いじめが原因のひきこもり
ホーム > いじめが原因のひきこもり

いじめが原因のひきこもり

2017年10月04日(水)9:55 AM

ひきこもりの若者に聞いてみますと、小・中・高校時代に何らかのいじめを経験したと言う人が多く見られます。それでは逆に、いじめられた子どもは必ずひきこもるようになっていくのかといいますと、そうとも言いきれません。

 

 

 

 

 

いじめの持つ排除性と差別性

 

 

 

 

 

ところで、いじめの問題を考えるときに注意しなければならないのは、わたしたちが一般的にある言葉でもって表現している人間の行為には、人によっては受け取り方やイメージがまちまちであることがけっこうあるということです。

 

 

 

 

 

そういう意味では、いじめという言葉も例外ではありません。たとえば、からかったり、ふざけたりするという行為をある人はいじめであるというかもしれませんが、別の人はいじめではないということがあります。

 

 

 

 

 

「いじめが原因で子どもが自殺した」というニュースが報道されますと、学校当局からは、「あれはいじめではなかったと理解しています」というコメントが流されて、父兄との間の対立が表面化することがあるのはそうした解釈、イメージの違いが原因している一例です。

 

 

 

 

 

それでは「いじめ」とはいったい、どういうことをいうのでしょうか。いじめには、「言葉による攻撃」、「身体的攻撃」、「無視する」の三種類があります。

 

 

 

 

 

そして、これが特定の者に対して、一方的に継続的に加え続けられてその者に精神的な苦痛を与えることがいじめです。

 

 

 

 

 

また、いじめの心理的メカニズムとして、ある人や集団が自尊心を傷つけられないように防御するため、または傷つけられた自尊心を回復するため、「優れた者への妬み」、「劣っている者への嫌悪心」、「集団の均一性をこわす異端者・異質者の排除」のうちのいずれかの心の働きが作用して、特定の者への差別意識を増長させていくというのです。

 

 

 

 

 

この心理的メカニズムのうちで、被害者となる子どもの側からしますと、仲間集団からの排除性と差別性がいじめのもっとも本質的な問題性であるように思われます。

 

 

 

 

 

被害者の心の傷つきやすさ

 

 

 

 

 

いじめを考えていく上でもうひとつ大切なことは、被害者の受け取り方です。すなわち、被害者は、そうした加害者らの行為が自分を差別して仲間集団から排除しているものだと、どの程度受け取っているかについての感受性や自我の強弱の問題があります。

 

 

 

 

 

被害者の子どもにとって、いじめられているという感覚が大きければ大きいほど、加害者はいじめがいがあり、いじめをエスカレートさせていきます。

 

 

 

 

 

A君は小学校時代、国語の音読の時間であがってしまい、少しどもってしまいました。それ以後、クラスメートはA君に対して事あるごとに面白半分でどもる真似をしてからかうことが多くなりました。

 

 

 

 

 

それ以後、A君はまたどもって笑われるのではないか、からかわれるのではないかという不安感が強くなり、中学・高校と進学するにつれて不登校症状が顕著となり、最終的には高校を中退してひきこもるようになったといいます。

 

 

 

 

 

また、次のような場合もあります。すなわち、実際には第三者から見ても、いじめの定義に当たるような行為があるようには思えないのに、被害者が自ら自分をはみ出し者と規定してしまって、いじめられていると感じる場合です。

 

 

 

 

 

つまり、被害者である子どもが自分で仲間集団の異端者・異質者と決めつけ、思い込んでしまうのです。

 

 

 

 

 

B君は高校時代、グループ仲間といっしょに入浴する機会があったのですが、そのとき男性として誇るべきものに皆と違うところがあると、一度、それもたった一度、仲間から笑われたことがあります。

 

 

 

 

 

それが心的外傷体験となって、自分は正常ではないのではなかろうかと思い悩むようになります。B君は整形手術まで受けるのですが、不全感からついには高校も中退してひきこもるようになったといいます。

 

 

 

 

 

ひきこもりは、一種の対人関係障害ですが、その発端となるいじめについては、被害者の主観的感覚、被害感にもっと注目してほしいと思います。

 

 

 

 

 

この文章の最初に、ひきこもりの若者には何らかのいじめを受けた被害経験がありますと、わざわざ断りましたのは、いじめの範疇に入れてよいのかと思うような、いじめらしきものまで含まれるということを強調したかったからです。

 

 

 

 

 

いずれにしても最終的にひきこもってしまう子どもは、他人の気持ちに敏感で、ちょっとしたことにも傷つきやすいパーソナリティの持ち主であるということを忘れてはなりません。

 

 

 

 

 

早期協力態勢の確立

 

 

 

 

 

とはいえ、いじめの被害者は、最終的には全部ひきこもってしまうのかといいますと、答えは「ノー」です。父母や学校の先生など周囲の人々が、早期にこうした子どもの悩みを察知し、援助していけば子どもは十分に立ち直っていくものです。

 

 

 

 

 

しかし、不幸にして、周囲の気づきが遅れ、援助態勢が出来上がっていない場合には、子どもは非合理的な解決方法によっていじめを回避していく以外にありません。

 

 

 

 

 

ある子どもは、仲間集団から排除されないために必死になって加害者のいうがままに動き、ますます傷を深めていきます。

 

 

 

 

 

また、擬似家族といわれる非行集団に所属していくこともあります。しかし、人との関わりそのものを恐れている子どもは、自分の世界の中にひきこもってしまいます。

 

 

 

 

 

時には自殺してしまう子どももいますが、人との関わりを回避しようとする子どものほとんどは、精神的に依存できて物理的に安住できる家庭という場に逃げ込みます。

 

 

 



メニュー

過去の記事

団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
大橋秀太
理事:
大畑健太
理事:
杉下真理
住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-439-4355
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援