カウンセリングの罠~子どもを変えれば問題が解決すると考えるのは誤り~
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カウンセリングの罠~子どもを変えれば問題が解決すると考えるのは誤り~

2018年08月28日(火)7:05 PM

ここではカウンセリングの罠について考えてみたいと思います。

 

 

 

 

 

今はカウンセリングが非常に盛んになっていて、学校でも、「カウンセリングマインドが大切だ」と言っています。

 

 

 

 

 

それはそれでとてもよいことでもありますが、時々「あれっ?」と思う時があります。

 

 

 

 

 

どういう時かというと、例えば不登校の子どもの親御さんが、「子どもをカウンセリングしてほしいんです」と言われます。

 

 

 

 

 

「子どもをカウンセリングしてほしい、だけど子どもがちっとも来ようとしないので困っています」

 

 

 

 

 

あるいは、学校の先生が、問題行動を繰り返している子どものことを相談に来られて、「この子を一度カウンセリングしてやってほしいんです」と言われます。

 

 

 

 

 

そういう話を聞くと「あれっ?」と思ってしまう時があります。

 

 

 

 

 

何でこんな違和感があるんだろうと考えていたのですが、ある時「ああそうだったのか」と感じたことがありました。

 

 

 

 

 

というのは、ここでカウンセリングに何が期待されているかというと、その子にカウンセリングしてその子の心がけを変える、あるいは気持ちを切り替えさせる、そうしたら学校に行けるようになる、あるいは問題行動がなくなる、そういう考えなのです。

 

 

 

 

 

ということは、原因はその子にある、悪いのはその子、だからその子をカウンセリングによって言葉は悪いかもしれませんが矯正して、いい子にして、そして学校に連れて行くという考え方がどこかにあるような気がして違和感を覚えていたのです。

 

 

 

 

 

確かにその子自身のカウンセリングをして、気持ちの持ち方を変えることが必要な場合もあります。

 

 

 

 

 

また、本人自身がカウンセリングを希望している場合は、もちろんOKです。

 

 

 

 

 

ですが、明らかにひどいいじめを受けている、執拗に悪質ないじめを受け続けている、それで学校に行けなくなっている、それでもカウンセリングすることが本当に意義があるのでしょうか。

 

 

 

 

 

もちろん、その子の辛さを理解してあげる、という意味では必要なこともあります。

 

 

 

 

 

しかし、その子にとって、一番元気が回復するきっかけになることは何かというと、いじめた人自身の謝罪です。

 

 

 

 

 

いじめた人自身が本当に心から「自分が悪かった」と謝罪すること、これが一番早く元気にする道です。

 

 

 

 

 

あるいは親による虐待、過干渉な養育、厳しすぎるしつけなどでなかなか外に出られず、ひきこもってしまう場合があります。

 

 

 

 

 

その場合、まず今までの生まれ育った状況を詳しく聞きます。その中で、明らかに親御さんから子どもに対して、過度のしつけ、厳しすぎる養育ということがあった場合、そして子どもがそのことに強い怒りをもっている場合、やはりまず、今までの養育について、一言きちんと子どもに謝ってくださいと言います。

 

 

 

 

 

確かに親御さんとしたら愛情いっぱいで育てられたと思いますし、ひきこもりにしようと思ってしたわけではありません。

 

 

 

 

 

ですが、確かに愛情という点では間違ってなかったかもしれませんが、子どもがこれだけ辛い思いをしている、SOSを出している、そういうことに気づいてやれなかった、このことに対してはやはり「悪かった。気づいてやれなくて申し訳なかった」と言ってもいいのではないかと思います。

 

 

 

 

 

実際、長い間ひきこもりだった人が、親から初めてそのようにきちんとした謝罪を受けたことで部屋から出られるようになり、親と話ができるようになったという事例があります。

 

 

 

 

 

このような人は、相手に対して強い怒りを持っていると同時に、根本的には、やはり自分が弱いからダメなんだ、自分が何の取りえもないからダメなんだと思い込んでいます。

 

 

 

 

 

そういう人が、相手から謝罪を受けることで、どう思うかというと、やはり相手の自分に対する接し方に誤りがあったんだ、自分ばかりが悪いわけではなかったんだ、自分もこんな環境の中で精一杯生きてきたんだと思えるようになります。

 

 

 

 

 

それが自己肯定感につながり、立ち直るきっかけになります。

 

 

 

 

 

ところがそれをしないで、ただ子どもをカウンセリングして、「要するに、世の中こんなもんだから、受け入れて我慢して生きていくのが人生だ」と無理やり受け入れさせようとするだけでは解決できない場合があるということです。

 

 

 

 

 

カウンセリングは、適用を誤ると問題の所在をすべて子どもの側に帰して、子どもを変えれば問題は解決すると考えてしまう危険性があります。

 

 

 

 

 

しかし子どもの症状というのは、ある意味で、周囲のしわ寄せ、周囲の問題のはけ口として生じていることが少なくありません。

 

 

 

 

 

もちろん、問題がそれほど深刻でない場合は、子ども自身が解決していくのを見守らなければならない時もあります。

 

 

 

 

 

下手に親が手を出すことで、子ども自身の成長する機会を奪ってしまうこともあります。

 

 

 

 

 

しかし、少なくとも医療機関に行くレベルのケースであれば、子どもだけの力では到底解決できないことが多いです。

 

 

 

 

 

そういう意味で、私は子どものサポートをするために本当に必要なのは、カウンセリングも大事だけれど、むしろケースワークだと思っています。

 

 

 

 

 

要するに、いろんな関係者を調整して、閉塞的な状況を解消していく、そして、子どもの周囲の状況を変えるサポートをする、そういう役割です。

 

 

 

 

 

それをしないでただカウンセリングだけだと、子どもの周囲の状況は少しも変わりません。だから、子どもの状態も変わりません。

 

 

 

 

 

それを周囲が見て、カウンセリングを受けても効果がない、カウンセラーを替えようか、あるいは、そんなことをして甘やかしているからちっとも立ち直らないんだという方向にさらに誤解がエスカレートしていきます。

 

 

 

 

 

このようなことはとても残念なことだと思います。

 

 

 



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