不登校・ひきこもりの母親への依存
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不登校・ひきこもりの母親への依存

2018年03月17日(土)2:04 AM

人間は生まれてすぐは母親(または代理の養育者)への依存なしでは生きていけません。

 

 

 

 

 

その子供が生きていくうえで必要なこのような依存は『健康な自閉(依存)状態』です。

 

 

 

 

 

しかし、男女共に小学校六年生前後を境に依存対象が母親や父親から同世代の仲間に移行します。

 

 

 

 

 

特に対人関係などの悩み事の相談相手は親から子供同士へ移行し、その状態はこの時期に明確になります。

 

 

 

 

 

親を回避するとまではいかなくても、煙たくなり、積極的には近づかなくなります。

 

 

 

 

 

不登校・ひきこもりの人々の場合、多くは母親への依存を極端に強めます。

 

 

 

 

 

一般的には、母親がその子供の実年齢に合う『普通のかかわり』をすると激怒します。

 

 

 

 

 

もっと強く依存して母親の優しさを引き出そうとします。

 

 

 

 

 

子供の対人関係の進展を図るにしても、こういった親子関係の特別な問題は理解しておいていただきたいものです。

 

 

 

 

 

以下は不登校・ひきこもりの人々の依存関係バージョンです。

 

 

 

 

 

A 自分の日常生活にかかわるようなことでも、周囲の人や親たちからの支援や安全保証などがないと自己決断できない。ぐずぐずともたつく。

 

 

 

 

 

B 自分の生活の大切な領域(学校生活、社会生活、必要な外出のこと)で、周囲の人々に責任をとってもらえないと行動できない臆病さがある。

 

 

 

 

 

C 自分が支持されなくなることや認められなくなることを怖れて、周囲の人々の意見には反対できない。いつもいい人として認められていたい。

 

 

 

 

 

D 判断力が低下し自信がないために、自分で自発的な計画を建てたり実行することが困難である。孤立や単純反復生活で心の構成(成長発達)が乱れている。

 

 

 

 

 

E 他人から愛されたり支えられるために、不快なことでも無理をして行ってしまう。

 

 

 

 

 

F 自分で自分のことができないという思い込み(誇張された)恐怖から、一人きりでいられなくなったり、極端な無気力になる。

 

 

 

 

 

G 自分が孤立してしまい、自分自身で自分の面倒を見なければならないという恐怖があり、その考えに非現実的なまでに囚われている。絶望感が心を占領して、社会参加の障害になりやすい。

 

 

 

 

 

ほとんどの人たちは年齢にふさわしく、身近にかかわる依存相手との相互依存関係を適切に調節しています。

 

 

 

 

 

ところが不登校やひきこもりになってしまった人々の多くは、依存関係の調節ができにくくなります。

 

 

 

 

 

その理由として、しばしば母親の養育時における愛情不足をあげる人がいますが、ほとんどの場合、それは間違いです。

 

 

 

 

 

彼らの養育歴を聞いていくと、かつて母親の愛情はなかったとは言いきれない状態があります。少なくてもある時期までは。

 

 

 

 

 

不登校やひきこもりになるまでは特に支障もなく学校生活や社会生活を送ってきた人たちが、思春期・青年期に至って母親の愛情を上記のような背景で求めるのは、不登校の子供やひっきこもりの人たちの対人関係の不都合や生活環境(社会的環境)の圧迫要因のほうが大きいようです。

 

 

 

 

 

なぜなら、母親以外の人々に対しては、回避すべき人(いじめる子ども、嫌な教師、会社のうるさい上司)は回避し、無視すべき人(冷淡な父親や世話好きな人)には無視をしているからです。

 

 

 

 

 

ただし、回避対象や無視対象の人も、本来の社会生活を送るうえでは重要な対人・対象関係に相当する相手ですから問題といえば問題です。

 

 

 

 

 

母親から離れられなくなる子供を見ていると、母親が心配のあまり子供の不安を煽り立てています。

 

 

 

 

 

不安をあらわにする姿を見た母親が、子供から離れられないようです。

 

 

 

 

 

不登校やひきこもりの人たちが母親に依存するのは、そこに至るまでの外部からの関係や環境の重圧で、心の構成(自己感・自己組織)が混乱を起こし、一人の人間としての心のまとまりをもてなくなったからです。

