ストレスに負けない子供を育てるためのポイント
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ストレスに負けない子供を育てるためのポイント

2017年12月23日(土)12:04 AM

子供をストレスから守るために何よりも大切なことは、自己肯定感を持たせることと、コミュニケーション能力を獲得させることです。

 

 

 

 

 

人は人とからみあってこそ自分の存在を確認できます。つまり、自己肯定感は、自分一人でつかめるものではありません。

 

 

 

 

 

傷つくかもしれませんが、立ちすくんでいるだけではストレスがもたらす不安や孤独、寂しさを癒すことはできません。

 

 

 

 

 

子供たちが「透明な存在」になってしまったり、「自分探し」にさまようことなく、たくましく生きていってほしいと願うのなら「けんかして仲直り」「せめぎ合って、折り合って、お互いさま」の営みを経験させてあげることです。

 

 

 

 

 

いわば、こうしたコミュニケーション能力が獲得できれば、子供たちは人間関係のトラブルやストレスをハプニングとして楽しめる「たくましさ」を柔らかく自然に身につけることができます。

 

 

 

 

 

そして、子供たちはコミュニケーションを重ね、自分自身を「対象化」することで、自分の輪郭が見えてきます。

 

 

 

 

 

ことの善し悪しは関係ありません。相手のリアクションを通して「いま・ここ」にいる私が、間違いなく相手にされていることに気づき、喜びを得られるのです。

 

 

 

 

 

ストレスに負けない子供を育てるポイントはここにあります。

 

 

 

 

 

20 歳を過ぎて、引きこもりを続けている青年がいいました。「人の輪の中に入りたいのに入れないのはつらいものです」

 

 

 

 

 

彼は、けんかするほど仲が良いという言葉は知っていても、それをイメージすることができないとも言います。

 

 

 

 

 

乱暴に言えば、コミュニケーションの中身はどうでもいいのかもしれません。人と人は、関係をあきらめることなくほうり出さないでからみあい続けることができれば、お互いを「必要な存在」として肯定しあえるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

人にとって大切なのは財産や学歴ではありません。孤立しない人間関係のスキルを獲得しているかどうかです。

 

 

 

 

 

そして、それは合理化された人間関係の中では育ちません。

 

 

 

 

 

手間暇かけた日常の何げないやりとり、双方向のコミュニケーションの中でしか培われないものなのです。このことを子供にも伝えてほしいと思います。

 

 

 

 

 

1 子供の話に耳を傾けて聞いてあげてください

 

 

 

 

 

子供がストレスで崩れそうな時、親として第一にするべきことはカウンセリングでいうところの「受容」と「共感」の態度で、子供の話に十分聞き入るということです。

 

 

 

 

 

受容とは、子供が伝えよう、分かってほしいと願っている思いや感情を聞くことです。この時、親の価値観で判断したりせず、まずはありのままに子供の感じ方を受け入れてあげましょう。

 

 

 

 

 

言葉を聞くのではなく、そうなってしまった気持ちを聞くようにするのです。事実を肯定するかどうかではなく、気持ちを肯定してあげてください。

 

 

 

 

 

子供が話している時は、途中で口をはさまないようにします。また、励ますよりも、子供の存在を評価します。「そうだね」と、子供を肯定してあげます。

 

 

 

 

 

子供としては、「話すといつも否定される」と思い込んでいる場合も多く、「否定されるから話したくない」という感情を持っていることもあります。

 

 

 

 

 

まず、子供が安心して話せる雰囲気をつくるようにしましょう。

 

 

 

 

 

中学の時、いじめにあって不登校をした女の子が言いました。「いじめられるつらさよりも、打ち明けられる人が一人もいないつらさのほうがきつかったです」

 

 

 

 

 

いじめのつらさは言葉では言い尽くせないものがあります。不合理で理不尽なだけに、とうてい他人には理解しきれない深い心の傷を子供に残します。

 

 

 

 

 

そして、その抱える状況はまさに孤立無援です。でももっとつらいのは、そうした悔しい気持ち、やるせない思いを、愚痴とわかっていながらも、安心して言える人がいない場合です。

 

 

 

 

 

人はどんなにみじめな状態になっても、離れずにそばにいてくれる人が一人でもいれば救われるものです。

 

 

 

 

 

先ほどの女の子は推薦で入学した高校で、保健室の養護教諭と出会うことによって、心の傷を癒すことができました。

 

 

 

 

 

皆さんには、まず親として子供が安心して愚痴や弱音を吐きだせるようにしてあげてほしいのです。

 

