ひきこもりの社会的背景
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ひきこもりの社会的背景

2019年03月17日(日)11:05 PM

高度経済成長の時代を経て、日本の社会状況は大きく変わりました。

 

 

 

 

 

その変化の内容も、核家族化の進展、個人主義の台頭、権威の失墜、地域社会の崩壊といった社会構造的な変化から、母親の溺愛(甘やかし)、父親の存在感の希薄化(父権の弱体化)、叱れない大人といった家庭生活上の変化まで、ありとあらゆることがらにわたっています。

 

 

 

 

 

では、そうした変化の中を通り抜けてきた今日の日本の社会は、どんな社会なのでしょうか。

 

 

 

 

 

現代は、超安定企業だった会社が倒産してもおかしくない時代です。

 

 

 

 

 

産業構造の変革の中で、誰かれなしにリストラの荒波の中に押し出されていきます。

 

 

 

 

 

将来を支える社会のシステム(年金、介護等)が不透明で不確かであり、信じられるものが容易には見つかりません。

 

 

 

 

 

かつての親の願いには、もはや時代の裏づけがありません。

 

 

 

 

 

親がこれまでよかれと思っていた価値観なり生き方というものが、子どもの心には届かない、そういう時代なのです。

 

 

 

 

 

「自信と信用を失ってしまった社会」・・・・・・・今の日本社会は、そう呼ぶこともできそうです。

 

 

 

 

 

「今の時代の真実味」

 

 

 

 

 

昔のスチューデント・アパシーは、勉強はどうも気が乗らないな、でも友達と会うのはいいんだという部分的、選択的なものでした。

 

 

 

 

 

しかし、今のひきこもりの若者たちは対人関係全般、社会関係全般の回避となっています。

 

 

 

 

 

まるで、自分はどう振る舞ったらいいのかわからないとでも言っているようです。

 

 

 

 

 

若者たちは、親世代が作ってきた、そして今自分たちに手渡されようとしている、はなはだ不透明な社会の手前に立っています。

 

 

 

 

 

今は、約束された将来なんてどこにもありません。

 

 

 

 

 

だから、「しっかりしろ」「これから先のことを考えろ」などと言われても、子どものほうでも困ってしまいます。

 

 

 

 

 

先が見通せない、出口が見えない、今の時代の真実味が実感できない、そういう状況が果てしなく広がっていく、そんな不気味さを感じます。

 

 

 

 

 

「ダメ」と言われることがない?

 

 

 

 

 

今はみんなが自分の立ち位置を決めにくい状況に置かれ、自分はどう振る舞ったらいいのかわかりにくい時代にいるわけです。

 

 

 

 

 

何か挫折体験があると、どっちを向いたらいいのかわからなくなって混乱して、立て直しがきかなくなってしまうのは当然のことかもしれません。

 

 

 

 

 

では、今何が必要なことなのでしょうか。よくこんなことが言われます。

 

 

 

 

 

○今の子どもは耐える力(忍耐力)が足りない。我慢ができない。だから、我慢する体験をさせることが必要だ。

 

 

 

 

 

○今の子どもは甘やかされてきており、ダメだと言われることがない、限度を知らない。だからもっと厳しさが必要だ。

 

 

 

 

 

○今の子どもは何でも親が手を貸してしまうから、いざというときに耐えることができない。親は子どもをはね返す壁のような存在にならなければならない。

 

 

 

 

 

○今の学校教育は差別をしない。誰でもやればできると言われる。悪平等主義が、子どもを鍛える機会を奪っている。だから、教育にもっと競争原理を持ち込まなければならない。

 

 

 

 

 

これを聞いていると、まるで子どもたちにもっと挫折しなさいと言っているかのようです。

 

 

 

 

 

でも、この上、どこまで子どもを苦しめたらいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

今の子どもはダメだと言われることがないというのは真実ではありません。

 

 

 

 

 

子どもはいっぱい「ダメダメ」と言われています。

 

 

 

 

 

大人は、直接「ダメ」という言葉を使うのを避けて、「~のほうがいいよ」「~はどうかな?」と言ってみたりします。

 

 

 

 

 

あるいは言葉を使わず、表情や雰囲気だけで「ダメ」を伝えることもしています。

 

 

 

 

 

子どもがやりたいようにすることは、やんわりと拒否され、大人の思惑の中でしか動けません。

 

 

 

 

 

子どもが親に甘えることが許されるのも、親の思惑の範囲内のことです。

 

 

 

 

 

それから外れる部分は厳しく拒否されてしまいます。

 

 

 

 

 

限度を知らないというのも、今まで親の思惑の中でしか動いたことがないからです。

 

 

 

 

 

どこまでも際限のない子どもの甘えというのは、実際には決して成立していないし、現実には親の限界のところで必ずダメとはねつけられているのです(実際には、親は「これでいいでしょ」と言って押し切ることになるのですが)。

 

 

 

 

 

こうやって、大人の思惑どおりに周囲を満足させる子どもが作られることになりますが、それでは新たな困難に直面したときに自分なりに取り組むことができなくなります。

 

 

 

 

 

あるひきこもりの女性は、「私は、学校で適応できたから、社会に適応できなかったんだと思います」と述べています。

 

 

 

 

 

「いい」と言われることがない

 

 

 

 

 

私は、逆に今の子どもたちは「いい」と言われることがないと感じています。

 

 

 

 

 

だから、今の子どもは自分で自分に「いい」と言ってあげることがなかなかできません。

 

 

 

 

 

自分に対する思いやりの気持ちをもてるようになって、はじめて他人に対する思いもわいてきます。

 

 

 

 

 

それができないと、他人に対しても「いい」と言ってあげることができなくなり、当然のこととして他人に対する思いやりももてなくなります。

 

 

 

 

 

人は打たれることで強くはなりません。人は支えられることで力を得ます。

 

 

 

 

 

ただし、丸ごと抱え込んでしまったら、逆に力も出せずに寄りかかってきます。

 

 

 

 

 

だから、突き放すこともせず、抱え込むこともしないで、互いの間合いを取りながらしっかりと支える子どもとのかかわりこそが、今必要なことです。

 

 



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