ストレスは性格の短所を肥大化させる
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ストレスは性格の短所を肥大化させる

2019年04月09日(火)11:36 PM

性格の半分は遺伝的な影響を受けています。生来、内気で神経質な子どもに向かって、無理やり「社交的になれ」と命じるようではかえってストレスがたまり、逆効果になります。

 

 

 

 

 

積極的にリーダーシップを発揮している子どもに対して、自己主張の部分を一方的に抑えこんでしまうと、自分の感情を表現できない子どもに育つ可能性が出てきます。

 

 

 

 

 

これでは、子どもの長所をつぶしてしまうことになります。ストレスが性格に与える問題は、子どもの性格を変えるということではなく、性格の短所が大きくなることにあるのだと思います。

 

 

 

 

 

ストレスが性格の短所を肥大化させてしまうところが問題なのです。

 

 

 

 

 

「ストレスによって、いい子が困った子に変わってしまう可能性がある」とでも言ったらいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

聞き分けのいい内気さが、「何も言えない弱気な子」になり、神経質で優しかった性格が、「他人の目を気にして、ものごとにこだわる子」になり、几帳面な性格が、「あいまいなことに耐えられない子」になってしまうのです。

 

 

 

 

 

また、積極的で明るい性格が「でしゃばりでわがままな子」になり、負けず嫌いな性格が、「自己主張を曲げない頑固な子」になってしまうのです。

 

 

 

 

 

ですから親としては、ストレスによって性格の短所を肥大化させないようにすることが何より大切なことです。

 

 

 

 

 

そして、そのポイントが”コミュニケーション能力”にあるのです。

 

 

 

 

 

内気な子どもでも、自分の気持ちや思いを素直に吐き出せるようになれば、ストレスをためずに”キレる”ところまで追い込まれずにすむのです。

 

 

 

 

 

「僕は引っ込み思案なんだけど、友だちになってくれるかな」、「わたし、細かなことが気になってクヨクヨしちゃうところがあるの」と言えたら、子どもの気持ちはどんなに楽になれるでしょう。

 

 

 

 

 

自己主張が強い子どもでも、集団の中で他者と折り合える術を身につけていれば、”キレる”ところまで孤立感を深めることはないでしょう。

 

 

 

 

 

「わたし、さっきは言いすぎたわ。ごめんなさい」、「俺、勉強は得意だけど音楽はまるでダメなんだ」と欠点や弱点をじょうずに吐き出せれば、燃え尽きたり絶望感をひとりで味わうことはないはずです。

 

 

 

 

 

わたしは、講演や面接のときにたびたび「せめぎ合って、折り合って、お互い様」という言葉を使います。

 

 

 

 

 

「ぶつかりあって、歩み寄って、お互い様」の当たり前の関係を身につけることができれば、学校、会社、社会という人間関係の中でつまずいて孤立してしまうということが避けられるのではないかと思っているからです。

 

 

 

 

 

わたしはこのことを皆さんに知ってもらいたいと思い、この言葉を何度でも使うようにしています。

 

 

 

 

 

人が生きていくうえで大切な”命綱”は、学歴や財産や名誉ではありません。孤立しない人間関係の術を獲得しているかどうかです。

 

 

 

 

 

人と紡ぎ合う手立てを失い、孤立したときに「仲間に入れて」というひと言が気張らずに言えるかどうかです。

 

 

 

 

 

そして、この能力は生まれながらにして持っているものではありません。また、当たり前に身につくものでもありません。

 

 

 

 

 

子どもの育て方、自分自身の心がけによって後天的に身につくものです。

 

 

 

 

 

後からでも習得できるという意味では、この能力を「コミュニケーション・スキル」と言い換えてもいいかもしれません。

 

 

 

 

 

このスキルは、ケンカして仲直りするプロセスの積み重ねの中で、人との距離感、間の取り方、親しさを学んで習得していくものです。

 

 

 

 

 

「学ぶ」という意味で、こうした営みは、「コミュニケーション・ワーク」と呼ぶこともできると思います。

 

 

 

 

 

この「学び」は、学校の「勉強」よりも大切なことです。これを怠るとキレやすい子どもとなって、親や周囲の大人だけでなく、自分自身を苦しめることになります。

 

 

 

 

 

このコミュニケーション・ワークは、人と人がまず本音を引き出しあうことから始まります。

 

 

 

 

 

本音の多くは、愚痴、甘え、迷惑、ときには悔しさとしての悪態を出し合うことです。

 

 

 

 

 

こうしたことができるのは、互いを信頼し、尊重できるという期待があるからです。

 

 

 

 

 

そして、そのうえで歩み寄り、譲り合い、近づきあう努力をします。人はわかりあう、信じあう努力をすることなく向き合う意味はないと思います。

 

 

 

 

 

この努力の中で、相補的(葛藤)コミュニケーションが身につくのです。

 

 

 

 

 

この努力には、ある意味で「あいまいさ、わずらわしさ、不純さ、いいかげんさ」が必要です。

 

 

 

 

 

自己中心的で一方的なコミュニケーションでは、自分の意見、気持ち、感情を”調整”する必要はありません。

 

 

 

 

 

でも、人と人が互いを尊重し合おうとすれば、白黒で決着をつけることができない「あいまいさ」や、歩み寄りに手間ひまかかる「わずらわしさ」に耐えなければなりません。

 

 

 

 

 

そして最後に、こうした努力を通して人と人は善し悪しに関係なく絡み合い、互いの気持ちを聴き合う中で、”つながり”を実感し、「お互い我慢したり、させたりしている」という関係に気づきます。

 

 

 

 

 

この互いの弱点や不合理を見逃しあうことが、「お互い様」ということです。

 

 

 

 

 

例をあげましょう。自分のことだけ考えればいいのが「一人称」だとすれば、人と人が絡み合う関係は「二人称」、「三人称」の世界です。

 

 

 

 

 

「わたしはこう思います」と人に話したとき、「いや、それは違う」、「わたしはそうは思わない」と否定されることがあるのが、二人称の世界です。

 

 

 

 

 

一人称と比べると、面倒で、うっとうしくて、やっかいな関係です。

 

 

 

 

 

でも、話を続けるうちに、「やっぱりあなたの言うことが正しいね」、「へえ、そんな考え方もあるんだ。おもしろいね」、「あなたと話せてよかった」という返事が戻ってきます。

 

 

 

 

 

また、あなた自身が、「なるほど、相手の言うことはもっともだ。勉強になった」と感じる瞬間があります。

 

 

 

 

 

ひとりで「わたしはこう思う」と思っていたときより、新しい発見があり、人と人とのつながりを実感できる喜びがあります。

 

 

 

 

 

人と人との絡み合いの中で、「学ぶ」というのはこういうことです。

 

 

 

 

 

人は人と絡み合って、向き合って、やっと自分の位置や他人の位置がわかるようになるのだと思います。

 

 

 



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