親の期待にプレッシャーを受ける子供
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親の期待にプレッシャーを受ける子供

2018年03月05日(月)11:50 AM

高校3年生の長男に、「もう死んでしまいたい」とため息をつかれたお母さんがいました。

 

 

 

 

 

その言葉を聞いて、お母さんは大変なショックを受けました。

 

 

 

 

 

大切に育ててきた子供に、「死にたい」と言われて、平気でいられる親はいません。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターの面談でお母さんは、目に涙をためてこう言いました。「私はどうすればいいんでしょう」。

 

 

 

 

 

彼女は、息子をとても大切に育てていました。期待をかけ、優秀でいい子に育つように、小さい時からいろいろな習い事にもチャレンジさせてきました。

 

 

 

 

 

成績も良く、先生からの評価も高く、親の言うことをよく聞く心のやさしい本当にいい子だそうです。

 

 

 

 

 

いじめられているわけでもなく、特に何か問題があるわけでもないようです。

 

 

 

 

 

お母さんは活動的で元気な人です。朗らかで上昇志向の強い人のようです。

 

 

 

 

 

「お子さんは、自分が望んでいることをやっていますか?それとも、お母さんが望んでいる通りにやろうとして頑張っているのでしょうか?」

 

 

 

 

 

その子が今ある状態を「充実している」と思っていれば、死にたいなどと言うはずはありません。

 

 

 

 

 

しばらく話を聞いてわかったのは、母親自身が自分の上昇志向をもて余すことがあるということでした。

 

 

 

 

 

お母さんは、子供のころから親の言うことをよく聞き、よく勉強したそうです。

 

 

 

 

 

いつも、もっともっととより良いものを求めて生きてきました。

 

 

 

 

 

子供が生まれてからはその意識が子供にも向き、いい子に育てたい、優秀な子に育てたいと焦りを感じることがあると正直に話してくれました。

 

 

 

 

 

そして息子は、そんな親の気持ちに沿って生きようとする子供だったのです。

 

 

 

 

 

「あの子のためにと思ってやってきたのですが・・・・・・」

 

 

 

 

 

子供のために、という気持ちに偽りはありません。

 

 

 

 

 

その気持ちが「愛」として伝わっていれば、息子は「死にたい」などとは言わないはずです。

 

 

 

 

 

彼は母親の思い通りのいい子にはなれなくても、彼なりのいい子になることはできます。

 

 

 

 

 

ところが、母親が自分の理想に沿って介入し過ぎると、目指すのは「彼なりのいい子」ではなく、「お母さんの望むいい子」になってしまうのです。

 

 

 

 

 

人の期待に沿って生きるのはつらいものです。

 

 

 

 

 

死にたいとため息を漏らす彼の気持ちがわかる気がします。

 

 

 

 

 

期待されすぎて育った子供は、あるがままに自分を愛することを学べません。

 

 

 

 

 

同時に、高校三年生の子供に死にたいと言わせてしまったお母さんの悲しみも、痛いほど伝わってきます。

 

 

 

 

 

でも大丈夫です。このお母さんは気づきました。彼のため息の意味を受け取ったのです。

 

 

 

 

 

彼の無意識はそれを受け取ってほしくて、お母さんに向けてメッセージを発していたのです。

 

 

 

 

 

「お母さんの期待通りに生きるのは疲れるよ、という合図ですよ。ます、お母さんがちょっと立ちどまって今を楽しんでみてください。

 

 

 

 

 

あるがままのお子さんと一緒にいるのを楽しんでみてください」

 

 

 

 

 

お母さんが力を抜けば、子供も楽に生きられます。親が生活を楽しんでいれば、子供はそれが生きるということだと学ぶのです。

 

 

 

 

 

このお母さんは、自分の理想に沿って子供に介入し過ぎた例でした。

 

 

 

 

 

親の期待が強く、その期待に沿って日々干渉され、介入され続けると、子供は「あるがままの自分ではいけない」というメッセージを受けることになります。

 

 

 

 

 

自分でいることに自信が持てず、親の期待通りの自分でいる時だけがいい子なのです。

 

 

 

 

 

こういう状態では、親がどんなに頑張ってもやればやるほど子供は愛されていないと感じてしまいます。

 

 

 

 

 

反対に、必要な時にヘルプをしなかったらどうでしょう。

 

 

 

 

 

充分な保護を受けなかったり、その後も親を身近に感じることのない子供はどうなるでしょう。

 

 

 

 

 

幼児虐待というと一般的に暴力が連想されますが、もっと静かな虐待があります。

 

 

 

 

 

それは「ネグレクト」とよばれ、子供に対して関心を示さず必要な世話をしないことです。

 

 

 

 

 

ひどい状態になると食事も与えず、長時間にわたって子供を放置したりします。

 

 

 

 

 

子供を放棄してしまうのです。

 

 

 

 

 

子供に対して、必要とされる充分な助けを与えないことは、与えすぎるのと同じく、それ以上に大きなマイナスの影響を子供に与えます。

 

 

 

 

 

中には、サポートと放任を取り違える場合があります。

 

 

 

 

 

「サポート」は人を「できる」存在ととらえ、そばで見守り、より良くなるために必要な時には手を貸すことです。

 

 

 

 

 

「放任」は親の責任を放棄し、子供に充分な関心を寄せないことを言います。

 

 

 

 

 

親が関心を示さなかったり、義務感のみで接していたりすると、子供はそれを敏感に感じ取ります。

 

 

 

 

 

子供にとって親は絶対的な存在ですから、最も愛されたいその人から関心を示されないのは、自分には愛される価値がないからだと解釈するのです。

 

 

 

 

 

これでは自己肯定感は育ちません。

 

 

 

 

 

親に愛されていると感じることができないと、自分が好きにはなれません。

 

 

 

 

 

自分の中に愛が見つけられない子供は、人を愛することも下手です。

 

 

 

 

 

自分にも人にも優しくなれないのです。

 

 

 

 

 

それでも、心の平安を求めて愛してくれる人を探し求めます。

 

 

 

 

 

ところが、自分には愛される価値がないと思っていますから、正面から愛を求めることができません。

 

 

 

 

 

素直に親に甘えられず、いたずらやあえて親の嫌がることをして親の気を引こうとする子供の心理がそれです。

 

 

 

 

 

「幼い心が危機にさらされている」「なんて親なんだ」、そう言って親の無知を責めるのは簡単です。

 

 

 

 

 

でも、その親自身、そうせざるを得ない状況にあったのかもしれません。

 

 

 

 

 

そう思うと、本当にやるせない思いでいっぱいになります。

 

 

 

 

 

親自身が被害者だったのかもしれません。親から子へ、そしてまたその子へと受け継がれていく苦しみを今だれかが止めなければなりません。

 

 

 

 

 

過去は変えることはできません。時間がたてばきっと良くなると未来への期待だけに生きることも無力です。

 

 

 

 

 

何か事を起こせるのは今です。そして行動できるのは私たち親です。

 

 

 

 

 

私たち親が、もうほんの少しだけ賢くなれば、子供たちの人生が大きく変わります。

 

 

 

 

 

彼らの人生がもっと輝きを増すのです。

 

 



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団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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TEL
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メール
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 学習 支援、生活訓練
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・教育相談の実施
・各種資格取得支援