 

 

 

 

子供が話し始めたら、親としては我を忘れて聞きほれてほしいと思います。親が熱心に聞いてくれると、子供は安心して話をするものです。

 

 

 

 

 

2 ストレスは分かち合えることを伝えましょう

 

 

 

 

 

お互いの喜びや悲しみや苦しい気持ちをくみ取って、分かち合う心のやり取りをシェアリングといいます。

 

 

 

 

 

それは、言葉を聞くのではなく、気持ちを聞く営みの中で生まれます。

 

 

 

 

 

人の話しを味わったりかみしめるシェアリングは、聞くというリスニングと相まって、歌舞伎や 落語を見てわかるとおり日本の文化であるとさえ私は思っています。

 

 

 

 

 

でも、戦後、経済発展を突っ走ってきた日本には、そのような手間暇かかる生活を過ごす余裕が持てなかったようです。

 

 

 

 

 

シェアリングを減らすことで、経済的な豊かさを手に入れることができたのかもしれません。

 

 

 

 

 

今の大人たちには、人の気持ちをくんで分かち合うという感性がさびついてしまっています。特に企業戦士の父親たちが今そのことを子供たちから突きつけられています。

 

 

 

 

 

そうした父親たちの多くは、ストレスで悩んでいる子供の話を聞くと、「そうか、わかった。だけどおまえもここを直した方がいいぞ」といってしまいます。

 

 

 

 

 

特に一生懸命聞いたときほど、子供も親の気持ちがわかるだろうと安心して、こうした言葉を子供にかけてしまいます。

 

 

 

 

 

私もカウンセリングを学ぶ前は、そんな父親だったように思います。でも、それが子供にどんなにつらい思いをさせるのか、孤独感を抱かせるものなのか、面接を通して学ばせてもらいました。

 

 

 

 

 

私は小さいころから学校の勉強が苦手でした。それがつらくて、悔しくて母親に当たりたい気持ちも少しあって次のように言ったことがあります。

 

 

 

 

 

「お母さん、おれ、どうして勉強できないのかなあ・・・・・」このように言われると、つい「努力が足りないんだよ」と返事をしたくなるものです。

 

 

 

 

 

でも、うちの母親はこういいました。「それはそうだよ、親の子なんだから」母親は私を責めないで、「勉強ができたいな」と思っている私の気持ちをくんでいたのです。

 

 

 

 

 

これがシェアリングなのではないでしょうか。シェアリングがないと、心はいつも消化不良で肯定感が持てません。

 

 

 

 

 

特に子供たちは、抱えるストレスや現実は変わらなくても、親から分かち合う時を共有してもらえることで、何とかそのストレスを乗りきっていけるものなのです。

 

 

 

 

 

3 時には不安の先取りをしてあげる

 

 

 

 

 

子供がストレスで不安な気持ちを抱えているとき、あるいは不安を抱えそうになっている時、親としてはどのような行動をとったらいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

私は、子供の気持ちを先取りし、「心配ないよ」「大丈夫だよ」と声を掛けてあげることが必要だと思っています。

 

 

 

 

 

「ストレスに打ちかつためには、一人で努力することを学ばせることも大切」という理屈で、じっと見守る親も多いと思います。

 

 

 

 

 

子供が自分の力で不安に打ち勝てばいいし、どうしようもできなくなったら、その時に親が助けてあげればいいというわけです。

 

 

 

 

 

確かに子供を教育するという点では効果的です。ですが、こうした姿勢を持つ親たちは合理的に物事をとらえる傾向があります。

 

 

 

 

 

そのため、子供の抱えるストレスの原因を探ろうとして、「なぜなの」「どうしてなの」という問いかけをしてしまいがちです。

 

 

 

 

 

じっと見守ると言いながら、非難めいた言動で、大人としての合理的な解決方法を子供に示そうとします。

 

 

 

 

 

でも、子供が抱える悩みは大人の理屈では解決できないものが多いのです。

 

 

 

 

 

解決方法を知ったからと言って、すぐに悩みや不安がなくなるわけではありません。

 

 

 

 

 

むしろ、子供が不安な気持をいだいている、あるいはいだきそうだという場合、「見守っているよ。いざとなったらお母さんやお父さんが助けてあげるね」と、子供への親の気持ちを先に伝えることで、子供は不安に対して前向きに対応できるようになります。

 

 

 

 

 

「不安に対する免疫力をつける」とでも言ったらいいでしょうか。

 

