思春期は統合失調症などの病気の発症時期
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思春期は統合失調症などの病気の発症時期

2019年04月21日(日)11:17 PM

事例

 

 

 

 

 

わたしを誰かが乗っ取ろうとしている、など多彩な症状で発病したW子さん(高校2年生)

 

 

 

 

 

誰かがわたしを乗っ取ろうとしていて怖い。自分の考えている事が何か声になって出てきて、しゃべってしまったかなと心配。

 

 

 

 

 

頭の中が抜き取られたようになり、会話が続かず、友達に「どうしたの?」と言われる。

 

 

 

 

 

誰もいないのに声が聞こえて何か悪いことを言われたり、「死ね」と言われたりすると訴えました。

 

 

 

 

 

もうそんな症状が出始めて半年になるが、親がなかなか病気を認めず、病院に行きたくても行けなかったようです。

 

 

 

 

 

一般に考えられているよりもずっと見通しの明るい統合失調症

 

 

 

 

 

W子さんは統合失調症の発症初期です。統合失調症は、思春期・青年期に発症するのが特徴の病気です。

 

 

 

 

 

「100人に約1人はかかる」という、「人類最大の病気」と言われています。

 

 

 

 

 

統合失調症については、治療方法も昔とは大きく変わっています。

 

 

 

 

 

かつては、統合失調症は治らないというイメージが強くありましたが、今では4人に1人の方は、跡形なく治ります。

 

 

 

 

 

また、半数の方は、ある程度の痕跡を残しながらも普通の社会生活が可能です。

 

 

 

 

 

一般に考えられているよりもずっと見通しの明るいものです。

 

 

 

 

 

精神的病気に対する偏見

 

 

 

 

 

統合失調症については、病気の治療もさることながら、社会的偏見との戦いのほうに苦労することが多いです。

 

 

 

 

 

W子さんの場合、最初に受診した医療機関で「統合失調症です」と言われ、親が動転してしまい、治療が中断したままになっていました。

 

 

 

 

 

「精神病の人は、自分は病気ではないと考えている」とよく言われますが、初期のころはみな、自分の症状に悩み苦しんでいて、治療を望んでいます。

 

 

 

 

 

入院中心から外来中心に変わった精神科医療

 

 

 

 

 

精神科医療は、昔とは大きく変化しました。

 

 

 

 

 

それはクスリが発達したことにより、幻覚や妄想、精神運動性興奮などの華々しい病的症状が、ほとんどクスリで取り除くことができるようになったためです。

 

 

 

 

 

その結果、従来入院中心であった精神科医療は、現在では外来治療中心に大きく変わってきています。

 

 

 

 

 

「体はどこも悪くない」と言われるのは無駄ではない

 

 

 

 

 

事例

 

 

 

 

 

腹痛、発熱、倦怠感で入院して10日になるZ君(小学6年生)

 

 

 

 

 

今、入院している長男のことで悩んでいます。小学校5年生の3学期から、腹痛とだるさを訴えるようになりました。

 

 

 

 

 

6年生になってから症状がひどくなり、熱も出て、本人が「入院して体を完全に治したい」と言いますので、近くの病院に入院させました。

 

 

 

 

 

いろいろ検査をしてもらったのですが、特にこれといった異常は見つかりませんでした。

 

 

 

 

 

主治医の先生は、朝回診に来られて、「元気か?」と一言二言声をかけてくださるだけで、カウンセリングのようなことはしていただけません。

 

 

 

 

 

そのことをお尋ねしますと「僕は心理的なことは専門ではないので・・・・」と困惑した顔をされてしまいました。

 

 

 

 

 

入院してもう10日になりますが、今後どうしたらいいのでしょうか。(40代・母親)

 

 

 

 

 

検査入院はできるだけ短く、本来、外来での検査で十分

 

 

 

 

 

Z君の腹痛、発熱などについては、体にはどこも異常が見あたらなかったので、心理的なもの、すなわち心身症状です。

 

 

 

 

 

腹痛や発熱などが心理的なものからきているということを確認することは大切なことです。

 

 

 

 

 

しかし、外来診療で十分で、入院の必要はありません。

 

 

 

 

 

体に異常がないことを子供といっしょに喜ぶ

 

 

 

 

 

医療機関を受診して、「体はどこも悪くない」と言われたとき、子供は嘘をついたようで後ろめたい気持ちになるものです。

 

 

 

 

 

そのため、親や周囲の対応がきわめて大切になります。心の問題と言われ、親も途方にくれ、「もっとしっかりしなさい。気持ちの持ち方よ。少しサボリ癖がついたのと違うの!」と親のイライラを子供にぶつけたくなるものです。

 

 

 

 

 

その対応は良くありません。禁物です。

 

 

 

 

 

こんな場合には、「よかったね。体には大きな病気はないそうよ。お母さん、心配したよ。体に悪いところがなければ大丈夫よ。お母さんもお腹が痛くなることはよくあるから」と子供の気持ちを和らげ、子供といっしょに喜ぶことが大切なポイントです。

 

 

 

 

 

心の問題について

 

 

 

 

 

〇 高校生から20歳前後は、統合失調症や気分障害(躁うつ病)などの病気の発症時期です。今はクスリが進歩していますので、外来治療が主体です。跡形なく治る人も少なくありません。

 

 

 

 

 

〇 広汎性発達障害(自閉症障害、アスペルガー症候群など)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害は、脳器質性障害であり、親の育て方によるものではありません。

 

 

 

 

〇 躁うつ病は治る病気です。今の状態は一時的なものであり、必ず元通りになるという確信を持つことが大切です。

 

 

 

 

〇 思春期・青年期は精神的病気の発症時期です。親の病気の理解が、子供のその後を決定します。外聞や体面よりも、子供の幸せを第一に考えましょう。

 

 

 

 

〇 精神病の方は、平成5年に障害者として認定されました。さまざまな医療・福祉施策が受けられます。そのことで、生活が大きく変わります。そのためには、まず親が病気を受け入れる必要があります。

 

 

 



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