長期化した不登校への対応
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長期化した不登校への対応

1、「長期化」の判断

 

 

 

 

不登校状態が長引くと親も教師も疲弊していきます。無力感やあきらめの気持ちにもとらわれます。

 

 

 

 

「登校に向けてはたらきかける」という初期対応から、長期化をふまえた対応に切り替えることも必要になってきます。

 

 

 

 

登校に向けて何らかのはたらきかけをするという対応方向が、裏目に出てしまうこともあるからです。

 

 

 

 

一過性の不登校か、本格的な不登校かの目安をわたしは「3ヶ月の連続的不登校」と考えていますが、長期化の目安はその倍、6ヶ月と考えています。

 

 

 

 

最近では、不登校が数年から10年以上に及ぶ場合があるため、「長期化」の定義はさまざまです。

 

 

 

 

2、はたらきかけの見直しチェック

 

 

 

 

長期化と判断した場合には、これまでのはたらきかけがなぜ有効ではなかったか、なぜ不登校状態が持続しているのかの検討が必要です。

 

 

 

 

「学校側の原因」

 

 

 

 

〇 家庭との連絡体制が崩れている。

 

 

 

 

〇 担任交替などで、学校側のキーパーソンが不明確になり、その子や保護者とのかかわりが希薄になっている。

 

 

 

 

〇 これまでのやり方が、本人や親を追い詰める結果になっている。

 

 

 

 

〇 これまでのやり方が、本人や親の学校不信感をつのらせる結果になっている。

 

 

 

 

「家庭側の原因」

 

 

 

 

〇 学校不信などにより、学校からのはたらきかけを拒否するようになっている。

 

 

 

 

〇 登校、勉強などにこだわり続けるため、子どもの気持ちとの間に大きなズレが生じている。

 

 

 

 

〇 家庭不和や経済的困窮など、子どもの養育や教育にエネルギーを費やせない何らかの理由が持続的にある。

 

 

 

 

〇 専門機関などで「登校・学校にこだわらない」助言指導を受けている。

 

 

 

 

「本人側の原因」

 

 

 

 

〇 フリースペース・フリースクールなど、学校以外に「居場所」を見い出している。

 

 

 

 

〇 ゲームセンターなどで似たような状態の子どもたちとの交流で、それなりの充実感を感じながら日々を過ごしている。

 

 

 

 

〇 昼夜逆転など生活リズムが大きく乱れているため、回復のきっかけを見い出すことができない。

 

 

 

 

〇 学校とは異なる時間感覚の生活が長くなり、だらだらと節目のない生活状態が続いている。

 

 

 

 

〇 「不登校・登校拒否」というレベルではとらえきれない精神的疾患にかかっている。

 

 

 

 

3、長期化をふまえた対応

 

 

 

 

ここでは基本的な方針をあげてみます。

 

 

 

 

①学校側の指導体制を再検討し、もう1度キーパーソンやサポート体制を作る。

 

 

 

 

②家庭と学校との話し合いの場を持ち、長期化をふまえた「仕切りなおし」を行う。

 

 

 

 

③家庭と学校との連絡体制を再確立する。

 

 

 

 

④生活リズムを取り戻す方法を親と学校側で検討する。

 

 

 

 

⑤引きこもり状態が続いているときは、家の外に出る方法を検討する。

 

 

 

 

不登校の長期化をめぐる心理状態

 

 

 

 

不登校が長期化したときの心理状態を考えてみます。

 

 

 

 

①子ども本人:ひとりとり残された気持ちになります。開き直りやあきらめから自分の意識から学校を切り捨てようとします。

 

 

 

 

しかし、ネットやテレビなどから学校に関する情報が否応なしに入ってくるために葛藤が生じやすいです。

 

 

 

 

心のどこかに「やり直したい」という出直し願望を持っていることが多いです。

 

 

 

 

②保護者:「このままでいいのか?」という迷いがあります。専門機関を巡ってもこれといった解決方法が得られない場合には、学校ばかりでなく専門機関へも不信感を抱きます。

 

 

 

 

家庭を顧みない父親に母親が不満を抱くなど、それまで潜んでいた家庭の問題が子どもの不登校をきっかけに顕在化することもよくあります。

 

 

 

 

③担任教師:心のどこかで気になりながらも、有効な方法が得られないことに困惑していることが多いです。

 

 

 

 

周囲から「何もはたらきかけない」と批判されたりすると、変化の見られない子ども本人や、連絡のつきにくい保護者に怒りの感情が向けれらることもあります。

 

 

 

 

このように不登校の長期化によってそれぞれが心のゆとりを失い、追い詰められ、互いに対して不満感や不信感を抱きやすくなります。

 

 

 

 

したがって長期化へのはたらきかけは、それぞれの、①孤立感、無力感からの回復②心のエネルギーの充足③信頼関係の修復、が目標となります。

 

 

 

 

学校から長期不登校の子どもへのはたらきかけ

 

