思春期の二つの夢壊し
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思春期の二つの夢壊し

2017年12月25日(月)9:41 AM

思春期から青年期にかけての時期は、子供から大人になっていく移行期にあたります。

 

 

 

 

 

子供時代の自分に別れを告げ、自分とは何かを考え、親から精神的な独立を遂げていく時期でもあります。

 

 

 

 

 

その意味で、子供が自他の区別がつき、歩きはじめることによって母親から身体的に離れていく 3歳ごろの分離個体期に対して、第二の分離個体化の時期ともいわれています。

 

 

 

 

 

自分らしい生き方を模索するということは、これまで親が自分にかけてきた思いや描いてきた夢を、自分の将来に結びつけていくかどうかについても、改めて問い直し、選びとらなければならないということです。

 

 

 

 

 

それはある意味では、悲しいけれども「親の夢壊し」になります。

 

 

 

 

 

親の希望が自分の夢と重なっている場合は、問題は起こりません。しかし、そのような場合でも、子供としては親が自分に注ぎこんでいるエネルギーをいったん撤退させるために、親の希望を打ち砕くという過程を踏まなければならないことがあります。

 

 

 

 

 

それは子供が、親の夢と自分のそれとを区別し、改めて自分自身の道としてとらえ直そうとする過程といえます。これが「親の夢壊し」であり、心理的な意味での親殺しがここで行われます。

 

 

 

 

 

もちろん、親の思いと子供の願いが食い違っている場合にも、「親の夢壊し」は行われます。ここで親は、これまで自分たちの子育ての原動力になっていた子供に対する自分自身の気持ちを悲しいけれども断念し、ひきあげなければなりません。

 

 

 

 

 

私は、親が子供に夢をかけ、そのかけた夢によって子供が育っていく成長過程を親子がともに歩むのと同様、子供が自立していくときには、それまで自分たちがかけた子供に対する夢を、子供自身の手で壊す過程に徹底的に付き合い、それに耐え抜く(つまり、子供に捨てられてあげる)ことで、子供の自立を助けるという一連の子供の心理的変容過程につきあうこともまた親の重要な仕事なのではないかと考えています。

 

 

 

 

 

これは、親の子離れといわれていることでありますが、実際にはこれがなかなか難しいのです。なかなか捨てられてあげることができません。

 

 

 

 

 

さらに子供は、自分でも、自分の能力がわかるようになることから、これまで自分にかけていた夢をあきらめたり、転換させなければなりません。

 

 

 

 

 

これは「自分の夢壊し」の仕事になります。このように思春期に人は、二つの「夢壊し」の課題に直面しなければなりません。

 

 

 

 

 

これは別の表現をすると、自立をめぐる心理的葛藤と言えます。この時期、子供は親から「離れたいけれども離れたくない、別れたくないけれども別れたい、いや、別れなければならない」「でも不安、できることならばこのままずっと甘えていたい」「いや、やはり自分は自分であらねばならない、そして自分らしくありたい」という心理的な葛藤を体験します。

 

 

 

 

 

このような葛藤を抱え、子供がそのような哀惜の気持ちを持ちながらも、精神的に親離れをとげ、自立していくためには関係性の根がしっかりと育っていることが欠かせません。

 

 

 

 

 

ところが、それまでに、分離独立に耐えられるほどに十分な関係育てができていなかった場合には、ここに至ってその問題が露呈します。

 

 

 

 

 

極端な場合には、子供が「自分」を生きることに絶望し、自分で自分を追い込んで自殺してしまったり、心理的な親殺しではなく、実際の親殺しが生じることもあります。

 

 

 

 

 

また、このような実際の「自分が死ぬか相手を殺すか」という事態にまで至らずとも、自立というテーマの前に立ち止まり、動けなくなってしまう子供は多くいます。

 

 

 

 

 

「ひきこもり」には、このような自立をめぐる惑いや不安もまた濃厚に影を落としています。

 

 

 

 

 

関係性の原点である、母親との間に溢れるほどの活発な相互作用があり、それを土台として緊密な愛着が形成され、他者に対する基本的信頼が育っていて初めて私たちは親の膝元から離れ、社会という他者との関係のなかに旅立っていくことができます。

 

 

 

 

 

ここに至って、関係性の根をしっかりと大地に根付かせることができなかった子供は、対人関係の難しさの前に圧倒され、対話する関係を作ることができずに導火線に火が付いてしまいます。

 

 

 

 

 

そのような要素が「ひきこもり」の中にあるのではないかと私は考えています。

 

 



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