豊かな社会の狭い枠
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豊かな社会の狭い枠

2018年10月13日(土)6:59 PM

「子どもに高望みしたわけじゃない。体が健康で人に迷惑をかけずに独り立ちしてくれればそれで良かったのに」

 

 

 

 

 

私が面談した方から共通して出てきた言葉です。

 

 

 

 

 

「小学校ではのびのび遊び、友達とぶつかりあいながら人間関係の結び方を身につけ、中学に入ったら部活で体を動かし、そこそこ勉強して普通高校に入学する。高校生の間に将来やりたいことを見つけて、給料が高くなくても自分が好きな職種に就職できればそれで十分」、「継がせる財産もないんだから、せめて教育をつけさせるのが親の役目。」というような声もよく聞きます。

 

 

 

 

 

今や大学進学率はほぼ50%ですから、「大学」はもはや高望みではなく「普通の望み」になっています。

 

 

 

 

 

この「普通」のイメージから子どもが外れて不登校になったり、中学から夜遊びしたり、暴力事件を起こすと、親たちは不安に駆られます。

 

 

 

 

 

親たちの「普通」には、中卒や高校中退は含まれていません。

 

 

 

 

 

子どもが将来就くであろう仕事にしても、安定した仕事=ホワイトカラーという思いは根強く存在しています。

 

 

 

 

 

統計から見ても、ホワイトカラー層は40年前は26%と4分の1、今は37%と3分の1を超えています。

 

 

 

 

 

その一方、農業、漁業、林業といった第一次産業は40年前の12%から4%と激減し、職種のバラエティーも減少しています。

 

 

 

 

 

つまり、「普通」の幅が狭まり、子どもの多様性を支える力も減少しているのです。

 

 

 

 

 

大人側の幸せな将来のイメージがやせ細っているばかりに、大学に行かない、高校に行かない、ということが子どもの将来をどんどん縮めてしまっている気がします。

 

 

 

 

 

でも、こうした強迫観念は、日本が世界でも稀に見る安定した豊かな社会だからこそ生まれるともいえます。

 

 

 

 

 

この地球上には、イラクやアフガニスタン、パレスチナなど爆撃に日常生活を脅かされる国々があり、タイやビルマのように貧困のために多くの少女が身を売りエイズに侵されている地域もあります。

 

 

 

 

 

経済的な豊かさを競うアメリカの殺人事件の発生率は、日本の4倍以上です。

 

 

 

 

 

これらの国々からすれば、日本の社会は身を守るのに余計な神経を使わずにすむ安全な社会でもあります。

 

 

 

 

 

人として生を受けたのが、この日本であるということだけでも実はたいへんな幸運です。

 

 

 

 

 

それなのに人々は決して幸せではなく、子どもが学校に行かないというだけで苦悩します。

 

 

 

 

 

日本が安定しているからこそ、人生のモデルコースが狭く強固になってしまって、そのレールから子どもが少しずれただけでも親は不安を抱え、社会も認めないという生きにくさがあります。

 

 

 



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