引きこもり・不登校の家庭訪問についての質問
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引きこもり・不登校の家庭訪問についての質問

2017年02月02日(木)2:08 AM

Q 担任の先生と友だちが家庭訪問してくれるというのですが、本人は拒絶しています。

 

 

 

 

この場合、呼ばないほうがいいのでしょうか?

 

 

 

 

A 

本人が拒絶している以上、呼ばないほうがいいと思います。なぜいけないかというと、友だちとか先生は過去の自分とのしがらみを持っている人たちだからです。

 

 

 

 

それを拒否するのは、そういう人を受け入れるだけの余裕が、今の自分にはないことを意味しています。

 

 

 

 

それから引きこもった状態にいる子どもは、担任や友だちが来るというと、その目的がだいたいわかってしまいます。

 

 

 

 

言い方はいろいろあっても真意は「学校に来い」という話がほとんど中心になってしまうのです。

 

 

 

 

立場が変われば誰もがそういう言い方になるわけで、これは仕方のないことです。

 

 

 

 

いや、善意として受けとめてほしいのです。関心がなかったら最初から訪問する気もないわけですから。

 

 

 

 

その気持ちが本人にもわかるだけに余計に会うことがつらいのです。

 

 

 

 

ですから、本人が「いやだ」と言うなら呼ばないほうがいいと思います。

 

 

 

 

また、よく仲の良かった友人に声をかけて家に来て欲しいと頼む親がいます。

 

 

 

 

この場合、本人が拒絶する可能性が高いわけで、そうなると、その友人が「頼まれたからわざわざ行ってあげたのに」と悪い気持ちを持ち、あとあとまで尾を引いてしまうこともあり、あまり好ましいことではないと思います。

 

 

 

 

ただし、もちろん本人が訪問を望んだ場合は別です。その場合でも、一人だけを呼ぶのがいいと思います。

 

 

 

 

それもあまり「しがらみ」のない友だちを選んでください。

 

 

 

 

大勢の友だちが来るような状態は避けたほうが賢明です。

 

 

 

 

引きこもった子どもは孤立感が強いため、大勢の人間が来てはとても受けとめきれません。

 

 

 

 

友だちのほうはグループ化されていて一対全員になりやすいのです。ですから、やはり一対一のほうがいいと思います。

 

 

 

 

その一対一の信頼関係ができてから、一対二、一対複数の信頼関係ができていくのです。

 

 

 

 

それから、来てくれた先生とか友だちの中には、一時間ぐらいいなければ悪いと考える人がいます。

 

 

 

 

ですがそれは間違いです。一時間という長時間は、引きこもる子どもにとってはかなりつらい時間になります。

 

 

 

 

このような場合、訪問される側の心理をよく理解してください。

 

 

 

 

自分が子どもの立場だったらどう思うかということです。

 

 

 

 

昔の引きこもる前の状態だったら、楽しい時間を過ごすことができるでしょう。

 

 

 

 

でも今は、引きこもっている状態なのです。

 

 

 

 

できることなら、今の引きこもりの自分をあまり見せたくないと思うはずです。

 

 

 

 

やはり短い時間で回数を重ねてくれたほうがうれしいはずです。5分でも10分でも、緊張しつつも友だちと何事もなく会えたということに意味があるのです。

 

 

 

 

なお、家庭訪問には三段階あるように思います。一つは援助を求め、理解者に会いたいと表明するとき、二つ目は自分のニーズに合った役割、情報を伝え果たしてくれる人なら会いたいとする場合です。

 

 

 

 

カウンセラーや教師には会いたくないが、家庭教師なら会ってもいいというときです。

 

 

 

 

子どものニーズを探し出してくれて、そこに配慮できる第三者を見つける努力をしてほしいと子どもは親に内心期待しているはずです。

 

 

 

 

三つ目は「今は誰とも会いたくない」という段階です。これは「今」ですから、これから先はわかりません。

 

 

 

 

ただ、一度拒絶しているので、会いたくなっても自ら言い出しにくい場合があります。

 

 

 

 

そのときは、「親の願い」として会うことを頼む配慮も親心だと思います。

 

 

 

 

最後に、家庭訪問は拒絶しても同世代であることは拒絶していませんので、クラスの一員としてプリントなどは届けてもらったらいかがでしょうか。

 

 

 

 

