援助を求める人のニーズに寄り添う
ホーム > 援助を求める人のニーズに寄り添う

援助を求める人のニーズに寄り添う

2018年06月29日(金)3:26 PM

援助しようとするならば、目の前の対象が求めているニーズを見極め、そのニーズに寄り添うのが基本になります。

 

 

 

 

 

心理療法のどの流派であろうが、「本人が何を問題としているのか」「どうなりたいのか」そして、「援助者にどのような援助を求めているのか」を理解することは、基本給の基本です。

 

 

 

 

 

一言で不登校の問題であるといっても、すべての子どもが「登校したいけれども、登校できない」と思っているものではありません。

 

 

 

 

 

「不登校の問題を解決したい」と考えているとは限りません。

 

 

 

 

 

「勉強をしたくない」と思っているものでもありません。

 

 

 

 

 

また、保護者の考えることも一様ではありません。

 

 

 

 

 

保護者が再登校を求めているとは限りません。

 

 

 

 

 

登校を求めても、当面、当座、どのようでありたいのかはさまざまです。

 

 

 

 

 

すなわち、個々人が求める援助のレベルは多様であり、同じようなニュアンスの事例でも、個々人が向かいたい方向、目指したいことはその事例それぞれにあります。

 

 

 

 

 

そこで、それぞれの事例対象者が問題とすること、その問題を解決するにあたって目標とすること、そして、その解決にあたって得たいと思っている援助を把握します。

 

 

 

 

 

問題の当事者の訴えであるので、これを「主訴」と呼びます。

 

 

 

 

 

援助者が、「本当の問題は別のところにある」と考えたとしても、そのことが援助を受ける人に理解されなければ、援助者の独りよがりです。

 

 

 

 

 

援助者が考える「本当の問題」が解決されなくても、援助を求める人の「問題」が解決する場合もよくあります。

 

 

 

 

 

問題となるのは、援助者が「本当の問題」の解決に時間をかけることで、援助を求める人の「問題」の解決を遅らせる場合です。

 

 

 

 

 

また、そのことで、援助・被援助関係が中断されてしまう場合です。

 

 

 

 

 

理想を言えば、援助を求める人の「問題」の解決に寄り添い、それを進める中で、自然に「本当の問題」が扱われていくことでしょう。

 

 

 

 

 

あるいは、援助を求める人の「問題」を解決していくうちに、「本当の問題」を解決したいと思うように、援助を求める人のニーズが変化していくことです。

 

 

 

 

 

これが本来のカウンセリングだと思います。

 

 

 

 

 

私自身は、「別の問題」があると思うことはあっても、「本当の問題」があるとは考えません。

 

 

 

 

 

そこで、まずは、目の前の援助を求める人が「問題」とすることの解決に専念します。

 

 

 

 

 

「次につまずいた時に、再び新しい別の問題にとりかかればよい」と考えているからです。

 

 

 

 

 

援助を求める人が、その「別の問題」に気づかなければそれを追求しません。

 

 

 

 

 

また、その方向に向けることもしません。

 

 

 

 

 

「別の問題」に取り掛かることで、解決に時間をかけるよりは、別の事例の当面の「問題」を最短で解決することを優先します。

 

 

 

 

 

援助を求める人を援助することが、本来の支援ではないかと思うからです。

 

 

 

 

 

いずれの場合にしても、問題解決で目指す援助目標は、援助を受ける人が「問題」とすることが必要条件であり、援助者と被援助者が共通の「問題」を解決するように、「問題」と解決の方向性が同一になることが、援助・被援助関係では必要十分条件です。

 

 

 

 

 

誰のニーズに寄り添うのか

 

 

 

 

 

個々の事例の事情に合わせるにしても、事例の関係者の「誰のニーズに合わせるのか」という問題もあります。

 

 

 

 

 

これは、子どもを対象とする相談では、特に際立つ特徴です。

 

 

 

 

 

