不登校・ひきこもりとチック症
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不登校・ひきこもりとチック症

2019年04月21日(日)2:04 PM

関東自立就労支援センターへ寄せられる相談の中ではチック症はよく出会う症例です。この場合、子どもたちにはまばたきを繰り返したり、頬をぴくつかせたり、首を振ったりする症状があらわれます。





幼児や小学生に多発すると言われているのがこのチック症です。





医学的には、ある部分の筋肉が急速に動くために起こる障害だと説明されていますが、わたしの体験では親が子どもたちの心を推し量り、その思いに寄り添ってあげることができればほとんどの子どもが快方に向かいます。





関東自立就労支援センターの相談室にやってきた小学3年生のE君もチック症状がたびたび起きる子どもでした。





E君は母親に連れられてやってきました。いろいろな話をする中で、E君がぽつりとつぶやきました。





「僕はおねえちゃんと寝んねするから、お母さんはお父さんと寝なさい!」これを聞いた母親は、「大丈夫よ。今日はお母さんと寝ようね」と答えました。






話が進むうちに、わたしはE君のつぶやきが両親の仲を子ども心に気づかっての言葉なのだということがわかりました。





「両親の不仲」は、子どもにとって大きなストレスです。親は子どものことを気遣って、そのことを必死になって隠そうとします。





でも、敏感な子どもたちは、両親の間に生まれた心の溝に気づきます。そして、子どもにはその溝の深さはわかりません。





その原因も具体的に知ることができません。そのことがかえって子どもの不安な気持ちをかきたててしまいます。





E君のつぶやきは、懸命に両親の距離を近づけさせようとして少し照れながら母親に対して言った「命令」だったのです。





実は、E君の母親は、父親と向き合うことから逃げて息子であるE君に期待を寄せることで、夫への不満を埋め合わせしようとしていました。





母親も、相談の中で徐々にE君の気持ちがわかってくると、彼の言葉をかみしめながら「そういえば・・・・」と現在は中学1年になるE君のお姉さんが幼稚園のころ母親につぶやいた言葉を思い出しました。





「あの時、長女がこんなことを言ったんです。『おかあさん、もうペン(たたく)しなくてもいいよ。わたし、お母さんが言葉で言ってくれればわかるよ』いま振り返ると、長女はわたしの苛立ちを見抜いていたんですね。





長女に非がないのに、八つ当たりしてしまったわたしに、『ペンしなくてもいいよ』と優しく言ってくれていたんです。





でも、わたしは長女のそうした気持ちもわからずに、『言葉で言ってもわからないから、手が出てしまうんでしょ』と叱りつけていました」





母親は、E君のお姉さんが「自分が悪い」と間接的な表現で母親をかばった彼女の健気さにようやく気づき始めたのです。





親として常に子どもをリードし、守り、導いていきたいという責任感は重要です。ですが、そうした気持ちが強すぎると、子どもたちが発する親を気づかったつぶやきを素直に聞くことができないのかもしれません。





子どもから親としての未熟さを指摘されたと思ってしまうのでしょうか。母親が高飛車に子どもに当たってしまうのは、そうした親の焦りが起因していると思います。





子どもは心で親と接しています。心の中で親のプライドを傷つけてはいけないと思っています。それがときに唐突な甘えとなったり、ふざけとなってあらわれるのです。





「お父さん、お母さん、いまのままでいいよ。がんばらなくてもいまのお父さん、お母さんが大好きだよ」という子どもからのメッセージが、E君姉弟のつぶやきだったのです。





「わたし、Eたちの気持ちとずいぶんすれ違った返事をしていたんですね」母親は、E君のチックの意味がようやく理解できたようでした。





E君はためこんでいた気持ちをチックでしか吐き出せなかったのです。





心の歪みがチックという身体の症状としてあらわれていたのです。関東自立就労支援センターの相談室を訪れた子どもたちの多くのケースでは、親が子どもの心の歪みに気づき、その心に寄り添えたとき、チックの症状がうすれていき、自然に快方へ向かいました。





症状の奥には、子どもたちのメッセージが隠されています。親がその意味をどれだけ早期に発見して理解できるか、その必要性をいつもわたしは痛感させられています。





ストレスが身体に変調をもたらした「心身症」





「心身症」は、まさに心の歪みが原因で身体に症状があらわれている状態です。代表的なものとして、慢性胃炎、過敏性大腸炎、神経性食欲不振症、チック症などがあげられます。





胃や腸などの消化器官はストレスに反応しやすいので、「ストレスを映す鏡」だと言われることがあります。





わたしたち大人の場合ですと、ストレスが原因で胃炎や胃潰瘍になったりします。





「最近、ストレスで胃をやられちゃってね」と言うお父さんたちは多いはずです。子どもでもストレスが過剰にかかると慢性胃炎になります。





ただし、そこまでいかない場合のほうがむしろ多いようです。繰り返し腹痛や下痢を訴えるのですが、症状が比較的軽く、しばらく安静にしていると回復するような場合です。





心配して親が病院に連れて行っても、身体的な異常は出てこないということがよくあります。





これはストレスが原因で腹痛や下痢を起こしている可能性が高く、「心因性」の腹痛や下痢だと理解したほうがいいようです。





親が気にしすぎて受診を繰り返させると、そのことがかえって子どものストレスとなり、症状を悪化させる場合があるので注意が必要です。





ただ、逆に「ちょっとくらいお腹が痛いのはがまんしろ」と思って放っておくと、長期化してしまうケースも出てきます。





いずれにしても、子どもは「おなかが痛い」と訴えることが多いものです。





病院で診断してもらって異常がないときは、ストレスが大きく起因していると疑ったほうがいいと思います。





子どもの訴えは、心の歪みのサインです。その訴えの背後にある子どもたちの気持ちや思いに耳を傾けることがなにより大切だということを忘れないようにしましょう。




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