不登校からのひきこもり
ホーム > 不登校からのひきこもり

不登校からのひきこもり

2018年09月06日(木)3:45 PM

不登校の子どもへの対応

 

 

 

 

 

ひきこもりの人の中には、不登校の真っ最中でのひきこもりと、このひきこもりが社会的ひきこもりへと移行し、20代、30代、またはそれ以上の年代まで続くケースもあります。

 

 

 

 

 

この点を考えると、「不登校」そのものにも目を向ける必要があるのでしょう。

 

 

 

 

 

ここでは、不登校についてお話をしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

1  不登校の前兆

 

 

 

 

 

子どもが不登校になったとき、親は子どもが不登校状態のどの時期に位置しているのかを把握することが、家庭崩壊をさせない指標でもあります。

 

 

 

 

 

各時期によって子どもへの対応、働きかけが違ってくるからです。子どもの言葉、表情、行動のなかのシグナルを理解し、適切に添い対応する必要があります。

 

 

 

 

 

時期としては①前兆、②本格化、③心身の安定期、④登校刺激の必要な時期、の4段階が考えられます。

 

 

 

 

 

前兆段階

 

 

 

 

 

「この頃、どうも様子が違う」と感じたら、親は子どもの行動や表情を観察し始めましょう。子どものストレスが溜まり、自律神経のバランスが崩れ、胃痛、腹痛、身体のだるさ、夜眠れなくなり朝起きられなくなる、アレルギーがひどくなるなどの症状が出始め、学校を休むと言い出します。

 

 

 

 

 

本人としては、最後の力を振り絞り登校しようとしている時期で、心の中は「学校へ行くべきだ」という本人と、「辛くて嫌だ」という本人がいて、大変な葛藤状態にあります。

 

 

 

 

 

病院に連れて行っても何ともないことが多いです。登校時間が過ぎると元気になり、仮病だったのかと思えてしまうような状態がポツリ、ポツリと見え始めると要注意です。

 

 

 

 

 

子ども自身が日々の生活の中でトラブルを積み重ね、対処できずにいる状態にいて、引き金となる些細なことが心にズシンとのしかかってきた時から、本格的な不登校に移行していきます。

 

 

 

 

 

前兆段階の3日~4日が不登校を一時的な短期に終わらせることができるか、長期化させてしまうのかの分かれ目、勝負どころとなります。

 

 

 

 

 

子どもが何らかの症状を訴えた時には医療機関へ連れて行き、心の問題領域なのか、疾病なのかを親ははっきり認識しておく必要があります。

 

 

 

 

 

子どもの不登校の中には、統合失調症やうつ病などの精神障害の初期症状のものがごく少数ながら混じっており、また、精神病でなくても思春期には妄想や奇異な行動を表すことがあり、専門医でも判断の難しい場合が多々あります。

 

 

 

 

 

子どもは1日、2日と欠席日数が増えるにつれ、なぜ休んだのかと訝しがられるのを嫌い、明日もまた休んでしまいたいと連鎖反応的な気持ちがあることを知っておきましょう。

 

 

 

 

 

さらに自分の子どもがどんな性格的遺伝子を引き継いでいるのか、その気質が両親のどのような規制によってどう変化しているのか、両親の性格傾向はどうであるか、両親の育て方が現代を生きる子どもに見合っているか、これらのことを知るということは、子どもが誕生した時から子どもを愛情深い目で見つめる目がなくてはできません。

 

 

 

 

 

本人の生まれ持った気質、家庭環境、地域社会、教育、マスメディア、時代背景と文化など諸々の要素の分野での改善努力が必要だと思います。

 

 

 

 

 

しかし、子どもをしっかり見つめ、見守る姿勢があれば子どもの異変に気づくことは容易なことだと思います。

 

 

 

 

 

その先の判断は前述した内容に親の性格傾向、生育歴が加味され、個別の反応と判断、対応となります。

 

 

 

 

