子供が本格的にひきこもりだしたら、親はどのように対応したらよいか
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子供が本格的にひきこもりだしたら、親はどのように対応したらよいか

2017年12月13日(水)10:36 AM

ひきこもり始めた子供は、たいていひとりぼっちで心細い状態になっています。

 

 

 

 

 

学校という社会から離れ、家族からもはみ出し、まるで糸の切れた凧のような心境でしょう。自分からそうなったといってしまえばそれまでです。

 

 

 

 

 

が、とはいっても、どうしたらよいかわからない。自分で自分が分からない、そしてこれから先自分がどうなっていくのかも・・・・・・。

 

 

 

 

 

このような不安定な時期を子供が上手に通過し、乗り越えていくためにはだれかが理解してくれている、分かってくれている、という気持ちが支えとなります。

 

 

 

 

 

その支えによって、子供はその事態を自分で解決していく、あるいはその中で何とかやり抜いていくエネルギーを得ていくのです。

 

 

 

 

 

「自室でのひきこもり」から「家の中でのひきこもり」へ

 

 

 

 

 

もしもこの時、お父さんやお母さんが「いったいいつまでそんなことをしているの」「いい加減にしなさい」あるいは「そんなことをしてるのは家の恥だ」などというように対応していくと、子供は家にいても落ち着かず、心がいっときも休まりません。

 

 

 

 

 

弟や妹がいる場合には、彼らからも「ずるいよ」と言われることが多いでしょう。まだ幼い兄弟の場合には、ひきこもった本人の気持ちを理解しろというのは難しいものです。

 

 

 

 

 

しかし家族にそう言われてばかりいたら、本人はいっそう自分の殻に閉じこもらざるを得なくなってしまいます。

 

 

 

 

 

これらの家族の言葉の中には、私たち日本人が一般に共有し、共有させられている世間体や常識、そして「ちょっとでも通常のコースから外れたり、遅れると、人生取り返しがつかない」という思い込み(錯覚)が語られています。

 

 

 

 

 

確かにこの狭い、思い込みともとらわれともいえる枠の範囲内においては、家族のメッセージは正しいといえます。

 

 

 

 

 

親御さんと同様、本人もまたこのような価値観に縛られています。ですから子供も、「十分にそんなことはわかっている」のです。

 

 

 

 

 

でも、どうにもならない、だからつらいのです。このような思い込みの世界が、親子の生の対応を妨げているように思います。

 

 

 

 

 

ひきこもった子供が自室にこもるのは、自分を守るためです。ですから、家にて自分が守られているという感じを子供が持つことができれば、精神的に楽になって部屋から出てくることができるようになります。

 

 

 

 

 

これが「ひとりぼっちのひきこもり」から「一人ではないひきこもり」状態への移行なのです。一人ではないということが、子供を孤独感と疎外感から救います。

 

 

 

 

 

おじいちゃんやおばあちゃんが同居している場合には、このような心理的なメカニズムをご両親が説明し、協力を求めると良いでしょう。

 

 

 

 

 

ただこの時、「おやつ買ってきたから食べにおいで」とか、「○○があるよ」といった誘いかけをおじいちゃんやおばあちゃんが一生懸命にしてしまうと、押しつけになる心配があります。

 

 

 

 

 

それらの対応が、子供のひきこもりをかえって強化することになりかねません。

 

 

 

 

 

協力とはすなわち、「何かをする」ということよりもむしろ、「何もしない、何も言わないでいること」といった方がいいかもしれません。

 

 

 

 

 

あまりにも大きな精神的疲労がゆえに

 

 

 

 

 

しかし、部屋から出てくるようになってもたいていの場合、子供は何をするわけでもなく居間に一日中いてボーッとテレビを見たり、ゲームをしてみたり、ソファーで牛のようにごろごろして寝てばかりいる、というような具合になります。

 

 

 

 

 

しゃんとしていないのです。そして実によく眠ります。そうすると、見ている親御さんの方が次第にたまらなくなり、イライラしてきます。

 

 

 

 

 

そして子供がひきこもっているのは、単なる甘えやわがままであって、それをこのまま自由気ままにさせておくのは間違っているのではないかという疑念がムクムクとわいてきます。

 

 

 

 

 

この疑念は、いったんおさまっても何度も再燃してきます。もちろん例外もあるでしょうが、ほとんどの場合、甘えやわがままもゼロとは言えないでしょうが、それだけからきているのではありません。

 

 

 

 

 

