いじめ~教師と親からの見え方~
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いじめ~教師と親からの見え方~

2019年03月30日(土)12:50 PM

いじめに潜む悲劇の一つは、いじめられている側の被害認識と、いじめている側を含めた周りの子どもたちや親・教師の間との認識のズレにあります。

 

 

 

 

 

このズレが、いじめにさらされている子どもを追い詰めていくことも少なくありません。

 

 

 

 

 

行き過ぎた行為に対して、高見から事態を認識し制御できる子どもや、指導・監督できる大人の存在は、いじめの抑止に不可欠です。

 

 

 

 

 

なかでも教師の存在は大きいです。いじめは見えにくいものですが、日本の教師は可能な限りサインを汲み取り、情報を把握するための努力を重ねていることが私たちの調査からもうかがえます。

 

 

 

 

 

たとえば、いじめられた子どものなかで、被害を受けたことを教師に相談するのは四分の一程度です。

 

 

 

 

 

しかし、同じ子どもたちに、自分がいじめられていることを教師は知っているか尋ねてみると、五二・二%の子どもが知ってくれていると答えています。

 

 

 

 

 

言い換えれば、教師が認知しているいじめ被害の半分は、当事者以外からの情報や状況の認識に拠っていることになります。

 

 

 

 

 

海外と比較してみると、イギリスでは被害児童生徒の四三・九%が教師が知ってくれていると答えています。

 

 

 

 

 

取り組みが先進的だとされているイギリスに比べても、日本の教師の認知率は高く、評価すべきです。

 

 

 

 

 

それでも、当事者の苦しみを汲み取りながら、いじめがあったかどうかについて教師が判断することは容易ではありません。

 

 

 

 

 

いじめに関連して自殺が起きると、学校がいじめを認識していなかったことが表面化することが多く、教師のいじめへの対応が批判の対象となりがちです。

 

 

 

 

 

しかし、社会学者を中心としたある全国調査の分析によれば、実態を知った教師の八割はいじめをなくそうとしてくれたと、いじめられた子どもたちは答えています。

 

 

 

 

 

また、その結果、六五・三%の子どもが、「いじめはなくなった」「いじめは少なくなった」と答えており、「ひどくなった」と答えた子どもは六・五%でした。

 

 

 

 

 

教師が介入するとかえって事態が悪化すると思われがちですが、この調査結果は、そうした思い込みが誤っていることを示唆しています。

 

 

 

 

 

親からの見え方

 

 

 

 

 

親は自分の子どものいじめについて、どれだけ知っているのでしょうか。

 

 

 

 

 

同じ全国調査で社会学者や大学教授が、子どもにいじめ被害があるケースを分析したところ、親が被害を認知している割合は二七・五%であり、七割強の親は知りませんでした。

 

 

 

 

 

男の子でも女の子でも、また、小学生でも中学生でも、結果には大きな差が見られませんでした。

 

 

 

 

 

多くの場合、親がいじめを知るのは子どもから打ち明けられたり、子どもの言動や振る舞いからサインを読み取ったりすることによります。

 

 

 

 

 

しかし、知らなかったという親が七割強に達することは、親子関係の緊密さ、親子間の意志の疎通の十分さの点で問題があることが察知できます。

 

 

 

 

 

それでは、いじめた側の親の認知はどうでしょうか。上記の調査によれば、いじめた子どもだけを取り出して親の認知率を計算したところ、子どもの加害を知っている親は七・三%であり、被害側よりもかなり低い数値にとどまっています。

 

 

 

 

 

言い換えれば、自分の子どもがいじめたことを知らない親は九割を超えています。

 

 

 

 

 

この全国調査に参加していた大学教授はこう指摘しています。

 

 

 

 

 

「親がいじめ加害を認知して、いじめ防止策を講じることはきわめて重要であるが、一般に加害者はその行動を周囲から隠すため、親に加害認知を求めすぎるのは酷であろう。子どもへの関心という点で問題がある場合もあるが、いじめ加害の把握は、地域社会や学校の役割である」。

 

 

 

 

 

この調査結果からも、「親ならば知っていて当たり前」ではない現実を、学校は自覚しなければなりません。

 

 

 

 

 

また、学校や地域社会がいじめ加害を親に報告し、家庭での対応や協力を求めたとき、「うちの子に限って」とか「いじめられた子が悪い」と非協力的な態度を露にし、挙げ句には「学校が悪い」と攻撃的な態度にでる保護者が一部ながら見られることも事実です。

 

 

 

 

 

そこには、家庭でのコミュニケーションの問題だけでなく、いじめが人間として許せない行為であるという倫理観の欠如が見られ、家庭教育に問題があると言わざるをえません。

 

 

 

 

 

社会的な責任倫理の醸成が、家庭教育のなかでも、また、社会全体としても必要なときにきています。

 

 

 



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