子どもの成長と発達障害
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子どもの成長と発達障害

2018年06月17日(日)8:01 PM


一般に、子どもは親とどのようにかかわりながら発達していくのでしょうか。

 

 

 

 

 

子育てというと、親が子どもに対して、どのように働きかけたかという一方通行の矢印でとらえられがちですが、実際の子育ては、親と子の両方向の矢印によって成り立っています。

 

 

 

 

 

うまくいっている親子の関係は、母親は子どもに働きかけて刺激を与え、子どもはその刺激に対して反応を示し、その反応を母親は受け止めてまた子どもに返していくという両方向のやりとりがあるのです。

 

 

 

 

 

つまり、子どもは単に受け身の存在なのではなく、泣く、笑う、後追いするなどの行動をすることで、母親の養育行動を引き出している能動的な存在ということができます。

 

 

 

 

 

通常、生まれてから一歳半ごろまでの赤ちゃんは、泣くことによって母親がどんな反応をするかを確かめます。

 

 

 

 

 

「赤ちゃんは、泣くのが仕事」は本当です。

 

 

 

 

 

また、非常に早い時期から、母親の語りかけや顔の表情、手の動きなどを見て、表情やしぐさをまねします。

 

 

 

 

 

親は、その子どもの反応を受け止め、さらに子どもに刺激を与えてお互いに寄り添っていくのです。

 

 

 

 

 

専門的には、同調していくといいます。

 

 

 

 

 

このような関係を積み重ねていくことによって、子どもは母親を特定の存在ととらえ、「愛着」(アタッチメント)を形成していきます。

 

 

 

 

 

精神分析学者のボウルビィは、子どもが母親と視線を合わす、あやすと笑う、母親の姿を目で追うなどの行動を、子どもが母親に愛着を示す現象と考え、「愛着行動」と呼びました。

 

 

 

 

 

愛着とは、母親と子どもの心の絆であり、エリクソンの言う「基本的信頼感」にもつながります。

 

 

 

 

 

心の絆は、子どもの成長にとって非常に大切な意味をもっています。

 

 

 

 

 

母親と心の絆でしっかりと結ばれた子どもは、母親を心の「安全基地」として、見知らぬ世界の探索に出かけることができるようになります。

 

 

 

 

 

安全基地を出る最初の探索は、母親の目に届く範囲にとどまり、母親の膝に触れながら、新しいおもちゃに手を伸ばしたり、少しだけ母親から離れて自由に遊んではすぐに母親のもとに戻ってくるという小さな一歩から始まります。

 

 

 

 

 

やがて三、四歳ごろになると活発に動き回るようになり、少しずつ母親から離れる距離が大きくなっていきます。

 

 

 

 

 

いたずらをすることも多くなり、親に叱られながら子どもは「していいこと」と「してはいけないこと」を学び始めます。

 

 

 

 

 

心の絆がしっかりと結ばれていれば、子どもは叱られてもしばらくすると母親のもとに近寄ってきて、いつもの親子関係に戻ることができます。

 

 

 

 

 

四、五歳ごろになると、子どもは実際に母親から離れて友達と遊んだり、活発に動き回ることができるようになります。

 

 

 

 

 

母親と心の絆がしっかり結ばれているからこそ、母親が目の前にいなくても見知らぬ世界を探索することができるのです。

 

 

 

 

 

これが、「親離れ」です。

 

 

 

 

 

そして、探索でくたくたに疲れたり、友達とけんかをして傷ついてきても、母親という「安全基地」に戻ってきて心と体を癒し、エネルギーを蓄えて、再び探索に出かけていくのです。

 

 

 

 

 

このようにして、子どもは「安全基地」と「見知らぬ世界」の間を往復しながら少しずつ行動半径を広げて成長していきます。

 

 

 

 

 

心の絆が結びにくい発達障害の子ども

 

 

 

 

 

母親にかかわってほしいというサインは、泣いたり、笑ったり、しがみつくことで表します。

 

 

 

 

 

ところが、発達障害の子どもは、最初から反応に乏しく、こういったサインを送りにくい傾向があります。

 

 

 

 

 

一人にしておいてもおとなしくしている子どもと、よく泣いて、頻繁に母親を呼ぶ子どもとでは、どちらが母親とのかかわりが濃密であるかいうまでもないでしょう。

 

 

 

 

 

その子が歩き始めるようになって、著しく落ち着きがなく動き回るようになると、ちょっと目を離した隙にとんでもないいたずらをしたり、大けがをしたりと親は安心して休む間がありません。

 

 

 

 

 

たいていの子どもはそういう経験を親にさせるものですが、発達障害のある子どもは、その度がすぎているのです。

 

 

 

 

 

たとえば、デパートの中で勝手にどこかに行ってしまい、長い時間母親の姿が見えなくても平気です。

 

 

 

 

 

親のほうが一生懸命捜し回り、ようやく見つけても子どもはさほどうれしそうな顔もしません。

 

 

 

 

 

そういった苦労の繰り返しに、親は子育てに心底疲れ、子どもと積極的にかかわろうとしなくなることがあります。

 

 

 

 

 

このように、発達障害の子どもは、親にサインを送れなかったり、送りかたが変わっているために、親は子どもの要求がわからず、心の絆を築くことができにくくなってしまうこともよくあります。

 

 

 

 

 

生後七、八ヶ月ごろに見られる”人見知り”は、愛着形成がしっかりできているかどうかを知る目安になります。

 

 

 

 

 

親との愛着形成ができている子どもは、見知らぬ人に出会うと不安と興味がない交ぜになった状態になり、緊張しながらじっと相手を見つめたり、泣き出したりします。

 

 

 

 

 

これは見知らぬ人と母親とを見分けている証拠であり、母親との心の絆がしっかりと結ばれている証拠です。

 

 

 

 

 

人見知りをしない子どもは、見知らぬ人に対しても母親に対するのと同じような反応を示してしまうので、馴れ馴れしい感じがします。

 

 

 

 

 

よく、「愛想のいい子だ」「度胸のある子だ」などと言われますが、実は母親との絆がきちんと結ばれていないのかもしれません。

 

 

 

 

 

また、反対に、三、四歳になっても母親のスカートをつかんで離さないといった、親にべったりしている子どもも、心の絆が不安定である可能性があります。

 

 

 

 

 

乳幼児期の親子関係は、子どもの成長にとって特に大切な意味をもっています。

 

 

 

 

 

子どもは親との関係を基盤にして、人と信頼関係を結びながら実りある社会生活を営んでいくからです。

 

 

 

 

 

思春期の子どもたちが「根源的な不安」を抱き、さまざまな問題を起こすのは、この時期に親子がぴったりと寄り添えない、なんらかの原因があったのかもしれません。

 

 



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