 

ある親は、「幼稚園だから無理に行かせなくてもいい」ということから始まり、小学校、中学校では不登校でも「義務教育だから卒業はさせてもらえるから」と言っているうちに中学卒業の時期になってしまい、本人から「何とかしろ」と言われて相談に来ました。

 

 

 

 

 

2年、3年と状況を長期化させている親の中には、「学校に行かないことを気にしなければ、子どもは安定しているし、親も気が楽なのでこのままでもいいかなと思ってしまう」という人もいます。

 

 

 

 

 

学校は、勉強するためだけに行くのではありません。人間が社会生活を営む動物である限り、学校はその社会生活の訓練の場でもあり、大人になるための勉強の場という要素を合わせ持っていることを親は理解する必要があります。

 

 

 

 

 

また、不登校になる原因の1つと、長期化させる要因の1つに、親の「高学歴偏重」があります。

 

 

 

 

 

一流中学、高校、大学そして一流会社ばかりを良しとした教育をし続けると、子どもはそのルートから外れた自分を価値のない、未来のない者として自分を許すことができず、親を責め、自分自身をも責め続け、結果として問題を長期化させてしまいます。

 

 

 

 

 

また、すべてにおいて親の規制が強く、その管理下に置き続けると、自主性の芽を摘んでしまい、子どもは自分に自信が持てなくなります。

 

 

 

 

 

それがひいては対人関係に自信の持てない、社会に出ることに不安を感じる子どもに育てあげてしまうことになります。

 

 

 

 

 

子どもの異変に気づくということは、自分と子どもとの関わりに気づくことでもあります。両親は子どもとの関係を見直し、ゆがみが出ている場合に修復作業をしていくことが予防の第一歩になるかもしれません。

 

 

 

 

 

そして、思春期に向かっていく子どもへの対策・対応も、自分なりの方法と考えで模索していきましょう。

 

 

 

 

 

不登校の前兆段階のまとめ

 

 

 

 

 

この時期の子どもは、まだ息切れしながら登校しています。しかし、よく観察していると、微妙な変化が表れてきているのがわかります。

 

 

 

 

 

家庭では、次のような変化が出てきます。

 

 

 

 

 

(1)起きるのがだんだん遅くなり、朝、腹痛や胃痛、頭痛を訴えるようになる。

 

 

 

 

 

(2)決まった曜日(月曜日に多い)、教科(体育・音楽等)、学校行事に関係があるような日に登校をしぶる。また、その日に休んだり、遅刻して登校したりするようになる。

 

 

 

 

 

(3)休日前になると元気になる。弟、妹やペットに当たり散らすようになる。母親へのわがまま、甘えが多くなる。

 

 

 

 

 

(4)疲労感、無気力、無力感を訴える。トイレが頻繁になる。

 

 

 

 

 

(5)寝つきが悪くなり、眠りが浅くなる。昼夜逆転が始まる。

 

 

 

 

 

まだ、登校しているので、学校での様子にも変化が見られます。

 

 

 

 

 

(1)友人、仲間と遊ばなくなる(少なくなる)。

 

 

 

 

 

(2)室内での遊びが多くなる。

 

 

 

 

 

(3)時間割、忘れ物を必要以上に気にし始める。

 

 

 

 

 

(4)自信をなくす。(少しの失敗を非常に気にする。決断に時間がかかる)。

 

 

 

 

 

(5)保健室に行く回数が増える(身体の不調を訴えることが多くなる)。

 

 

 

 

 

不登校の前兆段階の対応と対策

 

 

 

 

 

担任の先生は前述の点に注意を向け、クラスの子どもたちの変化に気を配る必要があります。

 

 

 

 

 

この時期、親のほうも「不登校かな?」と疑いを持ちつつも、担任にそのことを告げていいのかどうか迷っている時期でもあります。

 

 

 

 

 

本人の欠席、遅刻、早退が2~3度、短期間に重なるようでしたら、①本人の学校内での友達関係の変化に目を向ける。

 