 

 

 

 

 

つまり、自分の心にまとまりをつけてくれるのは、周囲の中では母親しか発見できないからです。

 

 

 

 

 

自分の心の構成に重要な影響を与えてきた母親に依存するのは当然です。

 

 

 

 

 

彼らにとって父親は、自分を見捨ててきた人となっているのです。

 

 

 

 

 

だから、母親への依存は甘えとは言いきれない事情があります。

 

 

 

 

 

回避するのは相手が怖いから

 

 

 

 

 

誰でも自分が生活している学校や社会では嫌な思いや不都合な目にはあいたくありません。

 

 

 

 

 

尊敬できない人、怖い人、危ない人、煙たい人には近づきたくもありません。

 

 

 

 

 

たいがい、一般市民はそのようなことを考えながら日常生活を生きています。

 

 

 

 

 

しかし、ひどい目にあうまでは無防備でいた場合、本当に人前で恥をかかされ、つらい思いをさせられたときに身近な人たちからの助けがないと、やがて自分の周りの人たちを当てにしなくなります。

 

 

 

 

 

そして、自分を守りたい一心で周囲に対して異常に警戒したり、用心深くなったり、臆病になってしまいます。

 

 

 

 

 

そのような場合に、回避は起こります。

 

 

 

 

 

このような状況での嫌な出来事の相手はただ単に『煙たい存在』程度とか『嫌な奴』レベルではすまされません。

 

 

 

 

 

ひたすら回避しなければ、自分が生きていくうえでも追いつめられて苦しくなるほどの気分を味わっています。

 

 

 

 

 

いわば、天敵のような存在として回避されます。

 

 

 

 

 

行き詰まり、さらに息がつまるほどの酷さになると、自分が生き残るために相手に危害を加えることも考えるようになります。

 

 

 

 

 

父親は多くの場合、不登校やひきこもりの人たちから回避されます。

 

 

 

 

 

父親が仕事場に出かけて行くだけで「あの人はいつもああやって自分の気持ちに圧迫を加える」という具合に過敏に感じる人々がひきこもりタイプの人々なのです。

 

 

 

 

 

父親が帰宅しても無口でいるとそれだけで、「本当に何を考えているのかわからない不気味な人」になっているのです。

 

 

 

 

 

子供たちが圧迫感をじたり不気味さを感じれば回避するのは当然です。

 

 

 

 

 

しかし、それは父親から「何か言われるかもしれない」「嫌なことを言われたらどうしよう」という思いと重なる場合があります。

 

 

 

 

 

不登校やひきこもりの人々には、常に負い目があるからです。

 

 

 

 

 

父親を回避するのはこの負い目からくる圧迫が多いのです。

 

 

 

 

 

問題なのは、本来の生活場面で重要な相手であっても回避してしまう場合です。

 

 

 

 

 

相手に対する『食わず嫌い傾向』や、たとえうまくできたことに対しても『ほめられ体験』がなかった場合などが考えられます。

 

 

 

 

 

「何をやっても駄目だった」「どうせ嫌われるに決まっている」「無駄だ」「やっぱり無理だよ」などが共通語のように聞かれます。

 

 

 

 

 

不登校・ひきこもりの人々の心がさんざん傷つけられてきた可能性があります。

 

 

 

 

 

いいかえれば、進退極まるような困難に遭遇した時にも支えてくれる相手がいなかった可能性もあります。

 

 

 

 

 

それ以前には、多分、周囲の人々からはあまりほめられた体験(記憶)がないのです。

 

 

 

 

 

むしろ『心の傷・トラウマ』体験があった可能性も否定できません。

 

 

 

 

 

いずれにしてもこの場合も心も構成が散乱し、断片化して、社会生活を人間として豊かに送るうえでは支障をきたしていた可能性があります。

 

 

 

 

 

生まれた時から存在する依存感情と違い、回避は後の体験から生まれる後発的な産物であるということに注目します。

 

 

 

 

 

そう考えるとカウンセリングを進めていくうえで、回避は依存よりは解決しやすい感情です。

 

 

 

 

 

父親回避感情は、思春期の時期にはたいがい誰にでも生れてくるものでもあります。

 

 

 

 

 

いい意味で解釈すれば、それは親離れだし、自立の方向への歩みでもあります。

 

 



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