 

 

 

 

そうしたからといって、子供がいたずらに依存的になるわけではありません。いわゆる「いい子」ほど、「親に心配をかけたくない」と思って、一人で不安を抱えやすいものです。

 

 

 

 

 

ですから、親としては、不安を先取りしてあげるくらいの気持ちでいて、ちょうどいいのです。

 

 

 

 

 

いざとなったら、親が助けてくれると子供が感じることで、失敗したときに踏ん張る力がわいてきます。

 

 

 

 

 

子供たちは、何度も何度もストレスを乗り越えようと努力するものです。不安の先取りはその時の支えとなるのです。

 

 

 

 

 

4 子供に肯定的な関心を示しましょう

 

 

 

 

 

子供たちは、親から見守られているという実感を持つことでストレスに耐える力がわいてきます。

 

 

 

 

 

いざという時には両親が助けてくれるという気持ちがストレスに負けない心を育てるのです。そして、見守られているという実感は、具体的に関心を寄せてもらえることから始まります。

 

 

 

 

 

父親に関心を寄せてもらえない心情を、相談室で次のように語った子供がいます。

 

 

 

 

 

「お父さんは会社の子育てばかりして、僕の子育てをしてくれなかった。お父さんは僕になんの関心もない。高校に行くときだって『お前どこの高校に行きたいんだ。偏差値はいくつだ。お金はいくらかかるんだ』の三つしか聞いてくれなかった。

 

 

 

 

 

そして、唐突に声をかける言葉は『しっかりやっているか。お母さんに迷惑をかけていないだろうな』僕は、お父さんにもっといろいろなことを聞いてほしかった」

 

 

 

 

 

ただし、親が関心を示すと子供は「いちいちうるさいな。そんなにかまうなよ」と反発することがよくあります。

 

 

 

 

 

でも、それでいいのです。親としては「いつもあなたのことに関心をもっている」というメッセージを送り続けることが大切なのです。

 

 

 

 

 

ここで注意してほしいことがあります。親のエゴで関心をもたないということです。親の理想に近づけようとして子供の言動をチェックしてはいけないということです。

 

 

 

 

 

親から見ると子供の言動は幼稚で、危なっかしいものです。「なんでそんなことするの」「情けないな」と否定の関心を示してしまいがちです。

 

 

 

 

 

これでは子供たちは「いつもだめだ、だめだと言われる。もう相談なんかしない」という心境になってしまいます。

 

 

 

 

 

「肯定」と「支持」をベースにして、子供の言動に下心なく関心をもってください。

 

 

 

 

 

肯定的な関心は、親と子の会話の糸口になります。人間関係の悩みで押しつぶされそうな時、いつでも親に相談できるという安心感を子供にもたせることにつながります。

 

 

 

 

 

これがストレスを乗り切るための有力な支えになるのです。

 

 

 

 

 

5 子供の長所を褒めてあげましょう

 

 

 

 

 

ストレスはどこにでもあります。避けて通ることができません。ストレスの原因がすぐに取りのぞけるものであればいいのですが、そのほとんどは簡単に除去することができません。

 

 

 

 

 

ですから、ストレスに負けないようにするためには、ストレスを前向きに受けとるようにすることが大切です。物事を積極的、前向きにとらえることです。

 

 

 

 

 

子供がそういう考えをもてるようになるためには、親がプラス思考で考える姿勢でいることが必要です。まず、目の前の子供をこうした態度で見てみるようにしましょう。

 

 

 

 

 

子供の長所をできるだけ多くみつけ、それを話題にしてあげるのです。そうすれば、「こんなふうに、親は自分のことを見てくれているんだ」と自信にもつながります。

 

 

 

 

 

ストレスは性格の短所を肥大化させます。「いい子」が「困った子」に変ってしまうのです。

 

 

 

 

 

そんな時こそ、子供の性格の長所に目を向けてほしいのです。そういう気持ちで子供に接していると、子供の一言一言、子供の健気さが見えてきます。

 

 

 

 

 

もし、子供が失敗を重ねてしまい落ち込んでいるようであれば、子供の健気さを肯定してあげてください。

 

 

 

 

 

自信を回復させるのに手遅れはありません。今からでも遅くありません。とにかく肯定してほめてあげてほしいのです。

 

 

 

 

 

ほめる材料はいくらでもあります。何も成績や学校のことだけではありません。趣味のことでも、日常のちょっとした行動のことでも何だってほめる材料はあるはずです。

 

 

 

 

 