 

 

 

 

②母親と面談して(電話では事実を伝えにくいので)、家庭事情の変化はないかそれとなく尋ねてみる。

 

 

 

 

 

③体育、音楽、美術、学校行事のたびに欠席が多い、また特定の科目を休むようであれば、なぜなのかを考えて対応する。等々ある程度の原因探しは必要と考えます。

 

 

 

 

 

それはあくまでも本人を問い詰めるのではなく、不安材料を取り除いてやるためのものです。

 

 

 

 

 

その原因を見つけ、何らかの形で対応して、本人の心の不安を取り除くことができれば登校しやすくなるからです。

 

 

 

 

 

一週間程度の欠席でしたら、どのような言い訳でも使えます。その言い訳は、本人のための言い訳でもあるし、クラスの友達への言い訳でもあります。

 

 

 

 

 

親のほうも焦らず、落ち着いて対応しましょう。

 

 

 

 

 

この時期には、心身の不調が不登校の前兆なのか、あるいは何らかの疾患があるのかを見極めるという意味と、後に本人の登校欲求が起きた時に本人自身とクラスの仲間に対応できる欠席の理由付けのためにも、専門の相談機関で診療を受けさせ、診断書を書いておいてもらいましょう。

 

 

 

 

 

つまり、欠席状態にあるのは不登校ではなく病気のため、という言い訳を作ってやり、「身体の調子が悪いのは、たいした病気ではないけれど、一応は病気なので休んだっていいんだよ。お医者さんも診断書を書いてくれたでしょ。先生にもこれを見せてクラスの人にも伝えておいてもらおうね」と本人自身に病気で休むと納得させます。

 

 

 

 

 

担任の先生には正直に子どもの様子を伝え、協力をお願いしましょう。診断書を医者に書いてもらう時は事前に理由を伝えておいてお願いしましょう。

 

 

 

 

 

診断中に急に言うと、「腹痛くらいでなぜ診断書が必要なのか」と子どもの前で医者が言ってしまうかもしれません。

 

 

 

 

 

この診断書は学校との連携を含め、うまくいけば不登校が本格化した後の対策にも有効に使えることになります。

 

 

 

 

 

子どもが学校に復帰する際、休みが長期化すればするほど次の点を子どもたちは気にするようです。①友達や周囲の人が自分を不登校児だと思っている、②勉強がわからない、この2点です。

 

 

 

 

 

「病気で休むのは不登校ではないんだよ。診断書を先生に見せてクラスの人にも伝えてあるでしょう。」と本人の言い訳を与えてあげるのです。

 

 

 

 

 

子どもが学校を休んでいる時は、働いているお母さんも何とか会社を休んで1日一緒にゆっくりと過ごしてみましょう。

 

 

 

 

 

いろいろ世話を焼きながら、「このごろ何か辛そうだね。何か心配なことでもあるの?友達とうまくいってる?」と聞いてみましょう。

 

 

 

 

 

本人の顔と声の表情に気をつけているとその変化が見えてきます。

 

 

 

 

 

そのことが直接の原因ではないにしろ問題があると感じたら、すぐに担任の先生と連絡をとり、学校(クラス)の様子にも目を配ってもらいます。

 

 

 

 

 

この時期のポイントとなる留意点があります。

 

 

 

 

 

(1)家族、特に夫の妻に対するサポート、この時期のお母さんは不登校ではないかと思いつつ、「いや、違うのでは」と心の葛藤が生じ始め、ついイライラしてしまいます。

 

 

 

 

 

母親自身の不安が強くなると説教をしたり、強く叱責したりという態度になりがちです。

 

 

 

 

 

それを認めたくないことも手伝い、母親自身が他の家族や物に八つ当たりをし始めます。

 

 

 

 

 

