不登校~認知の側面で起きる悪循環~
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不登校~認知の側面で起きる悪循環~

2018年06月28日(木)1:16 PM


どのようなタイプの子どもも、多かれ少なかれ不登校となったことに傷ついています。

 

 

 

 

 

「学校に登校しなければ」という気持ちが強いほど、登校していないことへの劣等感は強くなるはずです。

 

 

 

 

 

不登校となった結果、自信を喪失し、自己概念が悪化します。

 

 

 

 

 

この思考の側面を「認知」と呼びます。

 

 

 

 

 

従来から、不登校の子どもについて、自尊心の低さや自信のなさが指摘されています。

 

 

 

 

 

不登校児群と健常児群とで、自己概念の比較を行った研究もあります。

 

 

 

 

 

たとえば渡邊淑美・長谷川浩一「登校拒否児の自己像に関する一研究」(教育心理学会第14回総会発表論文集)は、不登校児群の理想自己と現実自己の間に著しい差異があることを指摘しました。

 

 

 

 

 

また田中勝博・原野広太郎「思春期の登校拒否児および健常児群における自己概念に関する研究」(教育相談研究)の研究では、不登校児群は健常児群に比して、自己評価が低く、友人からも低い評価しか受けていないと感じていることを指摘しています。

 

 

 

 

 

これらの研究が示すように、不登校児童・生徒の自己概念が悪く、自尊心が低いことは確かでしょう。

 

 

 

 

 

しかし、この結果は、自己概念が悪い子どもが不登校を引き起こしやすいことを示したものではありません。

 

 

 

 

 

そのような子どももいますが、多くの場合、不登校となった結果、自尊心が低くなり、自信がなくなり、自己概念が悪化してきたと考えるのが自然です。

 

 

 

 

 

私は、サポート校に所属する不登校体験者588人を対象に、自己概念とサポート校教師による適応状態評価との関連を継続的に調査しました。

 

 

 

 

 

その結果、自己概念の変動が、子どもの示す適応状態の変動と密接に関連することが示されました。

 

 

 

 

 

特に、「自分のことが好きだ」の項目に代表される「自己親近感」と、「神経症・内閉傾向」と呼ぶ閉じこもり傾向とが密接に関連していたのです。

 

 

 

 

 

つまり、内閉傾向や神経症傾向が強まることと、自己概念の悪化とが同時並行で起きるのです。

 

 

 

 

 

では、不登校となったことが、どのように「認知」の側面の悪化をもたらすのでしょうか。

 

 

 

 

 

不登校が初期の段階のころは、「学校に行かなければならない」という意識が片方にあります。

 

 

 

 

 

一方では、実際に「学校に行けない」との現実があります。

 

 

 

 

 

また、学校への不快感が強まるという不条理な情動の動きもあります。

 

 

 

 

 

「学校に行こう」という意思が、「学校に行かない」現実と、「学校を不快に感じる」という情動に連日負け続けます。

 

 

 

 

 

たとえれば、このことは、登校するか否かについて、連日博打を打って負け続けているようなものです。

 

 

 

 

 

ゲームであれ、ジャンケンであれ、負け続けていればそれを続けたくなくなります。

 

 

 

 

 

その結果、回復しよう、再適応しようという意欲がしだいに削がれていきます。

 

 

 

 

 

このように、不登校が続くことは、「登校できない」「登校しない」という失敗体験を積み重ねることに他なりません。

 

 

 

 

 

これは繰り返し罰を受けている状態に等しいです。

 

 

 

 

 

繰り返し罰を受けると、抑うつ感が増し、無気力になっていきます。

 

 

 

 

 

このことで得られる抑うつ感を学習性無気力感と呼びます。

 

 

 

 

 

不登校の状態が続くことが、抑うつ感をもたらしやすいのは、このような心理的メカニズムのためです。

 

 

 

 

 

そのために、子どもは自信を喪失し、無気力感、抑うつ感が強まっていきます。

 

 

 

 

 

劣等感が強く、自信を喪失すればするほど、たとえば「僕はダメだ」という認知が形成されます。

 

 

 

 

 

これが認知の側面で、不登校の問題を維持し、強めるように作用します。

 

 

 

 

 

「僕はダメだ」という意識は気分を憂鬱にします。

 

 

 

 

 

この認識は、傍目には無気力そのものに見える動きになります。

 

 

 

 

 

また、自己評価の低さは他者評価懸念を増します。

 

 

 

 

 

「他人の目が気になる」という心理として働きます。

 

 

 

 

 

そのために行動は抑制的になり、外出を避けるなどの行動が起きるのです。

 

 

 



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