問題は、親の側に子供の長所、よいところを見つける気持ちがあるかどうかです。愛情があれば、子供のいいところはいくらでも見つかります。

 

 

 

 

 

物事を否定的にとらえることほど、人生をつまらなくさせるものはありません。相談室で高校一年生の男の子がいいました。

 

 

 

 

 

「お母さんの話はいつも否定から始まるから、話す気になれないんだよ」母親がそのように言ってしまう気持ちはわかります。

 

 

 

 

 

母親自身が、子供に対する不安をぬぐい切れないのです。他人の子をほめることはあっても、我が子はほめたことがないという声もよく聞きます。

 

 

 

 

 

「我が子かわいさ」が裏目に出ているのです。そうした親の不安が、子供を追い込んでしまう事実も忘れないようにしたいものです。

 

 

 

 

 

6 成功体験を積み上げさせましょう

 

 

 

 

 

ストレスに負けない柔軟な心を養うためには、ストレスを乗り越えることができるという自信を子ども自身が持つことが必要です。

 

 

 

 

 

自信は一朝一夕につくものではありません。まして周囲の大人が「自信を持ちなさい」と励ませばいいというものでもありません。

 

 

 

 

 

日々の生活の中で、さまざまな成功体験を積み重ねることによって、自信は育まれていきます。一つ一つの目標を達成することによって自分の中に「僕でも何とかなる」「私でもできるわ」という自信がついていくのです。

 

 

 

 

 

自信を持たされて育った子供は逆境に強くなります。失敗してもめげずに前向きに挑戦しようという気持ちがわいてきます。

 

 

 

 

ただし、その目標は重要であっても、成し遂げるのに時間がかかり過ぎたり、困難すぎるものだと達成できない失望感にさいなまれてしまうことになるので注意が必要です。

 

 

 

 

 

子供が努力すれば達成できるものが目標といえるのです。もっとも、時として子供は親の目から見るととても実現できそうにない夢をいだくことがあります。

 

 

 

 

 

そのような時でも、「そんなことできるはずないでしょう」と頭から否定することは避けましょう。「すごい夢を持っているね。実現できるといいね」と肯定し、子供がそれにうなずいたら、「ではとりあえずこうしてみたらどうかな」という具合に達成可能な小さな目標を一緒に設定してあげるようにしてください。

 

 

 

 

 

実際にやってみて、その小さな目標をクリアできることもあるでしょうし、失敗することもあるでしょう。どちらにしても「よく頑張ったね」と目標に向かって取り組んだことを評価してあげてください。

 

 

 

 

 

そうすることで、子供としては自信につながり、また存在を認めてもらったという達成感に満たされることになります。

 

 

 

 

 

子供の世界では、何が成功で何が失敗かが分かりづらいものです。成功と失敗の境界があいまいです。

 

 

 

 

 

「100点」でなくても、「80点」の成績を頑張ったと評価できるかどうかです。つまり、 一 の努力も十の努力も努力に変わりはないということです。

 

 

 

 

 

親から認められることで、子供は自信と勇気を持つのです。

 

 

 

 

 

7   子供の夢を親の価値観で縛らない

 

 

 

 

一つの価値観にとらわれていると、ストレスに対して柔軟に対処することができません。ストレスと上手に付き合うには、状況に応じた様々な対処方法を身につけていることが大切です。

 

 

 

 

 

最近の子供たちは、小さい時から親や周りの過度の期待と仲間との競争の中で過ごしてきています。

 

 

 

 

 

学歴や能力主義の価値観しか知らず、それが絶対だと信じて 10代を受験競争だけに突っ走ってきた子供は、受験などでの挫折を契機に、突然、燃え尽きてしまうことがあります。

 

 

 

 

 

受験の失敗、それ自体が人生の失敗のように思えてしまうのです。また、早期教育を受け小さい時から数々のおけいこごとをしてきた子供が大きくなるにしたがい、親の期待通りの道を進めないとわかったとき、逃げ道を失い、燃え尽きてしまうこともあります。

 

 

 

 

 

悲しいことに多くの親は、学歴主義の神話にいまだに惑わされています。過去の相談ケースでは、休日になると子供と一緒に皇居の周りをジョギングして「将来、おまえはここから見えるあの大きな会社に絶対に就職しなければならない。

 

 

 

 

 

そのためにはいい学校に行かなければいけないのよ」と子供に説いた母親がいました。何か特別なケースだと思われる方がいるかもしれません。

 

 

 

 

 