この時、不安でいっぱいの母親と本人の感情を他の家族がどうサポートできるか、特に夫がしっかりと2人の感情を受けとめることができるかにより、家族関係の悪化を防ぐことができます。

 

 

 

 

 

(2)家族との関係にも同じことが言えます。学校に対して攻撃的になる母親もいますが、防衛機制の一種である心の安定を求めようとしているのです。

 

 

 

 

 

学校との関係がこじれてしまうと、不都合な点がたくさん出てきます。学校が悪い、家庭が悪いと責任の所在をなすりつけ合うのではなく、協力してどう本人の感情を受けとめていくことができるかを話し合うことが大切です。

 

 

 

 

 

お互い責め合うより協力して、学校は学校でこそできることを、家庭では家庭でできることを確認し合い協力体制をとったほうが、早期解決につながりやすいと言えます。

 

 

 

 

 

(3)またこの時期、「~を買ってあげるから」とか「~してもいいから」など母親としては何か取引をして登校を促しがちですが、それは止めたほうが無難のようです。

 

 

 

 

 

「~を買ってあげるから」と言われても、子どもは行きたくても行けないわけです。その気持ちを汲み取ってあげないと、学校は行かないうえに、高額の金額や品物を要求してくるようになってしまうかもしれません。

 

 

 

 

 

学校ができること

 

 

 

 

 

(1)子どもが1人ぼっちにならないように声をかけ、遊びの輪に入れてやるように心がける。

 

 

 

 

 

(2)給食のとき、グループに入りやすいようにする。音楽・体育など移動の時、一緒にいさせる友達を配慮する。

 

 

 

 

 

(3)座席を気の合う友人の隣にする。無用な励ましは避ける。

 

 

 

 

 

(4)母親同伴登校が可能ならば、それを続ける。保健室登校・適応指導教室への誘い。

 

 

 

 

 

保護者とも、次のようなことを留意するよう話し合っておくことが大切です。

 

 

 

 

 

(1)身体の不調に対しては、早めに医者の診察を受けさせ、診断書をとっておく。

 

 

 

 

 

(2)早期の相談はいろいろな意味で有効なので、関係する援助相談機関に行くことを勧める。

 

 

 

 

 

(3)子どもにゆっくり休養をとらせる。

 

 

 

 

 

(4)親の不安から本人を追い込まないようにする。この時期に登校刺激はしない。

 

 

 

 

 

2  本格化

 

 

 

 

 

学校にも家庭にも居場所がないとなると、精神的不安が強まり、心を閉ざしがちになります。

 

 

 

 

 

この時期に、親が登校を強制したり叱責、干渉をすると部屋にひきこもり、親との対話を拒否し、食事も自室で1人で摂るようになります。

 

 

 

 

 

また、物を投げつけたり壊したり、特に母親に対しての暴力行為を見せ始めます。非行にはしる子も出てきます。

 

 

 

 

 

このような子どもの状況に親はオロオロしてはいけません。子どもがこのような状態にある時は、まだ親に愛情を持ち、親に自分をわかってもらいたいがための行動だと思ってください。

 

 

 

 

 

不登校が本格的になる時期

 

 

 

 

 

子どもの暴力に怯え、恐怖感を感じる親を見た時、その一瞬のひるみや親の恐怖心を子どもは見てとり、子どもにとっての母親への信頼や愛されているという思いが消失し、不安や苛立ちが増幅され、憎しみへと変化していくようです。

 

 

 

 

 

この時期子どもにとっての母親は、一番愛してくれる、理解してもらえると感じられ、唯一甘えられるいわば頼みの綱なのです。

 

 

 

 

 

その母親の態度いかんで子どもはさらに荒れたり、または心を全く閉ざしてひきこもり、そのまま20代、30代、またはそれ以上の年代になってしまうということも多々あります。

 

 

 

 

 

このような時は、母親も精神的にかなり苦しい状態にいますので、夫や他の兄弟も一体になり、しっかりと母親を支えましょう。

 

 

 

 

 

