ひきこもりと家出
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ひきこもりと家出

2019年04月28日(日)8:00 PM

ひきこもりに関連する問題として、家出があります。家出とひきこもり、まるっきり正反対の行動ではありますが、根っこの部分は同じです。

 

 

 

 

誰かにわかってほしい、友達がほしい・・・・そういった欲求から起こる「やさしさ探し」の家出です。ひきこもりは外出することなく「心の旅」を部屋の中で続けますが、家出は外に出て、人とのふれあいに希望を求めていきます。

 

 

 

 

しかし、やはり心はひきこもっているのです。さて、夏になると増える家出ですが、年々増加の傾向にあり、そのスタイルも時代とともに変わってきています。

 

 

 

 

昭和30年代以前の家出は、上野駅あたりを中心にたむろするパターンで、家出の理由の大半は貧困でした。ところが最近は、そうした「特別な家庭環境」には関係なく、「外泊気分」でごく普通の子供たちが家出しています。

 

 

 

 

特に15、6歳の思春期の女の子の家出が増えているようです。最近では、家出の理由がはっきりしていないという特徴があります。生活苦や家庭環境の崩壊といった深刻なケースもないことはないのですが、非常に軽いノリで家を出て行く人も珍しくありません。

 

 

 

 

したがって、その行動は一見意味不明に見えもしますが、やはり深く語り合ってみると、それなりに子どもたちはいろいろなことを考えて家を出ているようです。

 

 

 

 

「自分はもう二度と、この家には帰ってこないぞ」と思いながら出て行く場合、あるいはそこまで考えずに軽い気持ちの場合、どちらのケースでも戻れる家があるから出て行けるのです。

 

 

 

 

「君たちは戻れる家があるから出て行けるんだよ。帰るところがなければ出て行けないはずだよ」と言いながらも、この子どもたちにとって、家庭が安らぎの場となりきれていないことを痛切に感じるのです。

 

 

 

 

警察官や補導員の人たちがよく話してくれるのですが、家出した子どもたちは家に帰ることを、「かったるい」と言うそうです。つまり、家に帰る意欲が子どもたちにはないということなのです。

 

 

 

 

その理由を聞いてみると、親を見限ったわけではないので、何かのきっかけさえあれば帰っていくのですが、帰るだけの魅力が家にはないと言います。

 

 

 

 

関東自立就労支援センターにも、「帰宅拒否」シンドロームが流行していたことがありましたが、その多くは両親の「家庭内離婚」を訴えてのことでした。

 

 

 

 

そして「家庭の魅力」でした。子どもたちの考える家庭の魅力とは「安心感」です。自分は大事にされているという確証です。子どもにとって家は、母港、つまり安心して帰れる港でなくてはならないのです。

 

 

 

 

母親のことを「お袋」といいますが、すべてを包み込んで守ってくれる「お袋」を求めているのです。その意味で親が子どもに期待するように、子どもも親に「やさしさ」と「お袋」を期待しているように思います。

 

 

 

 

友人関係などで、親代わり的部分が満たされていればよいのですが、そこが希薄だと必然的に親に支えを求めていくのです。それも過剰に「親だから」と期待をかけていく子どももいます。

 

 

 

 

ところで家に帰ることを拒否することと、帰る気が起こらないというのは微妙に違います。そしていま、後者の気持ちの子どもたちが増えているように感じます。

 

 

 

 

こうした現象をみると、家を出て二度と帰らない「高派型」の時代から、家のあることを前提にして家にいることに意味を感じないだけで、戻ろうと思えばいつでも戻れると気楽に考えている「軟派型」の時代に変化してきたと考えることができると思います。

 

 

 

 

そして、「ひきこもりの初期サイン」として現れる家出は、この中間領域にあるように思われます。

 

 

 

 

周りの期待に応えきれない、挫折から立ち上がれない、そんな状態にある自分の「勇気(残された力)」を確かめるため、「しがらみだらけの親との縁を切って新しい自分の可能性を発見するため」に家出をしますが、一方で親には、「勝てないことを知り」、独り立ちできない身を親に託していく場合もあります。

 

 

 

 

ところで、家出を試みる子どもたちはどこへ魅力と安らぎを求めていくのでしょうか。首都圏の話に限られてしまいますが、以前は新宿の歌舞伎町、渋谷の駅前やセンター街も多いようです。

 

 

 

 

昼間はわかりませんが、終電時間を過ぎる頃になると、このセンター街には十代を中心に大勢の子どもたちがどこからともなく集まってきます。彼らは何人かでグループを組んでたむろしています。そしてその中には、家出してきている子どもも少なくありません。

 

 

 

 

さらに最近では、グループの多様化が目立ち、「落ちこぼれ」や「ツッパリ」だけではなく、有名高校の生徒、高校中退者、フリーターのグループも来ているようです。

 

 

 

 

10代後半組は、大人になる20代を前に寂しくてひとりではいられないのです。人とのコミュニケーションを求めて「第三の場」に集まってくるのです。

 

 

 

 

ここに来る子どもたちの場合、イメージとしては家出というよりも外泊といったほうがわかりやすいかもしれません。子どもたちには、そういった軽いノリが感じられます。

 

 

 

 

この渋谷のセンター街にフラッとやってきては、知り合った友達の家を泊まり歩き、それが何日も続くというパターンが多いようです。友達の家に泊まることが習慣になると、3日も4日も家に帰らないケースも多いようです。

 

 

 

 

この間、親はどうしているかというと、意外と気にしていないのです。家出と聞けば「えっ」と驚きますが、外泊というとそれほど悪いことではないというイメージがあるからです。

 

 

 

 

親も子どももそれを繰り返しているうちに慣れてしまい、感覚が完全に麻痺して外泊日数が多くなっても気にならなくなってしまうようです。

 

 

 

 

「友達のところに泊まってくる」との言葉に、「ああそうか」と親は納得してしまいます。親がそういう友達づきあいを認めてしまう時代になってきている面もあるようです。

 

 

 

 

物わかりがよくなっているのでしょうか。親自身が、子どもを預けて気軽に外泊するケースも増えました。だから、あまり親に抵抗感がないのも事実なのです。「家出」か「外泊」か、不鮮明な時代になっているようです。

 

 

 



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