32歳のひきこもりの男性のケース
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32歳のひきこもりの男性のケース

 

ひきこもりの男性からのメール(許可を得て載せています)を紹介してみようと思います。

 

 

 

 

 

わたしは現在も引きこもり続け、来月で32歳になります。家族は両親とわたしの3人です。

 

 

 

 

 

弟がいますが、大学を卒業してその後、東京で働いています。

 

 

 

 

 

わたしはもともと体が弱いこともあり、小学生の頃からよく身体的欠陥をみんなからからかわれました。

 

 

 

 

 

そういうこともあってか、中学、高校と環境が変わっていじめられることがなくなっても、人との付き合いがうまくできず、思い出と呼べるものはなにもありません。

 

 

 

 

 

文章を書くことが好きだったので、大学は某国立大学の文学部を目指しましたが、二浪してしまい、結局だめでした。

 

 

 

 

 

このころは「大学に入る」という以前に、もうわたしの生活は正常ではなくなっていました。

 

 

 

 

 

この浪人時代がわたしにとって非常に苦痛の毎日でした。

 

 

 

 

 

高校のころはすでに「引きこもり」といわれる状態だったのでしょう。

 

 

 

 

 

できるだけ人とは顔を合わせたくないという思いがあって、ほとんど外出しませんでした。

 

 

 

 

 

高校も中退したかったのですが、父親が強く反対し、結局我慢して通い続けました。

 

 

 

 

 

浪人中、自宅で勉強をしていましたが、そのとき、近所の人がわたしの妙な噂を流しているのを聞いてしまったのです。

 

 

 

 

 

「あそこの息子さんは、病気みたい」以前から近所の人には挨拶もせず、なるべく目をあわせないようにしていましたので、「礼儀知らず」と思われていたようでしたが、そんな噂を流されるとは思ってもみませんでした。

 

 

 

 

 

それ以来、他人の視線が気になってしかたありません。

 

 

 

 

 

ある日、窓から外を見ると、近所のおばさんたちと視線が合ってしまいました。

 

 

 

 

 

そのときから、カーテンは閉め切ったままです。息を殺すような生活を続けています。

 

 

 

 

 

そういうことがあって、ますますわたしの状態はおかしくなり、噂が噂ではなくなってきました。

 

 

 

 

 

そのうち「幻聴」が聞こえるようになり、現在は精神科にかかっています。

 

 

 

 

 

極力外出は避けていますが、どうしても出かける用事があるときは、顔がひきつり、脂汗が出てきます。

 

 

 

 

 

子供たちがわたしを見て逃げたことがありました。ひどい噂が流れているんですね。

 

 

 

 

 

噂をする方は、暇つぶし程度の認識しかないのでしょう。

 

 

 

 

 

それが一人の人間の人生をこんなにも狂わせるということをわかってほしいです。

 

 

 

 

 

今は両親に食べさせてもらっている状態ですが、父親は来年定年を迎えます。

 

 

 

 

 

弟も結婚が決まりました。こんな情けない兄貴ではとても結婚式には出られないと思います。

 

 

 

 

 

わたしの周りの状況が変化していくなかで、わたしだけ時間が止まった世界にいて、とり残されていくようでつらいです。

 

 

 

 

 

いつまでも両親に面倒を見てもらうわけにはいかないのですが、自殺すれば親によけいに面倒をかけることになり、それもできません。

 

 

 

 

 

両親が死んだ時が、わたしの死ぬ日かもしれません。

 

 

 

 

 

悲観的なことばかり書きましたが、まだわたしは完全に絶望したわけではありません。

 

 

 

 

 

なんとか社会との接点をもって、少しで前進したいと考えています。

 

 

 

 

 

相談室には、わたしのような年齢の人もいるのでしょうか?(32歳・男性)

 

 

 

 

 

わたしから

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターでは、10代から40代の人たちが、いろいろな社会復帰の支援を受けています。

 

 

 

 

 

それぞれの年齢や時代背景は違っていても、繰り返し、繰り返し、なんらかの心理的抑圧を受けてパニックとなり、医療の助けを借りている子供もいます。

 

 

 

 

 

信じたい一心で近づけばまた裏切られてしまう、それでも人を信じないで生きることにはとても寂しく、心細くて耐えられない、でももう人に近づく勇気が出てこない、恐れしかないのだと思います。

 

 

 

 

 

そんな状況が長引くほどに「悪い噂」が聞こえてくるんですね。考えてみれば、無理からぬことだと思います。

 

 

 

 

 

そして、誰かにこのつらさを受けとめてもらえたとき、不思議と「悪い噂」は消えうせ、共感の呼び声がかすかに聞こえてくるのです。

 

 

 

 

 

これは事実です。心が癒されているんですね。だからけっして人との出会いをあきらめないでほしいのです。

 

 

 

 

 

わたしが大切にしている詩があります。マンガ家のやなせたかしさんの詩です。

 

 

 

 

 

「死にたいこともあったけれど、生きていたからよかったね。ここで、こうして、こうやって、不思議な不思議なめぐりあい、あきらめなくてよかったね」

 

 

 

 

 

追いつめられるような毎日のあなたが、それでもなお、家族に迷惑をかけまいと心を痛めている姿に、わたしは健気な人間味を感じます。

 

 

 

 

 

人は冷たくひどいところもありますが、あたたかく、やさしいところもいっぱいあります。

 

 

 

 

 

そしてこれからの人生も悲しいこともたくさんあるでしょうが、嬉しく楽しいこともいっぱいあります。

 

 

 

 

 

そのことをわたしは確信しています。

 

 

 

 

 

そして、そんな人間的な体験を積み重ねて、肌と肌をぶつかり合わせて人は育っていくんだろうなと思っています。

 

 

 

 

 

人間関係で傷ついてしまった心は、人間関係でしか癒されないのだとつくづく思います。

 

 

 

 

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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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理事:
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住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-439-4355
メール
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活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援