ひきこもりに入った子供が1日中、あるいは十四~五時間寝てしまうということはよくあります。彼らは本当によく眠ります。ということは、彼らの精神がそれほどまでに疲れきっているということなのです。

 

 

 

 

 

ですから最初のうちは、その疲労をとってあげることが、状態の改善に有効だと私は考えています。

 

 

 

 

 

お母さんのリフレッシュメントも

 

 

 

 

 

しかしこのようなわが子を毎日見ていると、だんだんとお母さんの方が精神的に参ってきます。わかってはいても、「もうそろそろ学校に行ったら?」とか「これからどうするつもり?」などと口走ってしまうことになります。

 

 

 

 

 

毎日顔を突き合わせていると、そう言いたくなるのも無理からぬことでしょう。心配のあまりお母さんがノイローゼのようになったり、世間体やご近所との関係に悩み、ひきこもりに近い状態になることもしばしばあります。

 

 

 

 

 

また言葉にこそ出さなくても、内心はイライラしているとそれがちょっとした態度や雰囲気に現われ、子供に伝わります。

 

 

 

 

 

こういう場合、言葉で表出されたものよりも非言語的メッセージの方が子供に確実に伝わっていくのです。

 

 

 

 

 

ですから「言わなければよい」のではありません。こんな時、習い事があったりパートの仕事をしていると助かるかもしれません。

 

 

 

 

 

少しでも子供から離れていれば、見ていなければ、つまり一緒にいる時間が短ければ優しい気持ちで接することも少しは容易になるでしょう。

 

 

 

 

 

子供がひきこもり始めると、それまでしていた仕事(フルタイムの場合でも)を辞めて家にいるべきか否かを悩むお母さんも多いのですが、親子で家にこもると互いが互いに悪影響を及ぼし、二人ともに精神衛生が悪化していくことはよくあります。

 

 

 

 

 

親が家にいればよいというものでもありません。子供は自分自身の精神状態を保つのに精いっぱいです。ですのでお母さんが、ご自身の心配や不安を自分でコントロールできると子供も助かります。

 

 

 

 

 

時にどこかに出かけたり、好きなことをしたりしてリフレッシュメントをしながら長期戦に備えるとよいと思います。焦りは禁物です。

 

 

 

 

 

もしも親御さんが自分の不安や心配を自分でコントロールできないと、子供は親の精神状態を心配しながら自分の精神的な安定を考えていかなくてはなりません。

 

 

 

 

 

「仮の過ごし方」の工夫

 

 

 

 

 

ひきこもった子供の生活は、どうしてもだらしなくなりがちです。その理由は第一には精神的な疲労からです。そして第二の理由としては、積極的に何かをするというような目的がないからなのです。

 

 

 

 

 

何が契機になったにしろ、ひきこもった子供には先が見えません。自分が元いた世界に戻るか、新たな出発をするか全くわかりません。

 

 

 

 

 

自分のために勉強したり、体力をつけたり、自分のために朝早く起きて規則正しい生活をするということは確かに良いことですが、この「自分のために」というのは、何が自分のためになるのか分からなくなってひきこもりに入っている子供にとっては、机上の空論でしかありません。

 

 

 

 

 

もちろん、ひきこもりをやめるということは一つの大きな目的です。しかしそれには時間が必要です。とするならば、ひきこもりから現実の世界に戻って行くまで、「仮の過ごし方」を工夫する必要がありそうです。

 

 

 

 

 

例えば朝ちゃんと起きて夜寝る、というように調整することができるかどうか。勉強の面に関しては、自分でドリルをするとか通信添削を受けるとか、あるいは家庭教師を頼むなど、どのようにすると毎日30分でも1時間でも継続してやることができるようになるか。

 

 

 

 

 

また体力の面に関しては、夕方散歩をするとか、筋力トレーニングをする、あるいは簡単な体操をするなど継続してできることはないか・・・・・・・・・といったことのうち、できることから一つずつやっていくのです。

 

 

 

 

 

試行錯誤をしながら

 

 

 

 

 

しかしこういうことは案外難しいのです。複数の課題を最初から盛り込んで 1日のスケジュールを立てると、たいていは失敗します。

 

 

 

 

 

そして達成できなかったことに挫折感を増やすだけです。ですので、親御さんと本人で、できるといい課題を選び出し、そのうちのまず一つだけを選んで必ず毎日取り組む課題とするのです。

 

 

 

 

 

