ひきこもり相談事例
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ひきこもり相談事例

2019年03月15日(金)1:31 PM

「事例1  32歳男性」

 

 

 

 

 

大学まで親の期待する道を歩いてきました。就職をしましたが、人間関係でつまずいてしまいました。

 

 

 

 

 

以来、あらゆる資格を取るための勉強をしました。しかし、せっかく資格を取得しても、後は何をしたらいいのかわからなくなってしまいます。

 

 

 

 

 

小学生の頃から学校の成績が良いと親から褒めてもらえました。

 

 

 

 

 

両親はあまり仲が良くなく、夫婦げんかが絶えませんでした。男性は、夫婦げんかが始まると部屋の隅にうずくまって、震えながらけんかが終わるのを待っていました。

 

 

 

 

 

学校の成績が良いと母親の機嫌は良かったので、男性は一生懸命勉強しました。学校の好成績だけが唯一、自分を認めてもらえることでした。

 

 

 

 

 

両親や友達に自分の気持ちを話すことはほとんどありませんでした。

 

 

 

 

 

ずっと孤独でした。今は一人暮らしの最低限度の生活を維持していくためにアルバイトをしています。

 

 

 

 

 

仕事で最低限必要なことだけは話しますが、それ以外は人と話すことはほとんどありません。

 

 

 

 

 

対人関係が小さいころから苦手で、人と関われないことがつらいと言います。本当は働きたくないと強く思っています。

 

 

 

 

 

親との関係もあまりしっくりいっていないため、親もとには帰りたくないと思っています。

 

 

 

 

 

この相談者は、約三年前から一人で月に一回面談に来ます。

 

 

 

 

 

「これからどうやって生きていったらいいのか教えてほしい」「人間関係をスムーズに作るにはどうしたらいいのか教えてほしい」と毎回私にしがみつくように第一声を発してきます。

 

 

 

 

 

この男性は、現実の人間関係においては、情緒的に生き生きしたところがありません。

 

 

 

 

 

他者に対して用心深く、信頼感をもてず、孤独で孤立し、過度に感情を抑えています。

 

 

 

 

 

本来、困ったときには親を頼り、助けを求めていいはずなのに親もとには帰ろうとはせず、自力で何とかしようとしています。

 

 

 

 

 

小さいころから甘えの経験が乏しいと男性は言います。それだけに辛さも増大していくようです。

 

 

 

 

 

人が他者に適切に依存し、甘えることは健康な精神生活を維持していくうえで必要なことです。

 

 

 

 

 

この男性は、親に満たしてほしかった甘えの欲求を相談員に過度に求めてきます。相談員に、「これからどうしたらいいのか」と解決策を求めているようではありますが、相談員からの示唆はあまり聞き入れることはなく、怒りと攻撃を強く出すときもあります。

 

 

 

 

男性の怒りや攻撃は、相談員への歪んだ甘えの表現です。自分がいかに大きな悩みを抱えている犠牲者であるかをわかってもらえることを強く望んでいます。

 

 

 

 

 

良い成績を取ることで認められてきたこの男性は、何かを学び良い結果を収めること自体が目標になっていて、それをどう生かすか、何を目指して資格を取ろうとしているかが明確ではありませんでした。

 

 

 

 

 

それゆえ、資格を取ることにかりたてられるように動いたと考えられます。

 

 

 

 

 

この男性は、アルバイトをしていますし、仕事上の人との関わりを持っています。しかし、心を開いた親密な関わりはもてないでいます。

 

 

 

 

 

人間関係が希薄で、孤独感を強めている心理的ひきこもりです。

 

 

 

 

 

「事例2  28歳男性」

 

 

 

 

 

一人っ子です。小学校、中学校は成績はいつもトップでした。高校、大学も希望通り進みました。大学では、東南アジアの国の言語を専攻しました。親に「これからは東南アジアに目を向ける方がよい」と助言されて選びました。

 

 

 

 

 

学んでいるうちに興味は持てたし、成績もよかったようです。大学では友達はあまりできませんでした。

 

 

 

 

 

小さいときは男の子と遊ぶよりも、女の子と遊んでいることのほうが多かったです。積極的に人の輪の中に入れません。自分から進んで何かをしていくことは苦手です。

 

 

 

 

 

いつも、何事も、人から言われたことはきちんとします。学校の成績がずっと良かったのも、言われたことをしっかりやってきたからです。

 

 

 

 

 

大学を卒業して語学力の生かせる商社に就職しましたが、職場では指示を待っているだけでは通用しませんでした。

 

 

 

 

 

社内で上司から、「社会で役に立たないやつだ」「能力のないやつだ」と評価されて挫折しました。自信をなくしてしまい、今は家にひきこもっています。

 

 

 

 

 

外に出るのは、親に勧められた精神科に通院する時だけです。精神科では薬をもらうだけで、あまり医師と話をしません。薬も自分では効いているとは思っていません。

 

 

 

 

 

