ほめて育てるのは危険?
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ほめて育てるのは危険?

2018年03月08日(木)10:12 AM

ある幼稚園の先生の話です。彼女は、4歳児のクラスを受け持っています。

 

 

 

 

 

かつては特に気にならなかった男の子A君の言動が、最近気になり始めたというのです。

 

 

 

 

 

A君はとてもいい子で、よく部屋のごみを拾ってくれたり、先生の手伝いをしてくれたりするそうです。

 

 

 

 

 

そこまでは何の問題もありません。

 

 

 

 

 

ところが、そのやり方が気になるのです。

 

 

 

 

 

例えば、先生が見ていることを確認してからごみを拾い、彼女の視線を意識しながらごみ箱に捨てます。

 

 

 

 

 

そして彼女のところに来て、「ねえ、先生、僕えらい?」と聞くそうです。

 

 

 

 

 

しかも、かなり頻繁にそれをやるらしいのです。

 

 

 

 

 

彼女もそれまでは「うん、偉いね」と対応していたのですが、「それって何か変じゃないですか?」と言います。

 

 

 

 

 

きっと親は、A君をほめて育てたのでしょう。

 

 

 

 

 

問題は、それ以前にA君の自己肯定感が育てられていなかったことです。

 

 

 

 

 

A君は、ほめ言葉を親の愛を感じる方法として受け取るようになったのです。

 

 

 

 

 

何かをしてほめられた時、A君は愛されたと感じます。自分の存在が肯定されたと感じます。

 

 

 

 

 

そうしてA君は、安心したいときや親のぬくもりを感じたい時には、親がほめてくれそうなことをするようになったのです。

 

 

 

 

 

そうすれば親は「偉いね」「いい子ね」と注意を向けてくれます。

 

 

 

 

 

幼稚園においては、先生にほめてもらえるように、先生の見ていることを確認してごみを拾うようになりました。

 

 

 

 

 

親にとっては、ほめ言葉というごほうびを使って子供を支配できるのですから便利です。

 

 

 

 

 

「いい子ね」と声をかけることで、暗に「言うことを聞けば、あなたを好きでいてあげますよ」というメッセージを伝えているのです。

 

 

 

 

 

言うことを聞かせたい時は「いい子ね。○○してちょうだい」とごほうびをぶら下げることで子供は言うことを聞いてくれます。

 

 

 

 

 

自己肯定感が育っていない子供にとって、ほめ言葉は、たちまちその子を支配する言葉となってしまうのです。

 

 

 

 

 

ほめ言葉を使って、子供を思うように動かす親と、親の愛を求めてほめられるためにいい子でいようと努力する子供・・・・・・・この関係は、親にとっても子供にとっても決して前向きではありません。

 

 

 

 

 

ほめ言葉を行動を起こす動機づけにしてしまうと、子供はほめてもらうために行動を起こすようになり、ほめてくれる人がいないところではやる気になれません。

 

 

 

 

 

あるいは、やったのにほめてもらえないと一人で傷つき、前進する気力を失ってしまいます。

 

 

 

 

 

ほめる子育てに頼っていると、子供の中に本来の自己肯定感を育てることはできません。

 

 

 

 

 

本来の「自分はこれだ」「この自分が好き」という無条件の存在肯定ではなく、ほかの人がどう思うかによって自分の価値を決める自信のない人間に育ってしまいます。

 

 

 

 

 

ほめてもらえるかどうかが気になって、不安や緊張に縛られた毎日を生きることになりかねません。

 

 

 

 

 

大きくなっても常に自分をほめてくれる人を求め、ほめてもらわないと自分が大丈夫なのかどうかを自分で決められない、不安定な心のもち主になってしまう可能性もあるのです。

 

 

 

 

 

親は叱っているのではなく、自分の都合で怒っている

 

 

 

 

 

子供をやる気にさせるために、叱るというのはどうでしょう。「何やってるの!ほら、さっさとしてよ」と声を荒げることはありませんか。

 

 

 

 

 

あるいは脅すという手もあります。「いい加減にしないとぶつわよ」「言うことをきかない子は、うちの子ではありません」。

 

 

 

 

 

叱られたり、脅されたりした子供はおびえ、その不安を解消するために親の言う通りに行動します。

 

 

 

 

 

その結果を見て、親はしつけがうまくいったと内心よろこびます。

 

 

 

 

 

でも、これはしつけではありません。脅しという罰を使った 支配であることを理解してください。

 

 

 

 

 

ほめ言葉を使った支配が子供にいい影響を与えないのと同じように、罰を使っての支配も、子供の未来に大きな問題の種を植えることになります。

 

 

 

 

 

もし、叱ることに効果があるとしたら、それは命にかかわることを教えるときです。

 

 

 

 

 

事故につながる可能性があったり、自分を傷つけてしまいそうな危険があるときは、すぐにやめさせて「ダメ!」と叱ることが大切です。

 

 

 

 

 

誰かを傷つけそうな時も同じです。子供がふざけて危ないことをしているときは、すぐその場で叱るべきです。

 

 

 

 

 

命が危険にさらされるという緊急を要することであると、その場で教えることが大切です。

 

 

 

 

 

それ以外では、子供を叱ることは害こそあれなにもいいことはありません。

 

 

 

 

 

それなのになぜ、親は叱るのでしょう。実は、親は叱っているのではなくて怒っているのです。

 

 

 

 

 

それは怒っている親の都合によるもので、子供のためではありません。

 

 

 

 

 

子供が親の思い通りにふるまわないので、腹を立てて怒るのです。

 

 

 

 

 

思い通りにならないので、感情的になってその怒りをぶつけているのです。

 

 

 

 

 

そして、怒りを使って子供を支配しようとします。

 

 

 

 

 

怒ることで、子供を親の思い通りに動かそうとするのです。

 

 

 

 

 

感情的になって子供を怒るとき、子供はただの感情のはけ口にすぎません。

 

 

 

 

 

問題は子供ではなく、子供は単にきっかけを作っただけです。怒っている親自身が問題を抱えているのです。

 

 

 

 

 

それが頻繁であると、ターゲットにされる子供の人格が危機にさらされます。

 

 

 

 

 

親の怒りに動機づけられた子供は、「怒られないために」という後ろ向きな理由で行動を起こすようになります。

 

 

 

 

 

その動機づけが習慣になってしまうと、怒られないと行動を起こしません。そして行動する時はいつも、自分に怒りをぶつけた親に腹を立てながら行動することになります。

 

 

 

 

 

この悪循環は、子供に「愛すること」を教えるどころか、人を憎むことを教えてしまうのです。

 

 

 

 

 

怒ること、叱ることの多い親は、一度自分が何に腹を立てているのかを見つめ直してみてください。

 

 

 

 

 

そこには、子供に対する「~べき」という考えがあるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

子供は親の言うことを聞くべき、子供は口ごたえをすべきでない・・・・・・・。

 

 

 

 

 

その「~べき」があなたに腹を立てさせます。

 

 

 

 

 

でも、その「~べき」は本当に正しいのでしょうか?理にかなっていますか?

 

 

 

 

 

理にかなっていると思うなら、怒らずに子供にその理(ことわり)を教えてください。

 

 

 

 

 

もし、理にかなっていないと思われるなら、親の不機嫌を子供に押しつけるのはやめましょう。

 

 

 



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