母親が「どんなに暴れようが、乱暴しようがお前は大切な私のかわいい子」という態度を毅然ととることができれば、状況を緩和させることができるでしょう。

 

 

 

 

 

しかし、この段階にうまく対応できず、母親が子どもの暴力を恐れ、また無気力に陥って母親の役割を放棄し、また父親も母親にまかせっぱなしで夫婦で互いに責任をなすり合い、他の兄弟もこの状況で自分を保つだけで精一杯という凍てつくような家族も見られます。

 

 

 

 

 

また、この状態が当人が成人してもなお続き、家庭は単なるホテルの機能しか果たしていない状態と化していることもあります。

 

 

 

 

 

この時期は、いくら本人が自室で1人で食事をすることを望んでも、また部屋の掃除をすることを拒んでも、専門のカウンセラーと相談し、いろいろな方法で阻止しましょう。

 

 

 

 

 

なぜなら、これが家庭崩壊の第一歩になる危険性があるからです。ひきこもって何年も経た家庭では往々にして、子ども部屋全体がゴミ収集場と化していることがあったり、また、あきらめて何の手立てもしてくれない両親に「何とかしろ!」とメモをよこした子どももいました。

 

 

 

 

 

また、子どもの心を理解し受け入れることと、甘やかすことは別であることを念頭におきましょう。子どもの欲求のまま何でも許したり、買い与えたりしてはいけません。

 

 

 

 

 

この部分も親が思っている物に対する必要性と子どもが思っている必要性に違いがある時もあるからです。状況によっては買い与えたほうが子どもの心理面でプラスになることもあります。

 

 

 

 

 

高価な物の時は、カウンセラーに相談することも必要です。そして、道徳規範を守らせ、叱るべきところはしっかり叱るということは、家族のなかでも必要であり、社会へ適応するためにも必要です。

 

 

 

 

 

不登校が本格的になる時のまとめ

 

 

 

 

 

(1)人が来ないか気にして怯える。電話を気にする(出ない)。

 

 

 

 

 

(2)午前中、家にこもり、学校が終わった時間になると元気になる。

 

 

 

 

 

(3)感情の起伏が激しくなる。朝起きなくなる。

 

 

 

 

 

(4)夜、寝つきが悪くなる。

 

 

 

 

 

(5)登校時間に、緊張のため身体が動かなくなる。

 

 

 

 

 

(6)親に反抗する。暴力をふるう。

 

 

 

 

 

(7)自分の物を他の人が触ると怒るなど、強迫的な行動が表れてくる。

 

 

 

 

 

(8)ゲームに熱中する。幼児返りをして甘える。退行行動が出てくる。

 

 

 

 

 

(9)学校の話をすると嫌な顔をして、自分の部屋やトイレなどに逃げ込む。

 

 

 

 

 

本格化してきた段階の対応と対策

 

 

 

 

 

学校の先生には不登校が本格化してきたことを告げておきます。休むたびに毎日学校に電話を入れ続けるお母さんや、それを頼む担任の先生もいらっしゃるようです。

 

 

 

 

 

しかし、先生も忙しい身であり、また母親も毎日「今日も休みます」と伝えるだけの電話は、たいへんつらいものがあります。

 

 

 

 

 

ここは互いに意思確認をして、週一回くらいのやりとりにするほうが良いと思います。そして、大きな変化があったときは、電話を入れると相互の心の負担も軽くなるでしょう。

 

 

 

 

 

担任の先生は生徒に対して、あくまで病欠という形をとるほうが一番良い方法だと考えています。理由は前述した通りです。

 

 

 

 

 

休んでいる子どもの心は、「自分は不登校で特別扱いされている」という思いでいっぱいです。この時、皆で慰めたりメールやプリントなどを届けたりすることは、かえって本人を惨めな気持ちにさせることもあります。

 

 

 

 

 