 

 

 

(1)何らかの形で連絡する

 

 

 

 

細々とでよいのです。手紙(短文のカードのようなものがよい)、電話(電話口に出なくても、「〇〇君に電話があったことを伝えてください」と明るく伝える)、メールなど返事を期待しないで3回は連続して投げかけます。

 

 

 

 

3回行っても手ごたえのない場合には、少しインターバルをおいてからまた投げかけます。

 

 

 

 

「先生が自分を見捨てていない」ということは伝わるはずです。

 

 

 

 

(2)必要な情報は伝えておく

 

 

 

 

進学についての情報、学校行事についての情報など、長期欠席中でも必要な情報は事務的にでも伝えておきます。

 

 

 

 

学校からは見えないところで本人が登校や出直しのチャンスをうかがっているかも知れないのです。

 

 

 

 

(3)その子の得意なことをリクエストする

 

 

 

 

家でよく手芸をしているとの情報を母親から得た担任が、クラスの旗をデザインし作るようにその子に頼んだことがありました。

 

 

 

 

その子は一生懸命に取り組み、立派な旗を完成させました。その旗を背景にクラス全員が写っている記念写真とともに、クラスのみんなからの感謝の寄せ書きが届き、少しづつ交流が積み重なって再登校に至った例があります。

 

 

 

 

自分の存在意義を確認し、クラスのみんなとの絆を確認できたことが回復につながったのです。

 

 

 

(4)出直しやすい機会をとらえ、はたらきかけてみる

 

 

 

 

登校への気持ちが向きやすい時期があります。①遠足、文化祭などの行事の時、②夏休みなど長期休みの前の短縮授業に入った時期、③新学期はじめなどの区切りのよい時期、④担任替えやクラス替えのある新学期始め、⑤卒業認定や卒業後の進路を考えなければならない時期などです。

 

 

 

 

前もって準備するもの、集合場所、当日の予定などを伝えておくと不安が少なくなります。

 

 

 

 

連絡という形で、あまり期待せずに「ダメもと」で投げかけてみましょう。

 

 

 

 

「学校からの電話が怖くなって、電話機に座布団をかけていた」という不登校の親の言葉を聞いたことがあります。

 

 

 

 

わが子についての良い便りを報せることができず、先生から責められているような感じだったから、という理由でした。

 

 

 

 

不登校が長く続くと、家庭との連絡体制が崩れてしまうことが少なくありません。

 

 

 

 

担任の交代やクラス替えがそれに輪をかけます。こうした長期化した不登校の保護者へのはたらきかけのポイントをあげてみましょう。

 

 

 

 

1、保護者との関係の作り直し

 

 

 

 

(1)親も心のエネルギーを必要としている(教師ができること)

 

 

 

 

不登校が長く続くと、親も孤立無援の状態になりがちです。同年代の子どもを持つ親同士の話もかみ合わなくなり、「親に問題がある」といった風評にもさらされます。

 

 

 

 

こんなとき、親の気持ちを理解し、いっしょにわが子の問題を考え歩んでくれる人の存在は、親にとって大きな力となります。

 

 

 

 

学校の中にそうした先生が1人でもいれば、親と学校との関係は細々とでもつながっていくのです。

 

 

 

 

「不登校を直そう」と気負わずに、「まずはいっしょに話しましょう」といったスタンスでかかわれればと思います。

 

 

 

 

親の苦労に耳を傾け、ねぎらい、これまでの辛抱や努力を認めていきます。時には親と共に、不登校関係の講演会などに参加し、いっしょに感想を述べ合ったりしてみることもよいでしょう。

 

 

 

 

(2)フリースクールやフリースペースなどの訪問をする

 

 

 

 

子どもが学校以外に「場」を見い出して生活している場合があります。そうした機関のスタッフの話では「学校側から見学・訪問に来る例がほとんどない」とのことでした。

 

 

 

 

その子なりになんとか外の世界に関わっていることを評価し、その子のあり方を知ろうと積極的に歩み寄ることが必要ではないでしょうか。

 

 

 

 

そうした教師の姿勢が親の学校観や教師観を変えていくと思います。

 

 

 

 

(3)父親の登場を促す

 

 

 

 

子どもの不登校をきっかけに、家族の人間関係や構造が変わっていくことがあります。

 

 

 

 

家族の風通しがよくなったり、家族が協力し合ったり、親子のコミュニケーションが豊かになったりとよい変化も少なからず見られるのです。

 

 

 

 

その中でも父親が不登校の長期化をわが子の危機、家族の危機ととらえ、これまで以上に家庭に関わったり、母親のサポートに回ったりする例があります。

 

 

 

 

こうした家庭では心のエネルギーが通い合い、不登校をきっかけに家族それぞれが成長していきます。

 

 

 

 

「お父さんもいっしょに話し合いましょう」という学校からのはたらきかけが、そのきっかけになるかもしれません。

 

 

 

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