発達障害の子どもの学校生活
今、発達障害の子どもたちが増えています。小・中学校の養護教諭の先生方との勉強会で、「『自閉症』と診断されている児童・生徒がいる学校の先生、手をあげていただけますか」と尋ねたところ、ほとんどの先生が手をあげられました。
そのような状況を受けて、2005年度から「発達障害者支援法」が施行され、小・中学校では特別支援教育が始まっています。
同法では、発達障害者を以下のように定義しています。
「この法律において『発達障害』とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう」
この定義にありますように、これらの障害は脳器質性障害で、親の育て方によるものではありません。
また、幼児期にもっとも診断がつきやすいのが特徴です。
軽度発達障害の子どもたちは、高校生年代になり表面化する
発達障害にはいろいろなタイプがあります。また、その重症度もさまざまです。
重度の障害がある場合は、幼児期に気づきますが、軽度のケースの場合は高校生年代まで、親も先生も気づいていないケースがほとんどです。
軽度発達障害の子どもたちの特徴のひとつは、「孤立したり、いじめられたり、・・・・」とかなりひどい状況にもかかわらず、学校を休まないことです。
そして、高校生年代になって、表面化するケースが多いです。
高等学校の養護教諭の先生方との事例検討会に提出される事例を調べてみますと、5人に1人は軽度発達障害の子どもたちでした。
わたしが気になっているのは、高校生になって学校から勧められて病院を受診するまで、ほとんどの親が子どもの障害について何も知らないことです。
発達障害の子どもたちは、幼児期にもっとも典型的な症状を示します。
ですから、早期発見・早期支援が望まれます。
発達障害の子どもたちの特徴的な症状
〇 広汎性発達障害(PDD)の典型的な症状
自閉症障害やアスペルガー障害などが属する広汎性発達障害(PDD)の症状は、①目と目を合わせ見つめあう、顔を見るとにっこりする、抱くと体を寄せてくる、などの人との親密性を表現する機能が質的に障害されていること。
②ごっこ遊びやルールのある遊びができないなど、コミュニケーションの質的な障害。
③特定のものに異常に興味を示したり、特定の習慣や儀式にこだわり変化を極度に嫌がるなどの、限定された反復的で常同的な様式の3つです。
聴覚や視覚、空間把握の異常も指摘されています。
成人した軽度発達障害の人のコミュニケーション上の特徴は、言葉の裏に含まれるニュアンスが読み取れないことです。
注意欠陥/多動性障害(ADHD)
ADHDの子どもの特徴的な症状は、多動と衝動性、および注意力が持続しないことです。
「人間にはあるものに集中しているとき、他の刺激が入ってきても受けつけない能力が備わっている」ことが、ADHDの子どもの研究からわかってきました。
ADHDの子どもたちが「凧の糸が切れたような、あるいはエンジンがかかったような、無目的な多動」を示すのは、次から次へと入ってくる外界からの刺激をすべて受け止めてしまうために、それらの刺激に振り回されて動き回るのだと考えられています。
多動は、小学校低学年の頃から目立たなくなります。一方、注意力が続かない点は持続するといわれています。
学習障害(LD)
学習障害(LD)は、学齢期になり、いわゆる勉強が始まってから明らかになるものです。
誰でも得意な分野と不得意な分野がありますが、LDの子どもたちの特徴は、得意不得意の差が極端に大きいことです。
不登校と心と体
〇 心と体は深くつながっています。体の症状として心のSOSを発することは珍しくありません。
〇 原因が心理的なものでも、腹痛や頭痛、倦怠感などの体の症状は、本人が感じているもので、うそをついているわけではありません。
〇 症状には必ず意味があります。なぜ、体の症状として訴えなければいけないのか、考えましょう。親子でカウンセリングを受けることが子どもへの理解を深めます。
〇 完璧指向、〇×指向で育てられた子どもが精神的不調に陥ったとき、心のSOSの表現形として出す症状が強迫症状です。
〇 パニック発作や過呼吸発作は、最初はびっくりしますが、繰り返す中で自分なりの対処方法を見つけ、発作が起こっても「大丈夫」と思えるようになると、自然に治まってきます。
〇 思春期心性の根底に流れるのは、将来に対する不安です。パニック障害では、カウンセリングを受けながら、自分自身を見つめなおすことが回復の助けになります。
〇 広汎性発達障害(自閉症障害、アスペルガー症候群など)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害は、脳器質性障害であり、親の育て方によるものではありません。
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