ひきこもりの実際
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ひきこもりの実際

2017年12月07日(木)3:28 PM

ここでは実際にひきこもりに入った子どもの様子を、大まかに描いてみましょう(もちろん、ひきこもりの人が全員こうだということではありません)。

 

 

 

 

 

彼らはまず、1日の大半を自分の部屋で過ごします。そして夕方起き出し明け方眠るというように、たいてい昼と夜の生活が逆転します。

 

 

 

 

 

少なくとも最初のうちは、家族の人と顔を合わせないように細心の注意を払い、部屋を出るのはみんながいないときを見はからい、食事をとりにいく時とトイレに行くときのみです。

 

 

 

 

 

たいていはお風呂にも入りません。衣類も洗濯に出すことはなく、部屋の中の片付けも掃除もしません。

 

 

 

 

 

ですから部屋の中には本や衣類、ごみなどが散乱し、次第に壮絶な状況を呈していきます。もちろん部屋のなかに誰かが入ることなど問題外です。

 

 

 

 

 

もし部屋に鍵があれば鍵をかけるでしょう。親子さんがドアの鍵を壊すと、多くの子供は次に、タンスやいすなどでバリケードを築きます。

 

 

 

 

 

つっかえ棒をすることもあります。雨戸も窓も開けなくなります。当然のこととして、次第に部屋には異臭が立ち込めてきます。

 

 

 

 

 

洋服も、寝ている時と起きている時で着替えることもなくなります。誰かが何かを話しかけようものなら、無視するか「うるさい」、あるいは風にギャーギャーとに大声で叫び、誰とも口をきこうとはしません。

 

 

 

 

 

しかし、このような「かたくななひきこもり」の状態も、誰か(多くの場合は心配している親御さん)がそこから引きずり出そうとしたり、あるいは「勝手にしろ」とに投げ出したりしないで待ってくれる、先走らずに自分のペースを守ってくれる、そして相談すれば何か答えてくれる、と子供が感じることができ、おそらくは「ひきこもり」によってあおられている自己嫌悪感や自己評価の低下をいくばくかでもストップさせることができると、それは次第に「ゆるやかなひきこもり」に変わっていきます。

 

 

 

 

 

「ひとりぼっちのひきこもり」から「ひとりではないひきこもり」に変ってゆくといってもよいでしょうか。

 

 

 

 

 

そうなると、時にはおふろに入ったり衣服を着替えたり洗濯したりもうしばらくたつと洗濯物を出したり、掃除もできるようになるでしょう。

 

 

 

 

 

家族とのやりとり、すなわち対話がよみがえる可能性が開かれてくるのです。

 

 

 

 

 

しかし反対に、親御さんが子供のひきこもりをやめさせようとして、踏み込んでしまうと子供は自分の部屋にいてさえ安心した気持ちでいることができなくなります。

 

 

 

 

 

侵入された感じになるのです。そうなると(家出などができれば、まだよいのですが)、外に出られず自分がいっそう嫌いになってしまった子供が思いつくそこからの脱出方法は、多くの場合、自殺です。

 

 

 

 

 

自殺企図(自殺しようと考え企てること)の危険が高まります。

 

 

 

 

 

自殺未遂をしてもなお、親子さんに自分の気持ちを理解してもらえず、さらに踏み込まれてしまう場合には、子供たちはいっそうわかりにくいひきこもりに入っていくような印象を私は持っています。

 

 

 

 

 

一見、目立たないストライキです。そしてそれは「かたくななひきこもり」よりもいっそう、「孤独なひきこもり」となります。

 

 

 

 

ひきこもりにはいったわが子を心配しない親御さんなど、いるはずはないでしょう。

 

 

 

 

 

ほとんどの場合、親御さんの対応は親なればこその心配からで、何とかしてあげたい、いてもたってもいられない気持ちからにほかならないと思います。

 

 

 

 

 

ただ、親御さんたちが心配のあまり行う対応が、子供にとって助けになるのか侵襲になってしまうのかというその1点が問題なのです。

 

 

 

 

 

よかれと思って行うかかわりは、しばしば「押しつけ」になり、一方通行的なものになってしまいがちなのです。

 

 

 

 

 

もちろん、子供がひきこもりから抜け出すためには、親御さんの助けが必要です。

 

 

 

 

 

しかし、子供が言葉や行動で発するサインを、親御さんや先生方がどういうメッセージであると受けとめ上手に本人に返していくかという対応は、なかなか難しいのです。

 

 

 

 

 

それはこの時期、子供が親御さんに自分でも持て余している感情をもろにぶつけてくるために、親御さんも表出された子供の感情の渦の中に飲み込まれ、次第に子供の言わんとしている意図がわからなくなっていくからです。

 

 

 

 

 

互いが互いを見失い、対応の喪失が深刻化してゆくのはこんなときです。

 

 



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