アトピー性皮膚炎と不登校・ひきこもり
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アトピー性皮膚炎と不登校・ひきこもり

2017年12月28日(木)11:52 AM

アトピー性皮膚炎など病気やけがが原因で学校を休み、その後勉強についていけなくなって不登校やひきこもりに入る子供も少なくありません。

 

 

 

 

 

そのアトピー性皮膚炎が原因で高校2年から不登校、ひきこもりになった少年がいます。

 

 

 

 

 

アトピーがひどく、手がボロボロです。赤くはれ上がった部分から血のまじった液がしみ出しています。

 

 

 

 

 

そんな自分の手を見ていると、怒りがこみあげてきます。「こんなふうに俺を産みやがって・・・・・・」もともと少年は、母親の連れ子でした。

 

 

 

 

 

「お前は勉強もしないで何を言ってるんだ!金ばかりかかりやがって」思いやりの言葉もなく、少年に言う義理の父との関係は最悪でした。

 

 

 

 

 

昼夜の別なく襲われるアトピーの痛さ、かゆさ、これはもう当事者でなければわからないといわれます。

 

 

 

 

 

家庭内に少年の相談相手はなく、彼が暴れると義父は逃げ出しました。

 

 

 

 

 

母親が決めた高校に進学しましたが、そんな学校に行きたくないと不登校、ひきこもりの生活にはいりました。

 

 

 

 

 

アトピーはますますひどくなり、暴れに暴れました。母親に殴りかかったのも、一度や二度ではありません。

 

 

 

 

 

体格が大きい彼は、力が強く体力もあります。家で大暴れして、パトカーが出勤したことも二、三度ありました。

 

 

 

 

 

母親は命の危険を感じ、家族はぼろぼろの状態でした。

 

 

 

 

 

ひきこもりといっても、自分の部屋に閉じこもるかというとそうではありません。みんなのいる所に出ていきたい、そこに居すわっていたい、寂しいということもあり、「俺を邪険にするな」と団欒の場所に居続けます。

 

 

 

 

 

そして、「俺の手を見てみろ」と、何度も暴れました。少年は私の知人の子供でした。アトピーの手を抱えて、母親とともに関東自立就労支援センターに相談にやってきました。

 

 

 

 

 

私はまず、少年にアトピーの手を見せてもらいました。その手を見て驚愕しました。確かにこれはひどいとしか言えないものでした。

 

 

 

 

 

手には血がにじんでいるし、腫れあがっているし、色も変っているし、とても人間の手とは思えませんでした。

 

 

 

 

 

「僕は医者じゃないけど、これは治せるよ。まず、これを治そう」

 

 

 

 

 

「そんなことできるはずはない。これまで病院にはたくさん行ったけど、結局治らなかった・・・・・・・」

 

 

 

 

 

「いや、治る。きっと治るよ」

 

 

 

 

 

治ると言ったのは、少しハッタリもあります。しかし、治るかもしれないと思うことが、どれだけ気持ちを楽にしてプラスに作用するかと考えました。

 

 

 

 

 

全くでたらめではりません。知人の漢方の先生なら、これまでもアトピーの子供を何人も治したことがあります。その方に治療をお願いして私の方は根気強く彼の話を聞きました。

 

 

 

 

 

アトピーといっても疾患だけでは量れない、精神的なストレスが根源にはあります。彼の場合は、家庭の中での問題が大きく関わっていると考えられました。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターの共同生活寮に入所した彼は、アトピーの手が完治はしないまでも徐々に回復に向かってきました。

 

 

 

 

 

快方に向かっていくに従って徐々に顔にも明るさが戻ってきました。

 

 

 

 

 

1年たって、大学生になった彼を私は焼き鳥屋に連れてきました。席に着くやいなやニヤニヤ笑っています。

 

 

 

 

 

「こんな場所に誘ってもらったのは、生まれてはじめてです」

 

 

 

 

 

私は、不登校、ひきこもりの子供たちを焼き鳥屋に連れていくことにしています(もちろん高校を卒業している年齢が対象)。

 

 

 

 

 

とても喜んでくれます。「うれしい、うれしい・・・・・・」気さくな店構えで中年以上の男の客が多いということもあるのでしょうか。

 

 

 

 

 

この雰囲気のどこかに、もしかしたら私のなかに、求めても得られない父親の愛情を感じ取るからでしょうか。

 

 

 

 

 

また、一人前の男として認められる不思議な連帯感のようなものを感じるのでしょうか。その後カラオケに連れて行くと、これもまた、「うれしい、うれしい・・・・・・」を連発しました。

 

 

 

 

 

彼はこのような場所にいっしょに来ることのできる、信頼できる友達もいなかったのでした。

 

 

 

 

 

彼のうれしそうな横顔を見ながら、居間に陣取り、暴れ続けた少年の心の奥をのぞいた気がしました。

 

 

 



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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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理事:
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住所
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TEL
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メール
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活動内容
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 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援