不登校・引きこもりの事例
ホーム > 不登校・引きこもりの事例

不登校・引きこもりの事例

2017年12月27日(水)9:16 AM

母への手紙

 

 

 

 

 

小学校、中学校と 5年間、不登校、引きこもりを続けた少年がいます。不登校、引きこもりのきっかけは小学5年までさかのぼります。

 

 

 

 

 

ある日突然、理由がよくわからないまま、不登校、引きこもりの生活に入りました。親が問いただしても、一切理由は語りません。

 

 

 

 

 

親もかなり悩みましたが、少年の引きこもりを容認するしかありませんでした。それから 5年の歳月が重く流れました。

 

 

 

 

 

そして、中学3年になると、「どこか学校に行きたい」と自分の気持ちを表現するようになりました。

 

 

 

 

 

そして、少年は中学卒業後、通信制の高校に入学しました。通信制の高校に入学しましたが、数カ月で学習意欲を失ってしまいました。

 

 

 

 

 

そして、関東自立就労支援センターに相談にやってきました。

 

 

 

 

 

面談の際、私は少年の声に耳を傾けました。「俺はもう、だめだ・・・・・・・」私の目には、少年は希望をなくし、自分を見失っているように見えました。

 

 

 

 

 

ですが、このままでは終わりたくないんだという思いを無言のうちに訴えていました。母親と相談した後、しばらく関東自立就労支援センターに通うことになりました。

 

 

 

 

 

それからしばらくした後、少年は「僕が学校に行かない理由」と題された手紙を母親に渡しました。

 

 

 

 

 

母親はその手紙を読んですぐに私のもとに見せに来ました。「こういう手紙を私にくれたんです!」一番驚いたのは母親でした。

 

 

 

 

 

それまで、息子は不登校の理由を一言も語ることはなかったのです。手紙には、その理由がつづられていました。

 

 

 

 

 

小学5年の時、体育の授業で女子生徒に対してちょっかいを出しました。すると「お前、何やったんだ。土下座しろ。そうしたら許してやる」先生に呼ばれて怒鳴られました。

 

 

 

 

 

少年は先生に言われた通り、土下座をして謝りました。その時、先生が女子生徒にこう言いました。

 

 

 

 

 

「こんなやつ、一生許さなくていいからね」次の日以来、少年は学校と訣別しました。

 

 

 

 

 

「俺はなんという先生に指導を受けていたんだ。土下座したら許してやるといいながら、土下座した後、絶対にこんなやつ許してはいけないぞと女の子に言った。

 

 

 

 

 

こんな先生のいる学校に僕は通えない」先生を信用しなくなった不信感の塊のような息子に対して、母にはその理由がわかりませんでした。

 

 

 

 

 

理由がわからず苦しみながら、粘り強く、辛抱強く、息子と接してきました。

 

 

 

 

 

なおかつ、「学校に行きたい」という小さな仕草や言葉の変化から、子供が今どういう状況にいるのか、どういう思いでいるのかをずっと観察してきました。

 

 

 

 

 

少年に寄り添い、その気持ちを上手にくみ上げてくれました。

 

 

 

 

 

母親が、その息子の立場を、状況を考えてあふれるほどの愛情を失わず、支えてきてくれたのです。

 

 

 

 

 

そんな母親のすべてを見続けた少年の感謝の手紙に母親はに泣きくずれました。

 

 

 

 

 

親の弱い部分を見せる

 

 

 

 

 

不登校、引きこもりの子供たちに昼夜逆転はつきものです。家庭や社会が動いている太陽の時間は彼らにはうっとうしく、月の時間は比較的穏やかに心を解放してくれるのでしょう。

 

 

 

 

 

18歳の彼もまた、昼夜逆転の生活を送っていました。

 

 

 

 

 

不登校、引きこもりは、中学2年から卒業までの1年間と、高校1年の時にも経験していました。不登校のきっかけはささいなことが多いです。

 