例えば「朝起きて夜眠れるようにする」という課題を取りあげたとしましょう。そうしたら、ただやみくもに朝7時にお母さんが起こす、ということをするのではなく、いま起きている時間からちょっと早めの時間を起床時間と決めて、声をかけてもらう、その声は何回まで、何分おきにするか、ということまで決めてどれくらいすると自分でそれをできるようになるかをモニターするのです。

 

 

 

 

 

これを毎週点検しなおして、良くない点は改良し、良い点を伸ばしていくようにするのです。一つのアイデアとしては睡眠薬を処方してもらうということもあるでしょう。

 

 

 

 

 

しかしそれでできるようになるかどうかは別なのです。要は、工夫してみるということなのです。この時、そんなことをしてもうまくいくはずはないからと、子供からのアイデアを実行する前からお母さんが却下してしまう場合があります。

 

 

 

 

 

しかし一生懸命知恵をふりしぼって生み出したアイデアを一言で否定されたら、子供は再び考える気持ちがくじけてしまうでしょう。

 

 

 

 

 

だめかもしれないと思っても、できることはやってみてください。それが子供にとって誰かと「ともに悩み、一緒にる」というかけがえのない体験となるのですから。

 

 

 

 

 

真夜中の対応も

 

 

 

 

 

一般的には、子供に接している機会の多いお母さんの方が、お父さんよりも早く子供の気持ちに寄り添って動けるようです。

 

 

 

 

 

そうなると、子供はお母さんに対して自分の苦しさを訴え、甘えるようになりますが、それはたいていの場合、夜中です。

 

 

 

 

 

夜、あたりが静まるとひきこもった子供の心の中は、次第に活性化してきます。そうなると苦しさや不安、混乱が頭をもたげてきます。

 

 

 

 

 

「どうして?」「なぜ?」という問いは次第にお母さんやお父さんとの関係にまでさかのぼっていきます。そして過去の話や現在の苦しさをお母さんを自室に呼んで、2時間でも3時間でも訴えるようになります。

 

 

 

 

 

もし子供がこのような対応を要求してきたら、できるだけそのようにしてあげてください。この時も全く取り合わずに、「明日がきついから、お母さんは付き合えない」と言ったり、「もう寝ましょう。明日聞くから」と確かに現実はそうなのだとは思うのですが、そのような対応をされてしまうと、子供はがっかりし、受けとめてもらえなかったと感じるでしょう。

 

 

 

 

 

そうなるといっそうひきこもるか、言葉や身体での暴力がでざるを得なくなるかもしれません。子供は今、自分がどうしたらよいのか途方に暮れています。

 

 

 

 

 

とても自分自身を肯定的には考えられません。自分なんか、しょうもないやつだとしか思えていません。

 

 

 

 

 

そんな時、親子さんが自分よりも親自身の都合を優先させたとなると、つらくて悲しくてどうにもならないのです。ですからこの時には、どんなことをしても私はあなたを見捨ててはいない、ということを親は言葉でではなく態度でしっかりと示すことが必要なのです。

 

 

 

 

 

もちろん、毎日仕事をしているお母さんなどの場合、無条件に子供の要求をのんでいたら身体が壊れてしまうでしょう。

 

 

 

 

 

ただ、最初のうちは少し無理をしても頑張っていただきたいのです。子供の方でも、今日はお母さんは(お父さんは)逃げないで話を聞いてくれるんだと思えると、少し態度を和らげてくれるようになります。

 

 

 

 

 

そうなると、まま今日はこれくらいに、という線でひきあげてくれるようになります。子供の側に少しゆとりが生まれてくるのです。

 

 

 

 

 

しかしこの時の話しの切り上げ方は難しく、「もうそろそろいいかしら」などという言葉のなかに、これまでの話を聞く時間を負担と感じていたようなニュアンスがちょっとでも入っていると、そこでまた子供は爆発し、お母さんはせっかくのひきあげのチャンスを逃してしまうでしょう。

 

 

 

 

 

ここら辺のコツはケースバイケースであり、一般論として書いてもあまり役立ちません。親御さんたちは、実際のかかわりの中での限りない失敗の体験を財産に、腕を上げていきます。

 

 

 

 

 

メモでの対話にしろ、夜中の対話にしろ、それを通してお母さんと比較的自由に話ができるようになると、子供の精神状態は少しずつ和らいでいきます。

 

 

 

 

 

少し楽になった子供は、夕方になると本屋やコンビニに出かけるようになったり、夜中に散歩をするなど人目が少なくなってからの外出ができるようになっていきます。

 



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