時期を見て1~2週間くらい、先生はクラスの他の生徒にお見舞いの言葉(一言だけで良い。あまり長く書くと、本人にとって辛い言葉を書いてしまう生徒がいることもあるので)を書いてもらい、様子を見がてら自宅を訪問してみます。

 

 

 

 

 

この時、本人が先生に会うことを拒否しても気にしないことです。本人にしてみれば、自分が嘘をついて休んでいるので、先生に合わせる顔がないと思っているのだと思います。

 

 

 

 

 

本人と会えたときは、本人の体調を気遣い、さりげなくクラスの様子を伝えるに留めます。

 

 

 

 

 

3  心身の安定期

 

 

 

 

 

親が現在の子どものありのままの姿を受け入れると、家庭の中での存在価値を実感できる本人は、イライラや攻撃性、自室への閉じこもりが消滅していきます。

 

 

 

 

 

しかし、この時期本人にとって、あまりにも居心地の良い家庭環境を作りあげてしまうと、不登校を長期化させてしまうこともあります。

 

 

 

 

 

学校に行けない本人の状況は認めながら、少しずつ居心地の悪い場にしていく必要があります。例えば時期を見て、

 

 

 

 

 

家で1人にして退屈させる、母親が仕事に出るなどして家事をさせるなどいろいろ方法は考えられます。本人の若いエネルギーは、精神が安定してくると今の状態に満足できなくなり、また、休み続けることに不安や焦りが出てきます。

 

 

 

 

 

このイライラが出始めると次のステップ、登校刺激の必要な時期に入ってきたと思ってください。不登校が本格化した時を谷底と考えると、本人の心はだんだんと頂上に向っていこうとする気持ち、今のままではだめだ、何とかしようという気持ちが表出します。

 

 

 

 

 

個人差はありますが、この振幅の波が約3~4ヶ月ごとに繰り返されるようです。ここで登校刺激が失敗に終わると、さらに約3~4ヶ月、もしくは6ヶ月後の次の波を待たなければなりません。

 

 

 

 

 

4  登校刺激の必要な時期

 

 

 

 

 

前述したように、本人は友達や周囲の目と、勉強についていけないことに不安を感じています。タイミングを見計らって、家庭教師や個人塾を勧めてみます。

 

 

 

 

 

友達からのメールや手紙も有効です。自分を気にしてくれる友達の存在は登校への大きな力となります。

 

 

 

 

 

再登校する初日には先生が靴箱まで出迎えに行くことも有効です。登校して3日~2週間は要注意時期です。教室のほうが家にいるより楽しいと思わせる工夫が必要です。

 

 

 

 

 

元気を取り戻していくと、日中の行動に変化が出てきます。①顔色が良くなる。②言動に活気が出てくる。③1人で外に出られる。④自分の部屋を掃除する。⑤料理をする。⑥犬や猫を飼ったり花を育てる。⑦兄弟姉妹との会話のなかでの表情が柔らかくなる。⑧学校関係のことに関心を持ち始める。⑨電話に出る。⑩人に会うことができる。⑪学校の話ができる。⑫潔癖症がなくなってくる。⑬幼児返りがなくなってくる。⑭トイレの回数が少なくなってくる。⑮食欲が出てくる。⑯寝つきが良くなる。などがその兆候です。

 

 

 

 

 

これらの行動があり、そのうえでイライラすることが多くなるようであれば、登校刺激をしてみます。

 

 

 

 

 

すぐに担任の先生に連絡をとり、訪問が成功しているケースでしたら、先生からもそれとなく刺激してもらい、本人には不安部分がカバーできることをそれとなく伝えます。

 

 

 

 

 

学校に登校するということは、本人にとってはたいへんな勇気を必要とします。子どもが元気になったからと、急に極端な登校刺激をすると再び自分の殻に閉じこもってしまいます。

 

 

 

 

 

登校準備をし始めるこの時期、親も先生も細心の配慮が必要です。子どもの話し方、話し方の表情や顔の表情、行動・態度の表情を見ることが大切で、言動をそのまま受けとめてはいけません。