子どもの相談では、問題解決で目指す目標が、関係者の一人ひとりで違うことがよくあります。

 

 

 

 

 

そして、関係者それぞれの意向を無視することもできません。

 

 

 

 

 

子ども個人の願う問題解決の方向と、保護者の願う方向とが食い違う場合もよくあります。

 

 

 

 

 

学校関係者が願う問題解決の方向と、保護者や子どもの意向がすれ違う場合も多いです。

 

 

 

 

 

不登校の問題では、子どもの不登校の改善や、子どもの将来の適応を視野に入れ、問題解決が目指す方向を考えます。

 

 

 

 

 

このことに思いを巡らせるのは、周囲の大人たちです。

 

 

 

 

 

子ども自身が自分を客観視できない年齢であれば、問題を漠然と感じても、それを表現できません。

 

 

 

 

 

年齢が低ければ、問題を整理する力も拙いです。

 

 

 

 

 

社会経験を含め、子どもには経験が圧倒的に少ないです。その中では、将来や人生を考えさせることも難しいです。

 

 

 

 

 

自分が通っていない道筋は、どのようにも理解させにくいです。

 

 

 

 

 

何の情報もない中で、「人生を見通すように」という要求はできません。

 

 

 

 

 

子どもとは本来そのような存在なのです。

 

 

 

 

 

この時に、保護者や教師と、子どもとが異なった意識を持つ場合も少なくありません。

 

 

 

 

 

周囲が「子どもにとって良かれ」と思うことと、子ども自身が「こうなりたい」と願うことが異なることも起きます。

 

 

 

 

 

対象が大人であれば、わが身のことを問題として考えることができます。

 

 

 

 

 

自分に必要な援助を受けるか否かは、最終的には自分の責任です。

 

 

 

 

 

大人のカウンセリングでは、本人の到達目標を達成することや、その人のニーズを満たすことが第一に尊重されるからです。

 

 

 

 

 

しかし、子どもの場合では、発達途上の段階にあるだけに、子どもに全面的に責任を負わせられません。

 

 

 

 

 

そこで、保護者や教師など、子どもを巡る関係者と子ども自身とカウンセラーなど子どもを援助する人の間で、目指すものを共有する必要が出てくるのです。

 

 

 

 

 

したがって、これは誰のニーズに合わせるかという問題です。

 

 

 

 

 

そこで、ニーズや問題解決の方向性をすり合わせなければなりません。

 

 

 

 

この作業は、丁寧過ぎて丁寧過ぎることはありません。

 

 

 

 

 

アセスメント

 

 

 

 

 

さて、目標を定めるとしても、その目標が到達可能かどうかを吟味しなければなりません。

 

 

 

 

 

また、その目標に到達するための具体的な方法、技法を事例に即して定めなければなりません。

 

 

 

 

 

問題解決や目標の達成のために、必要な情報を収集し、検討することを「アセスメント」と呼びます。

 

 

 

 

 

アセスメントの目的は、問題の解決に必要な個別の事情、現状を把握し、事例理解と対応方法に反映させることです。

 

 

 

 

 

また、事例に変化が生じたときに、その変化を把握するための視点、観点が必要になります。

 

 

 

 

 

その変化の視点、観点を定めるのも、アセスメントで目指すことです。

 

 

 

 

 

心理テストや知能検査などの検査器具も、アセスメントの道具です。

 

 

 

 

 

しかし、不登校の事例では、子ども本人が援助者の前に現れない場合も多いです。

 

 

 

 

 

そのため、「心理テストや個別検査を用いなければ、アセスメントできない」というのは現実的ではありません。

 

 

 

 

 

投薬をしなければならない医師が、「本人を直接見なければ診断ができない」という場合と、心理的・教育的な援助を行う場合とでは事情が違うのです。

 

 

 

 

 

個別の事情、状況を情報として収集し、対応に役立てるためといっても、アセスメントそのものは、警察の事情聴取のようではいけません。

 

