とも久しぶりに買い物に行けたといいます。その後、クリニックで抗うつ剤を増量し、初診から半年経った頃には寝つきも良くなり、食欲も増進しました。

 

 

 

 

 

しばらく経った後、久しぶりに学校に行きました。ただし初めは放課後に10分程度学校に行くだけでしたが、その後、家庭科の授業にも出てミシンを使ったそうです。

 

 

 

 

 

家では手伝いまでやれるようになりました。高校はフレックススクールでも良かったのですが、結局、通信制に入りました。

 

 

 

 

 

宿題もきちんとこなし、自ら薬を飲み、いつしか外出時もマスクを外して普通に会話ができる状態にまでなりました。

 

 

 

 

 

食事もきちんと食べており、体重も増えたといいます。自律神経失調症とともに、自閉症スペクトラムの症状も落ち着いてきたので、クリニックへは4ヶ月に1回程度のペースになりました。

 

 

 

 

 

相変わらず深夜2時に寝て朝6時に起きるペースですが、昼間で寝なくなってきたのです。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターには週に1回来て、他の不登校の子どもとの交流やカウンセリングを受けたりしています。

 

 

 

 

 

Aさんのケースでは、地道にクリニックで処方された薬を飲みながら、母親と向き合い、関東自立就労支援センターで自分と同じような境遇の人との交流を重ねて対人関係に自信を持つことができるようになったことが良かったように感じています。

 

 

 

 

 

発達障害と思春期による反抗期などが重なると、親御さんもお子さんとの接し方に不安を覚えることがあるでしょう。

 

 

 

 

 

そんな時は、身近な人や専門家にその悩みを打ち明けてみてください。一人で悩み、抱え込まないことが大切です。

 

 

 

 

 

親御さんが暗い顔をしていると、子どもの表情も暗くなってしまいます。

 

 

 



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