不登校やひきこもりの対人関係の不調和
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不登校やひきこもりの対人関係の不調和

2018年04月04日(水)8:51 AM

社会適応していくためには、その世代の対人関係や対象関係が継続的にできる必要があります。

 

 

 

 

 

しかし、不登校やひきこもりの人たちの多くは、対人関係で不調和を訴えます。

 

 

 

 

 

ほとんどの場合、「訴えたいことを言わずに我慢していた」結果、その対人関係が気まずくなっています。

 

 

 

 

 

「言いたいことはあったけれど、相手には言えなかった」状態です。

 

 

 

 

 

対人役割についても同様です。「あの人がやってくれると思っていたのに、自分がやらなければならなくなって困った」状態などしばしばあります。

 

 

 

 

 

親子関係、師弟関係でも同様の訴えがあります。

 

 

 

 

 

社会適応のためには自分が何をして、相手に何をしてもらったらいいのかは、相手との対話により成立します。

 

 

 

 

 

相互性の「持ちつ持たれつの関係」ができにくいのです。

 

 

 

 

 

対話をするための統合的な心のまとまり(話の内容のまとまり)がつかず、心の中で「嫌なことは後回し」にしたり、「どうしたらいいのかわからない」事態を起こしています。

 

 

 

 

 

人によっては、「大切で、必要なこととはわかっていたけれど、面倒くさいからやらなかった」という場合もあります。

 

 

 

 

 

「面倒くさい」という気持ちはほかの生き物にはありません。

 

 

 

 

 

動物と人間とは比較しきれない根本的な違いがありますが、動物には「面倒くさい」という概念がないと言われています。

 

 

 

 

 

「面倒くささ」言い換えれば「億劫」という心持ちは、不登校やひきこもりの人たちの心の崩れの象徴的人間くささです。

 

 

 

 

 

その面倒くささや億劫さが、その後の対人関係や対象関係が不調和にまでなることを思えば、面倒くさがらずに事を運びたくなるはずです。

 

 

 

 

 

それでも行動化できないのは彼らの経験上、世の中の対人関係などにそれほどの期待が持てないということなのかもしれません。

 

 

 

 

 

体験が積み重ねられない~断片化~

 

 

 

 

 

体験しても、混乱の中では自己感が心に構造化されない場合もあります。

 

 

 

 

 

仮に積み重ねられたとしても、その構成状態は不安定なままで、ちょっとした外部刺激に対しても揺れ動き崩れる状態で、心の構成が断片化してしまいます。

 

 

 

 

 

一般的には、かつて体験した出来事が再び起こった場合には、過去の体験を応用して素早く対応できます。

 

 

 

 

 

しかし、心の構成が断片化している状態の子供は、断片化している自己感のうち、その対応に必要な部分を自分で意図的に寄せ集めなければなりません。

 

 

 

 

 

そのために、彼らの多くはかつて体験したことでも再び直面する時には用心深く、時間をかけてやり直します。

 

 

 

 

 

それが更なるストレスを生む可能性はあります。

 

 

 

 

 

多くの場合、子供一人では断片化して散乱した自己感を再構成しにくいものです。

 

 

 

 

 

散乱してまとまりがつかなくなった心にかかわる相手が必要になります。

 

 

 

 

 

その役割をたいがいは最初は母親がしています。やがては外部の信頼できる人間がかかわりたいものです。

 

 

 

 

 

まとまりをつけるためにはその子供が表す現象に関して、適切な解釈も必要です。

 

 

 

 

 

自分では決められない~どうしたらいいの?~

 

 

 

 

 

外部からの重圧で揺れ動いている自己感と自己感の隙間は、お互いに連絡がつかなくなります。

 

 

 

 

 

したがって総合的に考えた上での自己決定はしにくくなります。

 

 

 

 

 

全体的には揺れているものの、一部については自己感がしっかりと安定している場合には、その一部分について自己決定はできます。

 

 

 

 

 

「あの子は、人とかかわらず学校に行かないのに、ちゃんとまともなことを言う」のはそのせいです。

 

 

 

 

 

対人関係とか学校という関連の自己感は揺らいではいるものの、その他の社会的な自己感は機能しているのです。

 

 

 

 

 

構成された自己感で揺れている部分の機能を必要とする自己決定はできないだけです。

 

 

 

 

 

おかしくなってしまった

 

 

 

 

 

構成された自己感の最小ユニットとは「心の機能の最小単位」です。

 

 

 

 

 

その最小単位までもが壊されると、構成(中核自己)そのものが成立しなくなります。

 

 

 

 

 