 

 

 

 

不用意に相手の世界に踏み込まないことが大切です。

 

 

 

 

 

不快感を与えず、関係を損なわないように配慮しつつ、それとなく尋ねます。

 

 

 

 

 

そして、その人の振る舞いや表情から判断します。

 

 

 

 

 

あるいは趣味等を尋ねながら、広く相手の情報を収集します。

 

 

 

 

 

つまり、相手の気持ちを最大限に尊重し、無遠慮にプライバシーに踏み込まないことです。

 

 

 

 

 

しかし、「他ならぬあなたのことを知りたい」と関わります。

 

 

 

 

 

以上が、アセスメントをする側の基本的な姿勢です。

 

 

 

 

 

たとえが悪いかもしれませんが、恋人を知りたい、わかりたいと思うとき、どのように相手の事情や状況を知ろうとするでしょうか。

 

 

 

 

 

アセスメントをするときの援助者の姿勢は、恋人のことをわかりたいと思うような場合に似ているのです。

 

 

 

 

 

子ども本人のアセスメント

 

 

 

 

 

子どもをアセスメントするには、行動のレベル、情動のレベル、認知のレベル、そして能力のレベルの四次元程度のレベルが必要です。

 

 

 

 

 

これは、不登校の維持要因を理解するうえで大事な視点、観点です。

 

 

 

 

 

子ども自身が面接の場に現れなくても、保護者や教師の話から、子どもの行動レベルのアセスメントは、相当の部分が可能です。

 

 

 

 

 

その行動の様子から、情動のレベルについてもおよそは推測できます。

 

 

 

 

 

また、関係者に対する子どもの発言内容から、子ども自身が考えている認知レベルのアセスメントもできます。

 

 

 

 

 

一方、能力レベルでは、それまでの学業適応や学校での適応状況から、大枠を類推できるはずです。

 

 

 

 

 

(1)  行動レベルのアセスメント

 

 

 

 

 

①ソーシャル・スキルと生活空間の広さについて

 

 

 

 

 

行動のレベルでは、子どもの日常生活の現状と、不登校以前の生活の様子を把握します。

 

 

 

 

 

そして、子どもの趣味など興味を示すことや、生き生きとする場面を見い出します。

 

 

 

 

 

そして、そのような場面でどのように振る舞うのかなど、子どもの行動の肯定的、健康的な側面の情報も大切にします。

 

 

 

 

 

日常生活の様子を把握する中で、特に注目したいのは子ども自身の対人関係の持ち方です。

 

 

 

 

 

すなわち、ソーシャル・スキルの巧拙や、外出など生活空間の広がりの程度や頻度を把握します。

 

 

 

 

 

家族、友人、親戚、近隣の人、学校関係者などとの接触の頻度と、そこでの対人関係の持ち方の特徴を探ります。

 

 

 

 

 

その対人関係の持ち方としては、大きくいえば人づきあいでの積極性の度合いを確認します。

 

 

 

 

 

対人関係を避ける傾向が見られるときは、どのような人をどのような状況で避けようとするのかを把握します。

 

 

 

 

 

また、ここで把握した対人関係の現状が、本来のその子の持ち味だったのかも確認します。

 

 

 

 

 

対人関係の持ち方を、不登校以前と不登校以降で対人関係の範囲が狭まっているのか、消極性や対人回避傾向が強くなっているのかなど、対人関係の持ち方に変化があったかどうかを確認します。

 

 

 

 

 

この対人関係の持ち方と変化の具合によって、援助の仕方の大筋が異なってくるからです。

 

 

 

 

 

大別すれば、対人関係の持ち方が消極的で、自宅に引きこもる子どもと、学校の友人との接触に抵抗感がない子どもがいます。

 

 

 

 

 

不登校以降に、それ以前よりも対人関係が消極的・回避的になった場合では、対人不安の高まりや人に関わることに臆病になっていることが推測できます。

 

 

 