社会の変化と引きこもり

 

 

 

 

少し前の話になりますが、2000(平成12)年、1年間を通じて騒がれたいわゆる「十七歳問題」で、いつも語られたのは「引きこもり」でした。

 

 

 

 

事件を起こした「十七歳」の少年の多くは、現に「登校拒否・不登校」の状態にあったり、かつてその状態にあり、今は学校を退学していたり、高校に進学しないまま過ごしている少年だったと伝えられ、それが「引きこもり」としてくくられました。

 

 

 

 

「十七歳」ではなかったものの、重大な犯罪に関わった少年や青年たちの多くが、過去に「登校拒否・不登校」の状況にあったことが暴かれだしたのも2000年のことでした。

 

 

 

 

そして、少年による非行や犯罪と深く関わるものとして取り上げられた「登校拒否・不登校」とともに、新たにラベリングとして用いられたのが「引きこもり」だったと言えるでしょう。

 

 

 

 

「引きこもり」という言葉は、精神分析学でも使ってきた「withdraw(al)]」の日本語訳と言ってもよいもので、「(社会からの)退却」を意味します。

 

 

 

 

したがって、事新しい概念と言えるものではありません。ただ、昨今の使われ方は異常と言ってもいいほどのものであり、「引きこもり」をしているとすぐにでも犯罪者になるというような取り上げられ方になっていることが問題だと思います。

 

 

 

 

「引きこもり」が人口に膾炙(かいしゃ)されるようになったのは、「登校拒否」は拒否的な心性を失いつつあった時期に重なります。

 

 

 

 

つまり、1980年代の中頃ということになるでしょう。この頃は、「登校拒否」が都会から地方に広がるとともに年齢的にも低下していったときで、1990年代に入るとともにしだいに声高に語られるようになりました。

 

 

 

 

こうして1990年代中頃に至るのですが、この頃になると「引きこもり」は子どもの問題を語る定番になっていったのでした。

 

 

 

 

ただ、そこで語られた「引きこもり」は、2000年を通じて語られた犯罪がらみの「引きこもり」とは違っていました。

 

 

 

 

「登校拒否・不登校」の中には、下校時刻になると外に出る子もいましたし、自宅に向かう子といっしょに遊ぶことができる子もいました。

 

 

 

 

ところが、やがて、「登校拒否・不登校」を始めると、まったく外に出ない子どもたちが現れるようになり、それが、家の中では特段変わった行動をするわけではないが、「引きこもり」それ自体はけっしてほめられたものではないという後ろ暗い語り口で語られるものとなっていったのです。

 

 

 

 

そして、「引きこもり」をしていると社会から離れてしまい、立ち遅れてしまうから早く解消されるべきものであるという論調が大手を振ったのです。

 

 

 

 

より具体的に言うなら、どのような教育や指導をしたら、「登校拒否・不登校」を減らすことができるかということが論じられたり、もっと直接的にはどうしたら「引きこもり」をしない生徒にすることができるのかというような、いわばハウツーものの「引きこもり」防止論や「引きこもり」撲滅論がささやかれたのでした。

 

 

 

 

でも残念ながら、子育て論の中で「引きこもり」が論じられることはほとんどありませんでしたし、大きな意味での社会の状況との関係で「引きこもり」が論じられることもあまりなかったと思います。

 

 

 

 

もちろん、「引きこもり」を始めた動機にも一人一人違いがありますし、また「引きこもり」が進む過程にも一人一人の違いがあります。

 

 

 

 

それだけに、児童・青年期の心理学の専門家や児童・青年期の精神医学を専門とする医師たちは、個別的な検討を重視しがちになります。

 

 

 

 

なぜ「引きこもり」を始めたのか、「引きこもり」から抜け出させるにはどのような方策があるのかといった観点から、個別的な検討をしがちになるのです。

 

 

 

 

でも、ここまで見てきましたように、個々の子どもの「引きこもり」は、個々の子どもの問題であるように見えながら、大きな視点から眺めると社会の変動と無関係に「引きこもり」が起こっているわけではないし、また「引きこもり」の内容から見ても、社会の変化と無関係にその内容が変わっているわけではないのです。

 

 

 

 

ということは、個々の子どもたちの検討とは異なった視点で、「引きこもり」の検討を行う必要もあるということになるでしょう。

 

 

 



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