夜中、近くのコンビニに時々出かけることはあります。父親は、「若いのにだらしがない。もっと強くなれ」とよく言います。

 

 

 

 

 

母親は心配性で、やたらに口出しをしてきます。そんな母親が煩わしくて、最近は大声で怒鳴りつけたり、暴力もふるってしまうことがあります。

 

 

 

 

 

この男性は、素直に親の言うことによく応えてきました。大学を出るまでは、親の指示通りにしていることで良い結果がもたらされていました。

 

 

 

 

しかし、社会に出て主体的な動きを求められたときに、慣れていないことだけにとまどいを大きくしました。そして、完全に自信を喪失し、安全な家にひきこもりました。

 

 

 

 

 

母親に暴力をふるったりするのは、これまでのように親の言われるままに従う自分ではいたくないという意思表示です。

 

 

 

 

 

これまで「いや!」ということを言わずに生きてきた男性にとって、どのように表現したらよいのか適切な方法が思いつかないようです。

 

 

 

 

 

面談で話すことで、自分らしい生き方、自信のもてる生き方を模索していこうとしています。

 

 

 

 

 

今は社会的ひきこもりではあっても、必ずや今の状態を抜け出せる可能性を持っている相談者であると信じて、私は対話をしています。

 

 

 

 

 

「事例3  42歳男性」

 

 

 

 

 

小学校の時からいじめにあって不登校になりました。中学・高校でもいじめられました。親には自分のつらさはわかってもらえませんでした。

 

 

 

 

 

父親は会社人間で、家庭の中では存在感は希薄でした。母親は家の中のこと以外は何もやれない人だと男性は思っています。

 

 

 

 

 

父親には「いくじがない」と罵倒され、学校に行かないので暴力もたびたびふるわれました。そんな時、母親はただおろおろするだけでした。

 

 

 

 

 

現在は、ほとんどの時間家の中で自室にひきこもっています。一日中、カーテンも雨戸も閉めきっています。そして、ほとんどベットに横になってボーッとしています。

 

 

 

 

 

人間関係ではずっと辛い思いをしてきました。精神科の病院に通院しています。高齢の母親が日常生活の世話をしています。

 

 

 

 

 

この相談者の男性は、十年以上前に初めて面談をし、現在も月に一度か二ヶ月に一度面談にやって来ます。

 

 

 

 

 

対面するとささやくような声で、「毎日辛いです」「もう生きていても意味がない」と話し出します。

 

 

 

 

 

しかし、話をしていくうちにだんだん元気のよい声になり、テレビやネットを通して得ている社会情勢や時事問題を話題として語り始めます。

 

 

 

 

 

時には文学を論じたり、映画、美術などについても語ってくれます。ほとんど家の中にひきこもっていますが、時々病院で知り合った友人と出かけている活動的な面をのぞかせることがあります。

 

 

 

 

 

現状を何とかしていこうとする思いはあまりありません。むしろ、相談者にとって、より安全な状況を維持し続けていくことを望んでいます。

 

 

 

 

 

学校生活で味わったいじめの心理的な傷は大きいにしろ、あえて、社会に出ていく意思はありません。

 

 

 

 

 

人間関係で傷つく危険から身を守るためにひきこもっているように思えます。

 

 

 

 

 

「事例4  32歳男性」

 

 

 

 

 

地方の大学で理系の学科を専攻しました。親戚には研究者、医者等がいます。自分だけ低いレベルにいると考えています。

 

 

 

 

 

身内にも、社会的にも認められるようになるには医学部に行くことだと思っています。数年間医学部受験を繰り返しますが、不合格の連続で自信を失っています。

 

 

 

 

 

この相談者は受験勉強が思うように進まず、繰り返す失敗に自信を喪失し、いらだちを募らせていました。

 

 

 

 

 

面談では、両親への不満、親類縁者への羨望を語ることもしばしばでした。私は要求水準を下げて、目標設定の見直しを勧めましたが、相談者の考える医学部へのこだわりは非常に強かったです。

 

 

 

 

 

繰り返す受験の失敗は敗北感、挫折感を強めることになり、ひきこもりの状態に転じていきました。

 

 

 

 

 

親からは強く帰省を勧められ、実家に戻りました。

 

 

 

 

 

実家に戻ってからは親から「働くように」と言われ、アルバイトを始めますが短期間で辞めることを繰り返しました。

 

 

 

 

また、親の勧めで精神科の受診を開始しました。実家に戻っても、「医者以外にはなりたくない、でも勉強はできない」と苛立ちを募らせ、母親に暴力をふるうこともありました。

 

 

 

 

 

そんな折、ある地方の中学校に一年契約で講師として勤めることになりました。教師の仕事は相談者にとっては多大なストレス源になっているようでした。

 

 

 

 

 

相談員に受けとめられ、相談者が確実に努力し、やれているところを支えられながら今直面している課題を少しでも自信をもってやり通すには何をしていくことが考えられるかを相談員との対話を通して気づいていくことで、相談者はかろうじてではあっても職場での役割は果たしています。

 

 

 

 



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