 

 

もともと対人関係の持ち方が消極的であった場合には、そもそもソーシャル・スキルの獲得が不十分な場合であるかもしれないと考えます。

 

 

 

 

 

② セルフ・コントロールと学業への意欲と遂行の程度について

 

 

 

 

 

第二に、学業の遂行の程度も把握したいところです。

 

 

 

 

 

自宅で学習をするのか、塾やお稽古事に参加をするのかなども、この領域で把握します。同時に、過去の学業への取り組みも把握したいです。

 

 

 

 

 

学業に対する姿勢、スタディ・スキルが獲得されているかなども判断したいのです。

 

 

 

 

 

そして、このことは、子どものコーピング・スキルの獲得具合を知る意味をもちます。

 

 

 

 

 

過去に学業に取り組んだ経験があるならば、現在、学業に取り組んでいなくても、学業に取り組む姿勢や学習の仕方(スタディ・スキル)は、ある程度獲得されていると判断できます。

 

 

 

 

 

この場合は、本人の学業への意欲が再び戻れば、その後の学業適応を援助していくのはそれほど難しくありません。

 

 

 

 

 

これに対して、不登校以前から学業上の不適応があるならば、学業適応に関して特別な援助をする必要が出てくるかもしれません。

 

 

 

 

 

特に能力が一定程度ありながら、学業の遂行が不十分な場合には、学業に限らずセルフ・コントロールの力が低い可能性があります。

 

 

 

 

 

セルフ・コントロールとは、端的にいえば、「がんばる」ことや「耐える」ことです。

 

 

 

 

 

問題や課題と出会ったときに、それを避けずに問題や課題に立ち向かう力のことです。

 

 

 

 

 

セルフ・コントロールができず、問題や課題を回避する傾向は、それまでの生活体験の中で課題に取り組んでうまく切り抜けた成功体験が少ない場合が多いです。

 

 

 

 

 

また、本人の努力が評価される環境でなければ、セルフ・コントロールをする力は強くなります。

 

 

 

 

 

確かに、学業適応はセルフ・コントロールの力を反映します。

 

 

 

 

 

ですが、これは学業適応だけに限らず、広い意味でのセルフ・コントロールの力が育まれているのかどうかについて確認したいところです。

 

 

 

 

 

その確認のポイントは、本人の成功体験の多さと、本人の努力がどのように評価される環境にあったのかです。

 

 

 

 

 

子どもの過去の状況は、保護者の情報だけでなく、通知表など学習の記録を持参してもらうと参考になることも多いです。

 

 

 

 

 

通知表は、比較的客観性をもつ他者の評価です。

 

 

 

 

 

複数の担任が、同様の評価をしているのならば、その記述は子どもの行動傾向を把握するうえで大いに参考になります。

 

 

 

 

 

したがって、各教科の評定もさることながら、行動の記録や担任の所見欄などは、教師の目から見た学校での適応を表すので、大事にしたい情報です。

 

 

 

 

 

(2)  情動レベルのアセスメント

 

 

 

 

 

不登校の問題では、最初に情動レベルの問題への援助から取りかかるのが普通です。

 

 

 

 

 

それだけに、情動レベルのアセスメントは、特に丁寧に行う必要があります。

 

 

 

 

 

第一に、把握しなければならない情動は、主にストレス反応です。

 

 

 

 

 

それらは、不安や恐怖、怒りなどの攻撃反応、そして抑うつ感や無力感などです。

 

 

 

 

 

また、ストレスに起因する頭痛や腹痛などの身体症状や、ストレスで加速される喘息や神経性習癖などの症状も、情動レベルの反応として理解します。

 

 

 

 

 

第二に、情動レベルの次元では、DSM-IVの不安障害に相当する各種神経症状を見逃すわけにはいきません。

 

 

 

 

 

すなわち、強迫性障害や不安神経症、ヒステリー反応などの神経症状です。

 

 

 

 

 