でも私たちは「我が子だからこそ、何か確かなものを得させたい。安全な進路を歩ませたい」と思うのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

その気持ちは痛いほどわかります。でも、この世にぜったい安心できるものなどありません。10年先まで見通せるものなどないのです。

 

 

 

 

 

一流企業にさえ入れば、10年先 20年先も安心して暮らせるというのは、幻想にしかすぎません。

 

 

 

 

 

私は、とりあえず今を一生懸命に生きる、いま与えられた状況の中でとりあえず頑張ってみる、その積み重ねが人生だと思っています。

 

 

 

 

 

親の目標と子供の目標は一緒ではありません。互いに相手を目標を認め合ってこそ家族です。親の価値観で子供の夢を縛らないようにしましょう。

 

 

 

 

 

色々な夢を子供に見せてあげてください。夢のない人間は孤立していきます。夢があるから、失敗が挫折にも強くなれるのです。失敗してもせめて親だけは許してくれると思えたら、子供は頑張る力がわいてくるのです。

 

 

 

 

 

8 間のとれる人間に育てましょう

 

 

 

 

 

高度経済成長を続けていた時代は、努力すれば報われるという価値観が通用していた時代です。ですが、今は努力しても報われないことがあるという時代に入りました。

 

 

 

 

 

こうした状況の中で大人になろうとしている子供たちは、何を目標にして、何を目指していけばいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

私は、大人になるということは、人との関係、つまり「間(ま)」のとれる人間になることだと、日常の相談の中で子どもたちに話しています。

 

 

 

 

 

人と触れ合う、あるいはかかわりあうことができるということです。少しでも疲れない、ほどよい人間関係を保てる人になることが大人になることだと話しています。

 

 

 

 

 

不登校やひきこもりの子供たちの場合、自立や働くということ自体が目の前の差し迫った問題になっています。そうした子供も「間のとれる人間になる」ことが目標だと話してあげると、楽な気持ちで自分の将来と向き合うことができるようになります。

 

 

 

 

 

いわゆる優等生の子供が、いい大学を出て、一流企業に入ったものの、人間関係で挫折して、引きこもってしまった例を数多く見てきました。

 

 

 

 

 

「人間関係にも偏差値があればいいのに」と言った子どももいました。「間」を保ちながら豊かな人間関係をつくっていくことができるかどうか、これが人が生きていくうえでの命綱だと思います。

 

 

 

 

 

本来、「間」は友だちとの遊びの中で身につけていくものです。でも、最近は、遊びが失われつつあります。そのため、好き、嫌いといった二者択一の関係しかとることができず、つかず離れずの中間距離をつくる人間関係を学ぶ機会が少なくなってしまいました。

 

 

 

 

 

まずは、家のなかで親と子、兄弟姉妹が触れ合う機会を大切にしましょう。次に近所の人と触れ合えるかどうかということを課題にしていきましょう。

 

 

 

 

 

堅苦しく考えることはありません。「おはよう」「いただきます」「行ってきます」などのあいさつをまずは大切にしましょう。

 

 

 

 

 

家庭内でのあいさつが、やわらかくできる子供は、安易に人間関係を拒絶したりしません。また、「ごめんなさい」という言葉も大切にしてほしいひと言です。

 

 

 

 

 

このひと言は、お互いの感情を交流させ人間関係をつくるきっかけになります。これは、弱さを見せてはいけないと思っているとなかなか出ない言葉です。

 

 

 

 

 

9 親がコミュニケーション能力を示しましょう

 

 

 

 

 

ストレスに負けない子供を育てる鍵は、「せめぎ合って、折り合って、お互いさま」のコミュニケーション能力を身につけさせることができるかどうかです。

 

 

 

 

 

もう一度考えてみてください。わたしたち親がその能力を身につけているでしょうか。子供たちに教えているでしょうか。意外と親自身が人間関係を粗末にしているのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

夫婦の間で波風を立てないようにしていたり、家族だけで居心地のよい限られた世界を作っていたり、周りとの人間関係を品よくおさめすぎてはいないでしょうか。

 

 

 

 

 

子供は親の姿を見て育ちます。親が合理的で希薄な人間関係しか求めていないとすれば、子供が手間ひまかかる人間関係を学べるはずがありません。

 

 

 

 

 

思春期の子供をもつ42歳の母親が、「夫婦間のことが原因で子供にあたってしまう」という相談に来たことがあります。彼女の悩みは「主人に不満を言いたい。でもなかなか言えないし、言う気にもなれない」ということでした。

 

