回避性パーソナリティ(人格)障害によるひきこもり
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回避性パーソナリティ(人格)障害によるひきこもり

2018年04月20日(金)9:16 AM

人格障害は正確には精神疾患ではありません。その人の人格の歪みが、本人や周囲の人にとって不利益をもたらしたり、大きな摩擦を生じさせたりすると人格障害と呼ばれるのです。

 

 

 

 

 

しかし、一口に人格の歪みといったところで、人格を規定することはそもそも非常に困難なことです。

 

 

 

 

 

なぜならば、例えば、私が関東自立就労支援センターに来る人たちにとって、非常に親切な人だという評価を仮に受けていたとしても、学生時代の私を知る友人たちは、私のことを自分勝手で怠け者と評価することでしょう。

 

 

 

 

 

このように相対する人それぞれに人格というものは規定されるのです。

 

 

 

 

 

私を例にあげるまでもなく、ある人にとってその関係する人それぞれに、その人の人格というものは規定されるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

ここに、人格障害というものの最大の弱点があるのだと私は考えています。

 

 

 

 

 

回避性人格障害は、ひきこもりの人がつけられる可能性のある病名として、最も多いのではないかと私は考えています。

 

 

 

 

 

ここで例をあげてみましょう。

 

 

 

 

 

Aさんは現在、28歳の男性です。団体職員の父親、パート社員の母親、3歳年下の妹の4人家族です。

 

 

 

 

 

小さいころは手のかからない非常に良い子で、活発な妹に比べると育てやすい子供であったといいます。

 

 

 

 

 

小・中学生時代はそれほど目立つ生徒ではなかったものの、中学時代はバスケットボール部に所属し、勉強も中の上といったところで地元の公立高校に進学しました。

 

 

 

 

 

周囲から見ていると、Aさんなりに学校生活を楽しんでいるようでしたが、Aさん自身は中学時代から周りの人の目が気になって、自分にまったく自信がもてなかったといいます。

 

 

 

 

 

特に本番に弱くて、バスケットボールの試合や入試のときには本当は行きたくなかったけれど、やめることもできずに何とか行ったということでした。

 

 

 

 

 

高校生になって以前にもまして、人と話すときに緊張するようになり、自分が嫌われてしまうのではないかと自分で勝手に考えてしまうようになりました。

 

 

 

 

 

また、自分には長所がなく、誰からも好かれるはずがないと誤った解釈を自分に下したり、皆の前で発表することは、間違ってしまって恥をかくのではないかと極度に恐れて、授業中に発言することはまったくできなくなりました。

 

 

 

 

 

そして、次第にクラスの中で孤立し、一日中一人で過ごすようになりました。

 

 

 

 

 

それでも自分の意志では休むこともできず、まじめに登校を続けて卒業することはできました。

 

 

 

 

 

しかし、進学も就職もできずに、高校を卒業してから約7年間、自宅にひきこもりました。外出は本屋とコンビニには週に2回ほどは出かけていましたが、対人関係は家族のみで、自分ではこのままではいけないという焦りはありましたが、一方で、自分は社会の役には立たないから働くことはできないとも考えていました。

 

 

 

 

 

両親は、ひきこもりが長期化していることを心配して、Aさんにしばしば働くように促していましたが、そのたびに自分は何もできない人間だと言ってしばらくまったく誰とも口を利かなくなるため、促すことも控えていました。

 

 

 

 

 

Aさんが25歳のとき、新聞でひきこもりの講演会の案内が掲載され、両親はそれまでひきこもりの知識はなかったのですが、わらにもすがる気持ちで講演会に出かけました。

 

 

 

 

 

そこで、Aさんのひきこもりは治療する必要があり、とりあえず両親だけでも受診すべきだと教えられて両親が地元のクリニックを受診しました。

 

 

 

 

 

クリニックの受診とほぼ同時期に、両親が関東自立就労支援センターに相談にやってきました。

 

 

 

 

 

一年ほどは 二週間に一回、私が両親と面接をして、Aさんの近況や両親の対応の仕方について相談を受けていました。

 

 

 

 

 

相談を続けるうちに、Aさん自身が両親に対しても私との面接で何を話して、どんなことを聞いてきたのかをたずねるようになりました。

 

 

 

 

 

両親が面接を開始してから約一年後に、ようやくAさん自身が自分で面接を受けてみると話し、両親とともに関東自立就労支援センターに来所しました。

 

 

 

 

 

それ以降、現在まで、Aさんは面接を受けています。

 

 

 

 

 

依然として自分自身に対する自信はなく、自分は社会の役には立たない人間だと話すことも多いのですが、インターネットなどで求人広告などは見るようになっていて、怖いけれども一度アルバイトの面接を受けてみたいとも話すようになっています。

 

 

 

 

 

回避性人格障害とは

 

 

 

 

 

社会的制止、不適切感、および否定的評価に対する過敏性の広範な様式で、成人期早期にはじまり、種々の状況で明らかになります。

 

 

 

 

 

以下のうち、四つ(またはそれ以上)で示されます。

 

 

 

 

 

①批判、否認、または拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動を避けます。

 

 

 

 

 

②好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたいと思いません。

 

 

 

 

 

③恥をかかされること、または馬鹿にされることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示します。

 

 

 

 

 

④社会的な状況では、批判されること、または拒絶されることに心がとらわれています。

 

 

 

 

 

⑤不適切感のために、新しい対人関係状況で制止が起こります。

 

 

 

 

 

⑥自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、または他の人より劣っていると思っています。

 

 

 

 

 

⑦恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険を冒すこと、または新しい活動に取りかかることに異常なほど引っ込み思案です。

 

 



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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理事:
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住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
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活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援