さらに、思春期年齢以降では、統合失調症を始め精神疾患など内因性の問題や器質性の問題の有無を判断するためにも、情動レベルのアセスメントから得る情報は大きいです。

 

 

 

 

 

①不安や恐怖のアセスメント

 

 

 

 

 

不安や恐怖では、どのような場面でそれをどの程度感じるのかを探るのが基本です。

 

 

 

 

 

不安や恐怖は、それを感じる場面を避ける(回避行動)ことと関連します。

 

 

 

 

 

そもそも不登校の問題は、学校場面を避ける行動です。

 

 

 

 

 

そこで、多かれ少なかれ、学校関連場面に不安や恐怖など情動があると考えるのが自然です。

 

 

 

 

 

行動面のアセスメントで、特定の場面を避けることは把握できるので、回避行動がある場合には、その場面に対する不安や恐怖の情動があると考えます。

 

 

 

 

 

そして、場面を避けるときに、「その嫌な感じが起きたときに、身体にどのような変化が起きるのか」を確認します。

 

 

 

 

 

動悸や呼吸、息苦しさ、筋肉の緊張や頭痛、腹痛などが身体面での変化です。

 

 

 

 

 

そして、「身体のどこでその嫌な感じを感じるのか」を尋ねます。

 

 

 

 

 

特に、身体症状は、不登校を示す子どもに一番多く見られる症状であり、不登校にともなって起きる身体症状は午前中に強く、登校時刻が過ぎると軽減することが多いです。

 

 

 

 

 

これを日内変動と呼びます。また、休日に身体症状が軽くなることもあります。これを週内変動と呼びます。

 

 

 

 

 

また、不登校の初期段階ほど、身体症状は見受けられ、不登校が一定期間続くと症状が軽くなることも多いです。

 

 

 

 

 

以上のような身体症状は、不安や恐怖などと同じ情動レベルのストレス反応と考えられるものです。

 

 

 

 

 

不安や恐怖などの情動を感じている場面が特定されるなら、「どれほど嫌な感じなのか」と、子ども自身に尋ねます。

 

 

 

 

 

不快感の程度を尋ねる場合、SUD(主観的障害単位)は便利です。

 

 

 

 

 

最悪の場合を「100点」あるいは「10点」にし、全く大丈夫な場合を「0点」にして、不安や恐怖などの不快感を数値化します。

 

 

 

 

 

小学校四年生程度以上であれば、この方法が答えやすいはずです。

 

 

 

 

 

不安や恐れ、嫌な感じは複数の場面で感じるものなので、それらの場面を大変な順に並べます。

 

 

 

 

 

これは漫然と感じていた不快感が、場面によって差異があることを意識化させる意味も持ちます。

 

 

 

 

 

また、問題解決の手順を見いだすうえでも、意味ある情報です。

 

 

 

 

 

また、「その時には何を想像しているのか」「何を考えているのか」という認知面や思考面も把握します。

 

 

 

 

 

さらに、「言葉で表すと、その感じはどんな場面で感じることに似ているかな」「過去に似たような感じを味わったことがあるかしら。あるとすればどういう場面かな」など、その不快感の微妙な感覚を共有しながらアセスメントします。

 

 

 

 

 

なお、不安発作や対人恐怖症状など、不安障害(神経症状)が見られる場合には、医療面での診断を仰ぐ必要もあるでしょう。

 

 

 

 

 

また、特定の場面と関連がないままに、不安や恐れが強くみられる場合や、身体症状がある場合にも医療面での診断・治療を視野に入れなければなりません。

 

 

 

 

 

事例によっては、投薬によって全般的な不安を軽減させて、カウンセリングをスムーズに展開することも少なくないのです。

 

 

 

 

 

②攻撃反応のアセスメント

 

 

 

 

 

ストレスが加われば加わるほど、それは怒りに転化しやすいです。

 

 

 

 

 

不登校に伴って、怒りの表現がどうかは確かめておきたいところです。

 