 

 

 

 

その理由を聞いてみると、「言っても『そうか』というひと言で終わってしまうのがわかる」と言うのです。6歳年上の夫は、いままで一度も彼女を怒ったことがないそうです。

 

 

 

 

 

「子供は意欲と思いやりのある子に育ててくれればいい」と言うだけだったと言うのです。

 

 

 

 

私は彼女の寂しさ、子育てに対する不安や心細さを思いうかべつつも、「我慢しないで、思ったことを言った方がいいですよ」と言いました。

 

 

 

 

 

すると彼女は、「えっ、いっていいんですか。思ったことをお互いに言ったら、傷つけあってしまうじゃないですか」と困惑しました。

 

 

 

 

 

1か月後、彼女と一緒に来談した夫が「引き際が二人とも見つからず疲れました。妻も私もいい子で育っていたんですね。けんかするほど夫婦の仲が良くなるって、少しだけわかりました」と言ってくれました。

 

 

 

 

 

本音を出し合うと、うっとうしさが伴います。でも、それは深くつながり合っている証拠です。本音を出してこそ、お互いが歩み寄って持ちつ持たれつの関係が理解できるのです。

 

 

 

 

 

夫婦げんかは、離婚までいかない限り、必ず仲直りが先に持っています。子供は、「けんかしても仲直りできればいいんだ」ということを学びます。

 

 

 

 

 

せめぎ合わない家族はけんかもしませんが、みんなが事を荒立てないように緊張してしまうものです。

 

 

 

 

 

コミュニケーション能力を学ぶ場は、家族という私たちの身近なところにあるのです。

 

 

 

 

 

10 弱音が吐けると未来が開けます

 

 

 

 

 

ストレスに負けないというと、ストレスに耐えることや我慢することをだれもが想像します。子供が嫌なことを頑張って成し遂げる姿、つらいことをじっと耐え続ける姿勢は健気で立派なことです。

 

 

 

 

 

確かに、今の子供たちに耐えることを教えることは大切です。

 

 

 

 

 

でも、耐えることができない場合があるのも事実です。子供が一人で抱えきれない不安や悩みがあるとき、周囲に手助けを求めても、それは非難されることではありません。

 

 

 

 

 

耐えることと同じくらいに称賛されていいことだと思います。

 

 

 

 

 

この世の中には、一人で耐えても解決できないことがたくさんあります。一人で努力しても報われない場合があるのです。

 

 

 

 

 

そんな時は、誰かに弱音や愚痴を聞いてほしいのです。努力しても報われないことを受け止めてもらえてこそ、いつかこの努力が実る日が来ると信じる意欲が生まれます。

 

 

 

 

 

子供が弱音を吐いてくれる、甘えてくれる、このことは親としては喜ぶべきことではないでしょうか。

 

 

 

 

 

面接に来談する父親の中には、悲しみを込めて、「子供が全然私になついてくれないのです。そんなに父親の私が悪いのでしょうか。どうしたらなついてもらえますか」と訴える人がいます。

 

 

 

 

 

懐くという字は、「ふところ」という字です。

 

 

 

 

 

子供が親の懐に飛び込んでいきたいと思うためには、どこからでも入ってこられるように脇を甘くして懐を広げることです。そして、脇が甘いから、子供ががっぷり四つに組むことができるのです。

 

 

 

 

 

文字通り、子供からなついてもらえるようになるためには、親が隙だらけになることです。自分を飾らない、建前を押し付けない、失敗してもいいやという気持ちを親がもつことです。

 

 

 

 

 

親も小心さ、陰の部分、弱さを子供の前でさりげなく出してみることです。

 

 

 

 

 

いい子で育ってきた親ほど、立派な親になろうとします。間違いを犯さず、いつもきちんとして規則正しく生きようとします。でも、どうでしょうか。

 

 

 

 

 

失敗が許されない、ルーズさが認められない生活ほど、息苦しくて緊張してしまうものはありません。

 

 

 

 

 

子供にとって、親はことさら立派である必要はありません。いい親を演じる必要はないのです。

 

 

 

 

 

子供に対しては、親として、あるいは母親、父親として一個の人間として欠点を隠さず出し、弱音を吐いても構わないのです。

 

 

 

 

 

そして、弱音を吐くということは、自分のネガティブな感情に気づくということです。まさに自己肯定への第一歩です。

 

 

 

 

 

自分が自分を肯定できることが大切なのです。本当の「安心できる家」とは 実は自分の中にあるのかもしれません。

 



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