高校の予備校化と不登校・中退問題
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高校の予備校化と不登校・中退問題

高校の予備校化は、今では完成されてしまった感があります。発表されている資料で見ると、偏差値52.3あたりの学校が一群になっています。

 

 

 

 

そこは顕著に予備校化されています。「特進」と呼ばれる進学クラスを備えていますよ、とセールスしている中くらいの学校たちです。

 

 

 

 

上位にいる偏差値65以上の学校は、予備校化する必要がないカリキュラムが組まれていて、生徒もしっかりついてきます。

 

 

 

 

ところが、偏差値53前後の学校は、無理に成績を押し上げようとします。そこでついていけなくなる生徒も出てきます。

 

 

 

 

ところが学校側は、落ちこぼれた生徒を救う労力を割きません。

 

 

 

 

特進クラスの設置は、ひとえに受験者数確保のためです。これは都立(公立)も変わりません。少子化で減っている生徒数を確保するために高校側も必死です。

 

 

 

 

今なお、この言葉が生徒たちに響きます。「大学にいけますよ」また、この一群の高校は生徒数も多く、クラスは8クラスほどあります。

 

 

 

 

特進クラスを設置していても、教師たちの学習指導の基本は問題集をこなさせるだけ、という場合もあります。

 

 

 

 

しかも学力不足の生徒はどんどん切り捨てていくなんてことも珍しくありません。創意工夫をしている高校があると、マスメディアや教育関係で取り上げられますが、そういった独自の学習指導をしている高校は非常に少ないのが現状です。

 

 

 

 

だから大方の高校では教材を業者が作成してきます。教員がオリジナルで作成しません。20数年前の進学校では教師自身が作成したドリル、演習教材な珍しくなかったのですが、いまや教材は大手予備校が食い込んで作成しています。

 

 

 

 

要するに予備校が高校のコンサルタントなのです。高校が行う会合などがあると、予備校の担当者がやってきて売り込みをします。

 

 

 

 

それに高校は渡りに船と丸々乗っかります。特進クラスを設置すると高校が決めても、そのノウハウがないわけですから、どうしようかと考え、そうだ、予備校に頼もうと発想します。

 

 

 

 

予備校としては大歓迎です。自分たちの試験問題を採用されますし、大学受験で落ちた生徒をそのまま自分の予備校に受け入れられるからです。

 

 

 

 

彼らは宣伝、営業活動の一環としてやっていますから、公立高校相手では報酬ももらえません。学校は出費もなくて大助かりという図式になります。

 

 

 

 

こうした高校の予備校化はほとんどの私立の高校で起きていて、公立も稟議が通る範囲で受け入れています。

 

 

 

 

僕も親として娘の学校説明会に行く機会があったのですが、予備校の人間が全部仕切っていました。進学指導から保護者・生徒の着席場所まで、全部です。

 

 

 

 

この高校は県立高校ですが、そこまで予備校化が浸透していました。

 

 

 

 

いまや、高校と予備校は持ちつもたれつの関係になっています。そんな予備校化している高校では、落ちこぼれてしまった生徒、進路に悩む生徒を救えるはずがありません。

 

 

 

 

大学への進路実績や入学者増が評価基準になるなかで、先生たちはがんばっています。そのような状況下では、不登校中退問題に割く余力は残念ながらほとんどないのでしょう。

 

 

 

 

高校の不登校・中退問題への対応を広めるために、わたしはさまざまな高校にアプローチをし続けています。なかには高校側からわたしに話を聞きたいと連絡をくれ、うちの生徒のために転校制度について教えてほしいと言って来た学校もあります。

 

 

 

 

恐縮ながらお話をしにいったのですが、やはり、現場の先生たちは転校制度について知らない部分が多くありました。

 

 

 

 

それだけ、理解するのに時間がかかる分野であり、対応が難しいのです。それでは具体的にお話しましょう。

 

 

 

 

ある生徒が高校を転校するとなったとき、さまざまな手続きが必要となります。ところが、先生たちの知識や経験不足によって、転校するのに必要な書類がそろう時間に差が出ます。

 

 

 

 

たとえば、ある学校では、3日で出てきた書類が、ほかの学校では1ヶ月かかる場合もありました。この1ヶ月の間、生徒は欠席扱いになります。

 

 

 

 

文科省の定義では、30日以上欠席すれば不登校とされます。この烙印によって生徒のその後の進学や就職に大きく影響を与える場合もあります。

 

 

 

 

また1ヶ月の遅れによって、スムーズな転校ができなくなった事例もあります。経験と知識があれば、そういった生徒の負担を軽減できるのではないでしょうか。

 

 

 

 

フリースクールについて

 

 

 

 

不登校の増加につれて、受け入れ場としてフリースクール、フリースペース、サポート校などが増えてきています。

 

 

 

 

こうした教育の多様化は、現教育の画一化の欠点を是正する意味で必要な存在だと思われます。

 

 

 

 

しかし一方で、問題点も多々あります。「学校がダメならフリースクールがある」と親が安易に考えてしまうことの危険性です。

 

 

 

 

学校の代わりの存在があるのはいいことですが、安易に頼ってしまうと不登校や引きこもりになった原因を除去することが難しくなってしまいます。

 

 

 

 

不登校も引きこもりも、家庭に原因があるケースが多いのです。表向きの原因がいじめであったり、勉強についていけないことによる自信喪失、あるいは先生との折り合いの悪さであっても、本人の心の奥底には必ず家庭、家族との葛藤などがあるものです。

 

 

 

 

その問題を解決しないでフリースクールやフリースペースを頼るのは、子どもの将来によい影響を与えません。

 

 

 

 

フリースクールは授業もしていますが、基本は自由登校で通学にまったく制約がないので、とうてい学校の代わりにはなりません。

 

 

 

 

学校というところは毎日通うほか、いろんな規制があることに意味があるのです。

 

 

 

 

フリースペースのほうは、その主たる目的が「居場所の提供」なので、引きこもり防止に役立ちそうですが、それだけでは現実は問題の先送りに過ぎません。

 

 

 

 

つまり、大半の不登校や引きこもりは、家庭もしくは本人に原因があるのに、フリースクールやフリースペースは、そうした問題の解決にはほとんど何も機能することができないのです。

 

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