 

 

 

 

不登校になること自体がストレスフルなので、順調な時期に比べて攻撃反応が増えるのは普通です。

 

 

 

 

 

攻撃反応が問題になるのは、その頻度と程度です。

 

 

 

 

 

家庭内暴力ほどでないにしても、家族に対して怒る、反発する、いらいらするなどは多くの事例でみられます。

 

 

 

 

 

これらの怒りは、欲求不満の表現であり、自分の要求が思い通りにならないことへの表現でもあります。

 

 

 

 

 

不登校の状態が心地よいはずはないので、少々のイライラや怒りは当然のことでしょう。

 

 

 

 

 

不満を語る程度のことは、むしろ心理的に健康です。

 

 

 

 

 

不安や恐怖などの情動は、不快な場面とむすびつき、本人の意思とは無関係に自動的に引き起こされます。

 

 

 

 

 

しかし、攻撃反応は、刺激や状況に対する解釈が引き起こすのです。

 

 

 

 

 

怒りなどの攻撃反応は、欲求が阻止されたことや、願いがかなわないと解釈されることで起きます。

 

 

 

 

 

それゆえ、周囲の対応次第で攻撃行動は変化しやすいです。

 

 

 

 

 

したがって、攻撃反応は、純粋に情動レベルの問題と理解するのではなく、行動レベルの問題との関連で理解したほうがよいかもしれません。

 

 

 

 

 

特に、家庭内暴力の場合は、親子のやり取りが相乗的に問題を悪化させる場合の方が多いです。

 

 

 

 

 

子どもの欲求が阻止され、子どもが怒り始めます。

 

 

 

 

 

この怒りに対して、周囲の人間が反応します。その反応が子どもをフラストレートさせ、攻撃反応を連鎖的に激化させていきます。

 

 

 

 

 

その意味では、家庭環境のアセスメントと、行動レベルでの対人関係の持ち方の点からも、攻撃性の問題は複合的に理解する必要があります。

 

 

 

 

 

攻撃反応の問題が深刻であれば、子ども自身は援助者の前に登場しないことが多いです。

 

 

 

 

 

また、仮に登場しても、本人から家庭内でそのような状態であることが語られることも少ないです。

 

 

 

 

 

その意味で、怒りの問題は保護者からの情報が重要になります。

 

 

 

 

 

③抑うつ・無気力のアセスメント

 

 

 

 

 

子どもが不登校を「挫折である」と受け取ると、程度の差はあっても無気力や抑うつ感は起きやすいです。

 

 

 

 

 

抑うつ感や無気力感は、失敗や挫折体験が重なることで生まれるからです。

 

 

 

 

 

それゆえに、無気力感や抑うつ感が出ているときには、認知レベルでのアセスメントも合わせて複合的に判断したいところです。

 

 

 

 

 

ひと口に無気力や行動抑制的であるといっても、趣味等で本人が意欲的に関われる何かを持っているならば問題はありません。

 

 

 

 

 

それは「離脱志向」の現われであり、自分探しの努力であることが多いです。

 

 

 

 

 

そこで、夢中になれる何かがあるならば、無為、無気力といっても大きな問題にはなりません。

 

 

 

 

 

しかし、不登校以前から抑うつ感や活動の低下が見られることや、それが生活全般に及ぶ場合には注意が必要です。

 

 

 

 

 

また、早く目覚める睡眠障害があることや、希死念慮があるような場合も同様です。

 

 

 

 

 

このような場合は、医療領域で診断を仰ぐ必要もあります。

 

 

 

 

 

一方、悲哀感や悲しみを極端に示す場合や、情緒不安定な様子が伴う場合も注意を払います。

 

 

 

 

 

子どもの問題でも、特に思春期、青年期の年齢は精神疾患の好発期であり、情緒不安定や活動の低下の程度が強い場合には、医療面でのアセスメントが必要になります。

 

 

 



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援