アパシーと関連があるひきこもり
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アパシーと関連があるひきこもり

2019年03月21日(木)3:52 AM

青年期のひきこもりの主な要因としては、アパシー性の無気力がまず考えられます。

 

 

 

 

 

この無気力・無感動に支配されている青年の行動特徴として、困難が予想される状況(例、失敗、恥をかく、責められる等)を回避し、葛藤場面に直面をしないという独特の逃避的回避行動を示します。

 

 

 

 

 

問題に対処できない状況の深刻さを否認し、その場しのぎの安易な約束をし、問題状況を回避し続けます。

 

 

 

 

 

たとえば、学校や職場などで試験・発表など自分が試される状況や難しい対人関係に直面した際に、学校や職場を休むことで状況を回避しようとします。

 

 

 

 

 

また、回避行動を指摘された場合、次回はちゃんとすることを約束するも再び問題を回避する行動を繰り返し、結局は一貫性のない分裂した行動を取り続けることが多くなります。

 

 

 

 

 

このタイプの青年の性格傾向として、「常にきちんとしていて、人からは肯定的に見られていたい」という適応強迫的な自己愛性を持っています。

 

 

 

 

 

そのため、他者からの批判や非難には非常に敏感で、そのような危険性のある場面を選択的に回避するようになります。

 

 

 

 

 

その結果、しだいに現実場面を避けて自室にひきこもるようになっていきます。

 

 

 

 

 

ただし、抑うつが関連するひきこもりのように全面的なものではなくて、自らが非難・批判される場面の選択的回避が中心であり、そのような危険性がないことが確認できれば外出もできます(選択的・部分的ひきこもり)。

 

 

 

 

 

アパシーは、当初、日本の大学生に独自な無気力であるスチューデント・アパシーとして注目されました。

 

 

 

 

 

それがしだいに、青年期のアパシー性のパーソナリティ障害の問題として幅広く論じられるようになってきています。

 

 

 

 

 

このような無気力は、大学生では珍しくない現象としてそれほど問題にならず、最近は、無気力型の不登校生徒の長期化した場合のひきこもり状態や、不安定就労(パートやアルバイト)しかしないフリーター青年、そして、「職に就かず、学校機関に所属せず、そして就労に向けた具体的な動きをしていない」ニートと呼ばれる青年にも見い出される心性であることが指摘されています。

 

 

 

 

 

自己愛と関連があるひきこもり

 

 

 

 

 

同一性が拡散した現代社会では、同一性と結びついた自我理想を社会の多くの人々が共有することが困難な時代になっています。

 

 

 

 

 

したがって彼らの自己愛は、自我理想への同一化によって満たされるようなものではなくて、むしろそれぞれの個人的・直接的な自己愛の満足によって満たされるものに変貌しつつあります。

 

 

 

 

 

たとえば、よい学校に入って周囲から羨望や賞賛を浴びること、有名になること、あるいは美しい身体や容姿を褒め称えられることなど、きわめて直接的な自己愛の満足がその人の唯一の生きがいになっていると考えられます。

 

 

 

 

 

このような自己愛的な思春期心性とひきこもりを関連させるならば両極端のタイプが考えられます。

 

 

 

 

 

一つのタイプは禁欲的な自己愛のひきこもりです。

 

 

 

 

 

アンナ・フロイトが思春期心性の一つとして特有の禁欲主義と知性化をあげていますが、その現代版について、小此木啓吾氏「ひきこもりの社会心理的背景」(岩崎学術出版社)は「受験へのひきこもり」あるいは「音楽・スポーツへのひきこもり」と記述しています。

 

 

 

 

 

とにかく見かけ上は、大人社会が設定するルートに乗って適応的に暮らしています。

 

 

 

 

 

そして、それは自分の意思による能動的なひきこもりです。

 

 

 

 

 

しかし、彼らは本当の意味での情緒的な対人関係に乏しく、同世代の仲間にもとけ込んでいませんし、一体感も得られているわけではありませんが、外から見るかぎり生き生きと活動しています。

 

 

 

 

 

なぜなら、活力源となる自己愛が一応満たされているからです。

 

 

 

 

 

しかし、受験に失敗したり、幼い頃より抱いていた夢(一流音楽家・一流スポーツ選手になるという夢)が破れて挫折すると、彼らは急激に活力を失ってしまいます。

 

 

 

 

 

このときはじめて、それまで仲間や集団との関わり、そして男性(女性)として愛の葛藤などに対する適応の術を身につけてこなかったことが明らかになります。

 

 

 

 

 

このような自己愛の破綻による病的ひきこもりは、不登校の無気力状態として、あるいは種々の発達段階でも生じます。

 

 

 

 

 

もう一つの身体化や行動化による自己愛の満足タイプは、摂食障害や境界性パーソナリティ障害の人に見られます。

 

 

 

 

 

これらの病的な自己愛もまた、最終的に無気力、ひきこもりの状態を作り出す可能性が高いです。

 

 

 

 

 

スキゾイドと関連がある同調的ひきこもり

 

 

 

 

 

周囲との摩擦や意見の対立を避け、見かけ上、その場その場であたかも周囲と同調しながら適応していく人がいます。

 

 

 

 

 

それは同調することによって、より深い人との関わりや周囲との適応上の葛藤を引き起こすことを回避する特有の適応様式となっているのです。

 

 

 

 

 

しかし、これらのスキゾイドパーソナリティの人々のなかには、未熟で協調性を欠くために家の外での集団や仲間とうまく関われない人が存在します。

 

 

 

 

 

思春期青年期の発達途上で母親からの分離個体化の過程における自己愛へのひきこもりの際に、それまで以上に病的なスキゾイド状態に落ち込む場合もあります。

 

 

 

 

 

このような同調的なひきこもりでは、表面的には周囲の人に合わせて適応的な態度をとっていても、確固とした自分というものがなく、空虚感や対人的な葛藤を抱えており、周囲に合わせることに無理が生じた場合にひきこもりに転じることが示されています。

 

 

 

 

ここまでアパシー・自己愛・スキゾイドと関連のあるひきこもりのタイプを見てきました。

 

 

 

 

 

この三つの概念は、健常な範囲内でのアパシー(自己愛・スキゾイド)という心性すなわち性格傾向や発達危機的なものから、重篤な病理と密接に関係するパーソナリティ障害までの広いスペクトラムが存在します。

 

 

 



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