 

 

 

 

 

先生ができる登校刺激としては、①訪問の時、学校の話題を様子を見ながら増やしていく。②友達の数を増やしていく。③友人関係のもつれからの不登校であれば、相手の心のなかも穏やかではないはずです。

 

 

 

 

 

「自分とのことがあって以来、学校に来ていない。自分の責任かもしれない」と、本人との間をつなぐパイプ役が必要な時もあるでしょう。④学習面で遅れがあり、不安がっている場合は、学習プリントをファックスで送ったり、学業面での不安を取り除くことも大切な仕事です。

 

 

 

 

 

本人の口から学校に行ってみるという言葉が出たら、本人が行ける場所まででもかまいません。そして、何度か同じ行動をして、最終的に教室に入り自分の席に座ることができれば本人は安心すると思います。

 

 

 

 

 

夕方、生徒の数が少なくなった頃を見計らって、先生と学校まで行き、自分の机、棚、靴箱などを確認しておくことも安心感を持たせる良い方法です。

 

 

 

 

 

保健室や相談室の場所を教え、養護教諭や相談室の先生を紹介しておきます。

 

 

 

 

 

当日、友達が迎えに来てくれる方がいいか、親がいいか、もしくは担任がいいのか、あるいは1人で行けるのか、前もって本人に確認しておくことも大切です。

 

 

 

 

 

クラス内は受け入れ準備をして、生徒たちに、①あまり大騒ぎしないようにする。②病み上がりで、皆とも一時離れていたし不安だろうから、大切に迎えようねと伝える。③キーパーソンを3名くらい用意して、グループ行動の時には常に一緒に行動させるようにする。など、本人の迎え方を説明しておくと良いと思います。

 

 

 

 

 

登校し始めの頃は、「少しずつ頑張らせること」がポイントです。親は本人が登校し始めると、ついついあれもこれもと、学校関係の課題をやらせようと焦りがちになります。

 

 

 

 

 

最初の頃は、①宿題はやらなくてもいい。できるなら半分でも一題でもいい、という気持ちでいることが大切です。

 

 

 

 

 

長いこと病気であったものが、リハビリもせず急に以前通りに学校に行くのは難しいのと同じで、急激なリハビリはかえって体を悪くしてしまいがちです。

 

 

 

 

 

心のリハビリもまた、本人にとって徐々に居心地の良い、行動しやすい形でやらせていくことが大切だと思います。

 

 

 

 

 

実際、戻った子どもたちは1日行っては休み、半日行っては休みを繰り返し、身体と心のバランスを確かめつつ戻っていきます。

 

 

 

 

 

先生も、本人が登校し始めると、親と同様に期待と心配が先に立ちやすくなります。「昨日は来れたのに、今日はなぜ来れないんだろう」、「昨日は1日いられたから今日も1日いてほしい」、「いつまでも保健室登校ではクラスに入りづらいだろう」など、頑張れと応援しがちです。

 

 

 

 

 

親や先生が言わなくても、本人は頑張りすぎるくらい頑張っています。その頑張りすぎている自分に気づかず、周囲の期待に過度に応えようとします。

 

 

 

 

 

自分の本当の素顔に仮面をかぶせ、皆の期待に応えるべく努力をしてしまい、疲れきってしまうのです。

 

 

 

 

 

先生は教室内での本人の表情に気を配り、「病気の人が自宅療養をしたり、リハビリをするのと同じように、少しずつ身体を慣らしたほうがいいよ。疲れた時は早退をしたり、保健室に行ったりして休みなさい。

 

 

 

 

 

それは怠けではなく、身体に必要なことなんだからね」と本人に伝え、安心して本人なりの心と体の動きに任せることです。

 

 

 

 

 

ペースが速いと思われる時には、もう少し緩める必要があるとアドバイスすることも必要です。

 

 



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援