 

 

 

 

友人に対してやさしい性格の彼は、CDとかゲームとか言われるまま貸してやるのですが、戻ってこないと人間不信に陥り、徹底して憎みました。

 

 

 

 

 

「いろんな人がいるからそういうこともあるよ」父親の言葉にも納得せずに、自分からその友人を遠ざけて、ついには不登校、引きこもりになりました。

 

 

 

 

 

官僚の父親は、子供の教育に関しては厳しい父親でした。父親自身、エリートで非常に優秀であり、不登校、引きこもり状態のわが子に対する感情には複雑なものが感じ取れました。

 

 

 

 

 

子供はまた、父親からのプレッシャーが大きすぎて悩んでいました。子供にとってさらに厳しいのは、母親もまたエリートであったことです。

 

 

 

 

 

主婦ではありますが、それなりの学歴を持っていました。子供たちにとっては追い詰められた時の最終的な意味での心のよりどころは母親、そして父親です。

 

 

 

 

 

しかし、両親があまりにも立派すぎるとよりどころがなくなってしまいます。近寄れない、そこからの重圧やプレッシャーがあります。

 

 

 

 

 

子供自身、自分の存在を小さくして、風が当たらないようなところで立ちすくんでいます。さすがに子供としてはつらいものがあります。

 

 

 

 

 

エリートである両親の息子への対応は、次の一点に徹したらどうでしょうか。一言で言えば、決してエリートの立場から子供に意見をしないこと、むしろ、あえて自分の弱点、失敗談、苦しみなどをどんどん披露して、人間臭い部分で子供に相対する努力が必要だと思います。

 

 

 

 

 

親の弱い部分を知ることで、子供は安心できます。

 

 

 

 

 

「学歴など関係ない社会でしょう。私たちも失敗の連続で、苦しい思いをたくさんしてきたし。その失敗がよかったんだよ。人生なんていうのは自分の生きたい生き方、個性を活かす生き方をすることがいいんだからね。そんなこと心配しないで」

 

 

 

 

 

彼の場合は、友人関係でつまづいたため、私は個別指導で対応することにしました。現代の子供たちは、同じ世代の友人には厳しいところがあります。

 

 

 

 

 

言葉にしても、歯に衣着せぬといったところがあります。個人的に大人たちが対応するうちに元気になっていくことがあります。

 

 

 

 

 

大人と触れ合う場合は、自分は守られているし、ストレートに傷つくような言動を受けることは少ないから非常に居心地がいいのです。

 

 

 

 

 

しかし彼の場合は、個別指導でもうまくいきませんでした。どことなくぎこちなく、本当の自分を出せないでいるようなので、私の家に泊りに来るように誘ってみました。意外にも素直にOKが出ました。

 

 

 

 

 

「大人なんて偉そうにしてるけど、みんな失敗や間違いの連続なんだよ。親の前でも、あまりいろいろなことを気にしない方がいいよ」

 

 

 

 

 

鍋をつつきながら、四方山話に花を咲かせ、それとはなしに親へのプレッシャーを取り除いていきます。

 

 

 

 

 

食事のあと、散歩がてらにコンビニを回って歩いたりして腹を割った付き合いをするように心がけています。特にコンビニで、今流行しているものを子供たちから教えてもらいます。

 

 

 

 

 

これは子供たちが嬉々としてやってくれます。子供たちはネットやテレビなどから最新の流行には敏感であり、大人の世界とはまた違った情報を持っています。

 

 

 

 

 

「このインスタントラーメンがおいしい」とか、「これはテレビで宣伝してるけどあまりおいしくない」とか、そんな情報を喜んで鼻を高くして教えてくれます。彼らが主役になった瞬間です。

 

 

 

 

 

その夜、布団を並べて寝ながら話をしたのは、互いの信頼感を築く上でとても効果があったようです。そんなこともあってか、彼は徐々に自分を取り戻していきました。



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-424-7855
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援