それまでの対人関係が、好き嫌い両極端になるか、新しいことや珍しいことへの関心(新奇性追求)がまったくなくなるか、反対に欲望の塊になるか、危険を顧みなくなり傍若無人のふるまいをするか、すべてを恐れて何もしなくなるか、人から注目されたり認められたい一心で、度が過ぎるほどやってしまうか、人のことには一切関心を示さず、自分勝手な振る舞いをしているか、引きこもってしまうか、このような事態は自己感の最小単位も破壊されている可能性を示しています。

 

 

 

 

 

心の再構成としてのカウンセリング

 

 

 

 

 

不登校やひきこもりの人たちの心の状態(崩れや断片化)を把握できたら、それに見合う援助が必要です。

 

 

 

 

 

そのためのカウンセリングには次のような手順や心構えが必要です。

 

 

 

 

 

A 子供の様子をていねいに見る。

 

 

 

 

 

B 子供の言い分をていねいに聞く。

 

 

 

 

 

C 聞くだけではなく、適切な応答をしていく。

 

 

 

 

 

D 子供との感情交流を肯定的に受け止める。いきなり受容はしない。

 

 

 

 

 

E いつでも子供が自分とのかかわりで、快さを体験できるようにする。

 

 

 

 

 

F 子供の立場に立ち、同様の状況でも本当にそのような気持ちになれるなら共感する。

 

 

 

 

 

G 子供から聞いた話の中で、ほめるべき部分を探してほめる。

 

 

 

 

 

このようにしていきます。その理由は、子供は保護されたいし、称賛を受けたいし、正義を認定されたいからです。

 

 

 

 

 

子供の心は関係や環境が安定していて、相手とのかかわりで快さがあれば、理想や希望や欲望が戻ってくるのです。

 

 

 

 

 

これらは子供が心の機能を回復し、進展させるためには理解しておきたい要因です。

 

 

 

 

 

これらが相手との快い体験で生まれます。

 

 

 

 

 

断片化し、崩れている心を再構成するためには、子供にとって理想的で安心感や安全感や満足感、生きる方向性を与えてくれる自己対象がいて、心を支えてくれれば、心を再構成する力は自然に能力を高めます。

 

 

 

 

 

その人とのかかわりで理想や希望が体験できれば、心の再構成は一段と前進します。

 

 

 

 

 

自分がやっていることは、誰もが似たようなことをしているとわかればさらに進展します。

 

 

 

 

 

相互依存能力を高める作業がカウンセリングの中心です。

 

 

 

 

 

相互依存能力が高まることは、よりしっかりした自立の方向へ子供を導きます。

 

 

 

 

 

カウンセリングでかかわる人は、子供の混沌とした自己感に適切な解釈を加えて、自己理解を支援する能力も必要です。

 

 

 

 

 

この解釈が子供にとっては快いものであることは必要不可欠です。

 

 

 

 

 

不登校やひきこもりの人たちへの援助と称賛

 

 

 

 

 

不登校やひきこもりの人たちへの援助と賞賛はいつも必要です。その手順や理由などについて述べます。

 

 

 

 

 

A 常にかかわる家族や学校関係者が子供の心の安定化に協力することです。

 

 

 

 

 

一般的には、子供の生活に注文をつける家族や学校関係者が多いのですが、子供の生活が混乱している心性の理解をする方が先です。

 

 

 

 

 

混乱している子供の気持ちを守ることができる人が必要です。

 

 

 

 

 

B 子供の心とかかわり、子供の自己対象となる人も必要です。子供があこがれるような人が、子供の自己対象となりやすい人です。

 

 

 

 

 

C 自己対象となる人は精神的に安定していて、子供にとっての理想や希望を満たす人です。

 

 

 

 

 

その人が子供にとって快い反応をしてくれる人であると予測できることはが大切です。

 

 

 

 

 

子供の自己志向性(希望)に沿う中核自己感(心の芯)の再構成が可能になるからです。

 

 

 

 

 

D 身近にいて子供が心底信頼できる人であればより良いです。

 

 

 

 

 

依存することで、いつでも起こる可能性がある関係や環境の混乱から免れることができるからです。

 

 

 

 

 

E 子供が、その人のためになら多少の無理をもいとわないという気持ちを抱けるような対象は、最もふさわしいでしょう。

 

 

 

 

 

心からの愛情を再構成することは、相互依存関係には大切な心の要因となります。

 

 

 

 

 

自分が所属する社会で心豊かに生活をするためには、心の中心となる中核自己(感)の再構成をしていく必要に迫られます。

 

 

 

 

 

そのためには相互依存関係を継続し、自分の主観と相手の主観との共感関係を形成する必要があります。

 

 

 

 

 

現実の時間と空間が連続する社会で、確かに過去の自分が現在の自分であることを理解できれば、自己の修復、再構成は終了です。

 

 

 



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