強迫性障害・パニック障害とひきこもり
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強迫性障害・パニック障害とひきこもり

2017年12月22日(金)4:37 PM

強迫性障害は 1980年代ころまではそれほど多くないとされていましたが、近年の研究では全人口の 2.5パーセントの有病率という結果が報告されています。

 

 

 

 

 

統合失調症の有病率1、6パーセントを上回っており、非常に多くの患者さんが存在することがわかってきました。

 

 

 

 

 

日本においても増加傾向にあるようです。

 

 

 

 

 

A君は、大学卒業後システムエンジニアとして働いていました。大学まで特にこれといった問題もなく、順調に人生を歩んでいました。

 

 

 

 

 

働いて2年ほどたったとき、残業が続いていましたが仕事に生きがいを感じていたので、特に苦痛は感じていませんでした。

 

 

 

 

 

しかし、いつものように職場で最後に残業を終えて自宅に帰ろうとしたときに、ふとドアの鍵をかけたのかが気になって、途中まで来たもののもう一度確認をしに会社に帰りました。

 

 

 

 

 

そして、翌日からも戸締まりが非常に気になって自宅のカギを何回も確認したり、電化製品のスイッチやガスの元栓などが自分ではどうしようもなく気になって、出社するのに時間がかかるようになりました。

 

 

 

 

 

確認行為は徐々に広がっていき、車を運転していても人を轢いたんじゃないかと気になって、運転もままならなくなっていきました。

 

 

 

 

 

自分でも無駄なことをしていることはわかっていても確認せずにはいられなくなったのです。

 

 

 

 

 

ついには行動一つ一つが時間を要するようになり、仕事も手につかなくなり休職を余儀なくされました。その後、関東自立就労支援センターに相談後、わたしの知人のクリニックを受診しました。

 

 

 

 

 

受診後、投薬によってのんびりと自分の趣味である釣りをしたり、旅行したりできるようになり、確認行為はまだ少し残っているものの自分で症状をコントロールできるようになって、服薬を続けながら 6か月後復職し、現在は自分のペースを守りながら仕事をこなしています。

 

 

 

 

 

A君は一番ひどい時は確認をしなければ気がおさまらないという強迫観念に支配されて、強迫行為を繰り返し、自分の行動が制限されてついには自宅から一歩も外出できないような引きこもりの状態に至りました。

 

 

 

 

 

A君は典型的な強迫性症状だったのですが、強迫性症状の人はA君のように、自分が無駄なことをしていることがわかりすぎるほどわかっていることが特徴です。

 

 

 

 

 

引きこもりの人が、どうして自分が引きこもりの状態にあるのか理解できないのとは対照的に(もちろん理解している人もいますが)、強迫性障害の人は自分が引きこもっている理由が痛いほどわかっているのです。

 

 

 

 

 

「パニック障害」について

 

 

 

 

 

パニック障害は、近年その数が非常に増加しています。内科では、過呼吸症候群、過換気症候群と呼ばれるものもパニック障害に該当します。

 

 

 

 

 

女性に多く、一生のうち一回でもパニック発作に襲われる女性は 二○人に一人と言われています。パニック発作は急激に発症し、一○分以内にその頂点に達するというものです。

 

 

 

 

 

パニック発作が何回も続いたり、社会生活や日常生活に支障をきたすようになるとパニック障害とよばれます。

 

 

 

 

 

A子さんは高校卒業後、運輸会社の事務員として就職しました。入社後五年ほどたってからは責任ある仕事を任せられるようになり、重荷に感じることもありましたがしっかりと仕事をこなしていました。

 

 

 

 

 

ある日、出社するために自宅から急行電車に乗っていました。その日は朝から下痢気味だったのですが、乗車中に突然、おなかが痛くなりそれと同時に冷汗がどっと吹き出して、呼吸困難になり、めまい、窒息感を覚えて気を失いそうになりました。

 

 

 

 

 

それで電車を降りようとしましたが、あいにく急行電車だったため急には降りられず、通勤ラッシュ時で身動きも出来ず、倒れそうになりながら何とか次の駅までたどりつきました。

 

 

 

 

 

それ以来、A子さんは急行電車に乗車できなくなり、各駅に停車する電車でなければ乗れなくなってしまいました。

 

 

 

 

 

そして、次第にA子さんは、いつか発作が起こって自分が死んでしまうのではないかと思って、一人で過ごすことができなくなり、誰かが近くにいないと車が運転できず、ついには電車も一人では乗れず、自宅から出られなくなってしまいました。

 

 

 

 

 

しばらく自宅に引きこもって静養していましたが、なかなか改善しないために関東自立就労支援センターに相談に来ました。

 

 

 

 

 

そこで私は知人のクリニックを紹介しました。受診後、薬の服用とパニック障害に非常に有効とされている認知行動療法を行い、1か月ほどで急速に改善し、現在は時々不安なときに薬を服用するだけで復職して元気に働いています。

 

 

 

 

 

A子さんは、苦手な場所(彼女の場合はすぐに降りることができない電車)が存在する空間恐怖を伴うパニック障害ということができます。

 

 

 

 

 

A子さんは最初は苦手な場所が急行電車だけだったのが、最後は家から出られなくなるまで苦手な場所が急速に広がってきました。

 

 

 

 

 

このように苦手な場所が広がっていくことを精神医学用語で「全般化」といいます。A子さんの場合、この全般化が起こって、ついには自宅から出られなくなり、引きこもりの状態を呈しました。

 

 

 

 

 

しかし、A子さんに見られるようにパニック障害の人は引きこもりの人とは全く異なっています。

 

 

 

 

 

パニック障害の人は明らかな不安があるからこそ外出できないのです。パニック発作が起きるんじゃないかという不安のために外出できないのです。

 

 

 



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